意思決定法研究部会 概要

本研究部会は、 日本オペレーションズ・リサーチ学会 常設研究部会 意思決定法 です。
AHP(Analytic Hierarchy Process)や効用理論、ゲーム理論など意思決定法に関する研究について、研究会やシンポジウム(JSAHP) の開催を通じて研究成果の公表、討論、研究者の交流を目的としています。研究者、学生、事業者の方、意思決定法の研究や応用事例に関心のあるの皆様の参加を歓迎いたします。
本研究部会では、毎年研究会を開催しています。また、3年に一度(ISAHP開催年は翌年度)、AHPの理論と応用に関する研究と実施の活性化のためにシンポジウムJSAHPを開催しています。シンポジウムで講演された研究の中から、選りすぐりのものを査読を経てた上で、ジャーナルの形で出版・公開しています。

意思決定法研究部会 主査: 西澤一友(日本大学)  幹事: 杉浦伸(名城大学)
問合せ先: 西澤一友(日本大学)  Tel: 047-474-2664  E-mail: nishizawa.kazutomo [at mark] nihon-u.ac.jp


平成29年度 研究部会 開催日程

意思決定法研究部会(第44回) 
・日時:2017年12月12日(火)16:00〜18:00
・場所:(大阪)大阪商業大学 谷岡学園梅田サテライトオフィスCURIO-CITY
      〒530-0011  大阪府大阪市北区大深町4番20号 グランフロント大阪タワーA(南館)16階
      アクセス方法  http://www.tanigaku.ac.jp/contents/guide/img/satellite_access.pdf
・講演者と講演テーマ
 (1)法雲俊栄(大阪商大) 「仮想通貨の比較と評価に関する研究」
 (2)田地宏一(名古屋大学)「一対比較行列からの重要度の計算について」

意思決定法研究部会(第45回)   学生大会 
・日時:2018年1月23日(火)16:00~18:00
・場所:(東京)日本大学 桜門会館  303会議室
      〒102-0076  東京都千代田区五番町2-6
      アクセス方法 https://www.nihon-u.ac.jp/access_map/map/oumon/
      学生の発表講演者を募集しております。


過去の研究部会


意思決定法研究部会(第43回) 
・日時:2017年10月24日(火)16:00~18:00
・場所:(名古屋)名城大学 ナゴヤドーム前キャンパス [西館2階 レセプションホール]
      〒461-8534  愛知県名古屋市東区矢田南 四丁目102-9
      アクセス方法  https://www.meijo-u.ac.jp/sp/90th/campus/nagoyadome/
・講演者と講演テーマ
 (1)飯田洋市(諏訪東京理科大学)「代替案を順番に評価するためのAHPの枠組みについて」
AHPでは代替案を評価するために一対比較が利用される.このとき,全ての代替案がそろっていることが暗黙裡に要求される.本報告では,代替案がいっぺんにそろわない場合を例に,それらを一つずつ独立に評価していき,全てそろったところで従来型の視点から調整することで評価比表を得るための手順が紹介された.数値例としてフィギュアスケート競技での評価が挙げられた.
 (2)大野栄治(名城大学)    「地域コミュニティ型小水力発電事業の提案と費用便益分析」
本研究では,まず温暖化対策と地域活性化の両立を図る地域コミュニティ型小水力発電事業を提案した.この事業には住民ボランティアを活用してコストを削減するという特徴がある.次に,ボランティア活動(奉仕労働:WTW)が社会的便益の指標になるという独自理論に基づきWTW関数を推定して事業の社会的便益を計測した.そして,費用便益分析を通じて事業の実現可能性を検討した.

