アメリカで出産

その1

娘は、はるか昔に日本で生まれた。(何時代や)普通に一週間入院した。 ボーイズは、ちょっと昔アメリカで生まれた。 妊娠中定期健診に行くのは日本と一緒であるが、こちらはカップルで来てる人が結構いた。日本では殆ど見られやん光景であった。 日本では「太るな」「太るな」てうるそー(うるさく)ゆわれた。しかしここでは「どんどん太れ。最低15キロ」てゆわれた。ほんなことゆうはけ(そんなこと言うから)、多くの妊婦は出産後もどこが減ったんか分からんくらい太る。二人も産んだら別人になる人かて珍しない。

その2

 長男の生まれた日。5時まで働いて、帰ってきたらちょびっとお腹痛なった。病院に電話したら、いっつも通ってるところと違て、ちょっと遠くの本店てゆうか本院に行けてゆわれた。しゃーないなあ。 風呂溜めて入り、ご飯食べた。お父さんがビール飲んでたんで、「私も」てゆったら「だめだよ」て。 ほんでもほしはけ(ほしいから)じーとビール見つめたら、しぶしぶコップ半分注いでくれた。しめしめ。 しかしこの話がどこでどう伝わったんか、次に帰国したとき、会う人会う人ごとに「大ジョッキでビール『がー』と飲み干して、ジョッキテーブルに『がん』て置いて『産んでくる!』てゆって出かけたそうですね」てゆわれた。なな何かほれ、違うでえ。大体、ご飯の部分が完全に消えちゃある。「でもね、みんな『ま、あの人らしいな』とか『あの人やったらやりそうやな』て、すっごく納得してます」するな、そんな納得!大体、どこの家に大ジョッキある?え?うちやったらありそう?ま、そー思われてもしゃーないな。 ここまで話が広がったら、もういくら訂正しても無駄である。日本では、私は「大ジョッキ出産の女」として伝説になっているのである?

その3

 病院到着。お産の妊婦は救急入り口に行く。救急はむちゃむちゃ待たされるのがお約束であるが、妊婦だけは車椅子でお迎えが来る。(変なところからくるのではない) -暗ーくて狭ーい部屋に連れて行かれた。お腹に何やらぐるっと巻かれた。ベッドの隣にある不思議な機械につながっていて、数字が常に表示されちゃある。 ここ本店やろ?ほやのに看護婦さん、私が「痛た」てゆってんのに、「名前は?住所は?えーと、電話番号。そうそう、保険証出して」そんな情報、もらっとけよ!陣痛がくると、「もー、早よ終わりたいのに、待たすなよ」みたいな顔して「はあ~」てため息つく。 ひと段落したら「糖尿病とかある?アレルギーは?」機関銃のように質問再開する。「さ、ここにサインして」ほんま、怒るでえ。

その4

聞くことだけ聞いたらその看護婦さん、とっとと消えた。お父さんはといえば、前日日本出張から戻ってきたばっかりやったのは分かるが「オレ時差ぼけだから、寝るわ」ほんま、往復ビンタものである。ここは腰さすりさすりしたり手ー握ったりして「ハニー、大丈夫かい」てゆう場面やんか! 陣痛がくると、機械の数字が上がる。お父さんほしたら飛び起きて、私と違て、機械に表示される数字に目が釘付け。「おお、痛みが強くなると、数字も上がる。よくできてるなあ。一体どういう仕組みになってるのかなあ。あれ?数字が下がる。なーんだ、陣痛治まったのね。じゃあオレ、時差ぼけだから寝るわ」アホかいっ!何の心配してるんや。

その5

看護婦さんなんて、カーテン隔てた向こうの部屋で世間話してる。 部屋で待つこと約30分、機械の数字が大きくなったところで、「よっしゃ分娩台に行こか」てどすどす入ってきた。 分娩台に移動したが、超安産の私、三回プッシュで長男誕生。それもこれもどれも、コップ半分のビールのおかげである?子供産んだ直後はへとへと?いえいえ、疲れる前に生まれました。無痛分娩が常識のここやけど、早すぎて「注射打つ?」と聞かれる間もありませんでした。 

その6

噂通り、子供に産湯はなし。ほんでもって、分娩後15分ほどで看護婦さんが、部屋のすみっこについ ちゃーるシャワー室で首から下流せてゆってきた。 ほんなことゆわれても、シャワー室まで約10メートル。まだぽったんぽったん落ちるやん。(この辺、PG13) て思てたら、看護婦さん仁王立ちになって、足の間にバスタオルを体の前後にまっすぐ置いて、両端持って体の前後に引き上げた。「こうやって、バスタオルのはしっこを持ってシャワー室まで歩いて行けば、床が汚れないから」 そうゆう問題か? それよりこの看護婦さん、分娩直後の妊婦に毎日これしてんのかなあ?「こうやって」って。

その7

部屋までは、看護婦さんが車椅子で連れてってくれる。途中ナースセンターにわだわだ(わざわざ)寄る看護婦さん。「彼女がさっきのスーパーレディー」てみんなに私を紹介してる。何たって、分娩台に乗って三分で産んだんやもん。 何かの形で表彰してもらいたいくらいである?

その8

保険にもよるが、普通は二泊三日である。夜11時59分に産んだら、最初の1分が一日に数えられる。二人部屋もあるが、基本は個室。シャワーもついてて「いつでも好きに使って」日本ではありえやん。 退院の日は、看護婦さんが病院の出口まで車椅子で押してってくれる。これは、母を労わるとかゆうワケではなく、「迎えの車にベビーシートがちゃんと取り付けられちゃーるかどうかをチェックする」ためなのである。

その9

ほんでもって翌年、次男が生まれた。彼は5週間も早よ生まれた。 とゆうのも まだまだ5週間あるはけ今のうち遊んどこうって、真夏のディズニーワールド行って「妊婦は乗るな」て注意書きのあるアトラクション軒並み乗りまくったせいかなあ、帰ってきた二日後に生まれた。 や、やっぱり控えめにしとかんとあかんかったんかなあ。 長男と同じ病院にて。PG20の話があるのだが、さすがにこれは、私に直接聞いてほし。 これまた超安産やったんやから、まあええやん。結果オーライである。 楽やったもんで、次男生まれた瞬間「あと二人いける」て思た。ほやけど、今冷静に考えたら、子供は三人いてたら充分である。


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