意思決定法研究部会(第42回)
 
・日時:2017年8月31日(木)16:00~18:00
・場所:(東京)日本大学 桜門会館  〒102-0076東京都千代田区五番町2-6 
      アクセス方法  https://www.nihon-u.ac.jp/access_map/map/oumon/
・講演者と講演テーマ
 (1)大山口菜都美(秀明大学)「授業評価アンケートにおけるAHPの活用」
大学における授業評価アンケートにAHPを導入することで,学生が授業に対し何を重要視するかを反映させた授業評価を目指す.実際に発表者の授業において行った,三つの評価基準に対して三角図を用いた三つ組比較を行う項目を追加したアンケートの分析結果を報告し,今度の改善案や注意点について様々な意見をいただいた.
 (2)大屋隆生(国士舘大学) 「支配代替案法における階層化の扱い」
支配代替案法,多重支配代替案法の評価過程で表われる一対比較を1つの一対比較行列として表現した超一対比較行列を提案したが,評価基準が階層化されている場合も代表の評価基準を支配評価基準として用いることにより超一対比較行列を用いて計算できることを示した.

意思決定法研究部会(第41回)  
・日時:2017年7月8日(土)15:00~17:00
・場所:(名古屋)名城大学 ナゴヤドーム前キャンパス南館DS404 〒461-8534 名古屋市東区矢田南四丁目102番9   アクセス方法
講演者とテーマ
 (1)西澤一友(日本大学)「KES-IDT2017の報告」
6月下旬にポルトガルで開催されたKES-IDT2017について,発表セッションであるDecision Making Theory for Economicsの概要を報告した.このセッションの発表数は5件で日本から3件の発表があった.来年度はオーストラリアでの開催となるので,多くの人に論文投稿等,積極的な参加をお願いした.
 (2)水野隆文(名城大学)「AHPの一対比較行列と投票理論」
AHPの固有ベクトル法に基づいた、投票集約手法を提案した.そして,提案した集約手法を、主要な投票集約手法である多数決とCondorct-Kemeny-Young法,Bordaルールと比較した.さらに,詳細な数値実験により,固有ベクトル法に基づく集約方法がBordaルールに非常に近いことを確認した.

意思決定法研究部会(第40回)  学生大会 
・日時:2017年1月24日(火)16:00~18:00
・場所:(東京)日本大学 桜門会館  〒102-0076東京都千代田区五番町2-6   アクセス方法
講演者とテーマ
 (1)妻島元輝(名城大学 大学院1年生)従来型AHPと支配型AHPの比較研究
本研究では,従来型AHPと支配型AHPの比較研究を行い相違点を明らかにする.まず従来型AHPの概要説明と評価手順・評価法,その問題点を述べた.次に支配型AHPの概要説明と従来型AHPの問題点を解決したことを述べた.最後にベルトン&ゲアーの反例について述べた.今回はここまでだが,次には支配型AHPの適用例を考える.
 (2)山影達也(慶應義塾大学 大学院1年生)一対比較行列における入力順序の考察
AHPなどの一対比較では,その一対比較の順序を考慮しないのが一般的であり,順序不定で一対比較を行うことが多い.しかし,評価項目が増えると比較順序に偏りが大きくなる傾向がある.本研究では,比較順序を指定することによって不整合性を少なくすることを考え,その順序にリーグ戦の対戦順序を用いることを検討した.
 (3)岡本健(日本大学 学部4年生)AHPによる学生野球の評価と分析
AHPによる学生野球の評価と分析を行った.全国高等学校野球選手権千葉大会の結果データから,評価基準のウエイトを推定する方法を3種類提案した.また,偏差値化により失点などのマイナスの要素も考えることができた.推定した評価基準のウエイトから,高校野球では失点しないことと,打力で得点していくことが大事であるということが明らかになった.

意思決定法研究部会(第39回)
・日時:2016年11月22日(火)16:0018:00
・場所:(大阪)大阪商業大学 谷岡学園梅田サテライトオフィス「CURIO-CITY」  グランフロント大阪タワーA(南館)16階
・講演者とテーマ
 (1)福田将誉(箕面市立病院)「医療機器選定における階層化意思決定法の活用事例 -取り組みの現状と課題-」
医療現場においてAHPを活用した3事例を紹介した.医療機器の機種選定に使用し,最終決定した機種でも弱点(評価の低い部分)を把握することができるため,導入前に対策を打つことができる.また,機種選定には,公平性・透明性を担保する必要があり,AHPは選定プロセスが数値でき,よい手法であると考えている.
 (2)法雲俊栄(大商大)「情報セキュリティ評価の手法と問題」 
情報セキュリティの評価と問題について比較検討し,新たな評価方法について模索した.現在,主に利用されている情報セキュリティ対策ベンチマーク,ISMS適合性評価制度などは,経営者の視点から管理・運用面でトップダウン的に評価する手法と言える.しかし,実際は,情報漏洩の原因が利用者側に多いこと,オープンネットワーク下にあることから,エンドユーザ側からの新たな評価手法が必要であると提案した.

意思決定法研究部会(第38回)
日時:2016年10月25日(火)16:0018:00
・場所:(東京)日本大学 桜門会館 
・講演者とテーマ
 (1)木下栄蔵(名城大学)「ISAHP2017の開催に向けて」
ISAHP2017の開催に向けて日本側の委員名簿と今年8月にロンドンで開催されたISAHP2016を踏襲した開催骨子を示した.まだ,開催日程に変更があるかもしれないが,当初の開催日程でスケジュール,論文募集・発表・アブストラクト発行などについて,予定を説明した.今後,開催が盛り上がるように,各委員への依頼があった.
 (2)杉浦伸(名城大学)「コンジョイント分析からのAHP評価値導出の試み」
コンジョイント分析は住環境に関するさまざまなサービス,政策等の部分効用の推計が可能であり,AHPはさまざまな代替案の全体の評価に適している.そこで,本発表では,既存のコンジョイント分析研究からAHPでの評価値導出を試みた.すでに結果が出ているコンジョイント分析研究の結果をもとに相対評価法,絶対評価等をあてはめ数値結果を導出した.質疑応答では,より多くのモデルと比較をする必要性があるとの指摘を受けた.
 (3)大山口菜都美(秀明大学)「AHPの一対比較に関する幾何学的考察」
3要素の一対比較において要素間の評価値の関係を視覚的に提示するため,三角図を用いたインターフェースが水野隆文氏(名城大学)と田地宏一氏(名古屋大学)により提案された.本講演では,支配型AHPの三角図における図形的な意味を考察し,4要素に対して三角図の代わりに四面体図を用いて評価値を一覧する際の問題点等を報告した.

意思決定法研究部会(第37回)
日時:2016年9月3日(土)14:0016:00
場所:(名古屋)中京大学名古屋キャンパス センタービル7F 07D教室 
・講演者とテーマ
 (1)佐藤祐司(中京大学)「行政評価と行政経営」 
本報告では,自治体が行う自己評価としての行政評価に科学的な根拠を与える仕組みとして,施策の政策に対する寄与度を基に目標への接近度を定量化する評価の枠組みを提案した.その枠組みをある地方自治体の行政評価に適用して得たフィードバックを基に,実際の行政経営にどのような効果をもたらすかについて議論が交わされた.
 (2)西澤一友(日本大学)「AHPにおける整合性を考慮した代替案ウエイト算出の提案」
AHPの一対比較において,整合性が良くないと判断された場合のウエイト調整方法を提案した.従来のAHPでは整合性が良くないと判定された場合,一対比較のやり直しを行うことを推奨している.しかし,再度の一対比較は恣意的で好ましくない.そこで,得られた整合性の良くないウエイトについて,有向グラフによる整合性の判断と主固有値の値を基にした調整手法を提案した.

意思決定法研究部会(第36回)
・日時:2016年6月28日(火)16:0018:00
・場所:(東京)日本大学 桜門会館 
・講演者とテーマ
 (1)木下栄蔵(名城大学)「ISAHPの歴史」 
来年12月に名古屋で開催予定のISAHP2017に向けて,スケジュール,論文募集・発表・論文集発行などについて,予定を説明した.そして,過去に開催された13回のISAHPについて,初回より参加した経緯,開催地と発表状況などを述べた.さらに今年8月にロンドンで開催されるISAHP2016についての説明をした.
 (2)本橋正美(明治大学)「戦略管理会計と目標管理システム」
管理会計の分野では,戦略管理会計が1980年代後半から重視されてきている.一方,目標管理は,人事管理や管理会計における業績管理のテーマとして研究や実務が進められてきた.報告者は,「戦略管理会計と目標管理システム」の研究・実務は,マーケティング/管理会計/情報分析のアプローチで進めることが重要であるとする.

意思決定法研究部会(第35回)
・日時:2016年1月26日(火)16:00~18:00
・場所:(東京)日本大学 桜門会館
・講演者とテーマ
 (1) ソンディー(名城大学大学院M2)「AHPを用いた観光地評価指標の提案ー中国の観光地を例にしたー」
本研究はAHPにより,中国の観光地を例として,観光地の評価指標を提案した.本研究の方法はAHPの絶対評価法を用いた.代替案の評価基準はインターネットからデータをもらって整理し,データは平均法によって各代替案の評価基準の重要性の尺度の範囲を作った.この範囲を参照しながら各代替案の評価水準を求めた.そして,AHPにより30代替案のランキングを作った.得られたランキングとフォーブスのランキングと比較して分析した.
 (2)和田拓也(日本大学学部4年) 「AHP一対比較の過大評価・過小評価の改善」
AHP一対比較の過大評価・過小評価の改善として,行ごとの和と整合度の高い一対比較行列の2点に着目し,改善手法を提案した.今回提案した改善手法では,行列の要素を入れ替えても同じ結果が得られ,1つの一対比較行列で複数の結果が得られることが出来た.または順位逆転現象が起こっているものと,正常な一対比較行列を180通り検証し,すべての結果から順位逆転を防ぐことが出来た.

意思決定法研究部会(第34回)
・日時:2015年12月22日(火)16:00~18:00
・場所:(名古屋)名城大学名駅サテライトMSAT 会議室
・講演者とテーマ
 (1)水野隆文(名城大学)「投票理論とAHP」
民主主義に基づく社会においては通常,多数決によって社会的な意思決定が行われている.しかしながら,単純な多数決では必ずしも民意の総意を汲み取ることができないことも示されており,さまざまな投票の方法が提案されている.本講演では,それらいくつかの投票のシステムを紹介したあと,それらとAHPとの関係について言及した.
 (2)三輪冠奈(名古屋学院大学)「小売業におけるオペレーションズ・マネジメント」
小売業におけるオペレーションズ・マネジメントとして,コンビニエンスストアを対象とした電子タグの導入について紹介した.サービスの生産性の観点から,顧客満足を考慮した効率化を目的として,POSデータを活用したシミュレーションモデルを構築し、実験により得られた結果を基にしたAHPによる評価について報告した.

意思決定法研究部会(第33回)
・日時:2015年11月24日(火)16:00~18:00
・場所:(東京)日本大学 桜門会館 
・講演者とテーマ
 (1)大山口菜都美(秀明大学)「管理会計へのAHP/ANPの適用」
従来の管理会計技法では、主として財務情報の測定に重点が置かれており、定性的な情報(非財務情報)を定量化する手法が充分には確立されていない.そこで、AHP/ANPを管理会計のサブシステムとして組み込むことで、代替案に関するより精緻な分析が可能になる.本講演では、従来の管理会計技法を説明した後、想定される具体的な階層図を報告した.
 (2)木下栄蔵(名城大学)「正と反の経営学の提案-消費の2極化と経営戦略」
本講演では,近年二極化している日本の消費構造について双対性をもとに講演した.講演者は「値下げでも収益確保」と「客の満足度の最大化」という二種類の経営戦略を「正の経営学」・「反の経営学」として定式化している.この二つの経営戦略の双対性により,消費構造の二極化を企業事例と企業戦略の側面から解説した.