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卒業生の声 吉澤 猛 さん

吉澤 猛さん 

  1. 略歴: 弘前大学出身。2008年4月に雪氷・寒冷圏コースの修士課程に入学。スイスの氷河をテーマに研究を行い、2010年3月に修士課程修了。2010年4月から(株)ウェザーニューズに勤務。 


Q1. どんな動機で雪氷・寒冷圏科学コースに入学しましたか? 

 入学のきっかけは2つありました。学部時代は弘前大学で気象学・雪氷学を研究していました。当時は衛星画像を使ったデータ解析に取り組んでいたのですが、ぜひフィールドに出て現象を見たい、自分の手でデータを取りたいと思うようになりました。そんな思いでいろいろ大学院を調べた結果、現場観測に強い雪氷・寒冷圏コースを選んだのです。

 もう1つのきっかけは、大学2年の夏休みに訪れたオープンキャンパスです。私の大学のOBが何人か環境科学院に在籍していて、研究室や施設を案内してもらったり、研究について話を聞かせてもらいました。他大学からの入学者が多いのも、私にはとても魅力的でしたね。 


Q2. 大学院ではどのような研究をしましたか? 

 修士論文のタイトルは、「スイス・ローヌ氷河末端部における表面融解量の面分布」です。氷河の融解期にあたる夏、2 年続けてスイスに滞在して氷河を観測しました。氷河の融解量やアルベドの測定、気象観測などが現場での仕事です。それらのデータを持ち帰って、氷河の融解現象について詳しく解析を行いました。苦労もありましたが、自分取ったデータで研究をまとめる作業はとてもやりがいがありました。スイスの学生と協力して研究を進めたことも良い経験になりました。 


Q3. 在学中の思い出は? 

 何といっても、多くの人との出会いが何よりの思い出です。学内はもちろん、スイス滞在や学会を通じて多くの方と知り合いになりました。様々な立場の人との出会いは刺激的で、広い視野を得ることができたと思います。入学動機の1つだった「現場を見ること」が実現したのも嬉しかったです。またその一方で、大学院の講義や講演を通じて学ぶことで、今の仕事につながる知識を身につけることができました。 


Q4. 雪氷寒冷圏コースの良いところは? 

 とても広い分野の知見が得られるところです。雪氷・寒冷圏コースの研究室は低温科学研究所にあるのですが、所内には様々な分野の研究者や学生が在籍しています。講義や研究テーマも多岐にわたるので、多面的な考え方ができるようになりました。研究を進める上で様々な人からアドバイスが得られるのもこのコースの特徴ですね。 


Q5. 今はどのような仕事をしていますか? 

 株式会社ウェザーニューズに勤務しています。会社が最近引き取った南極観測船「しらせ」で、一般乗船やイベントの企画・運営を担当するのが今の仕事です。「しらせ」をただ展示・保存するのではなく、気候変動・環境という未来に脈々とつながるテーマについて発信する、とてもやりがいのある仕事です。多くの方々と関わりながら、新しい「SHIRASE」を創っていきたいと考えています。 


Q6. 今の仕事を選んだ動機は? 

 大学の同期が就職したこともあり、以前から会社を知っていました。漠然と面白そうな会社だと考えていましたが、説明会に参加するうちに勤めたい会社に変化していきました。そのきっかけとなったのは、会社の文化やビジョンへの共感です。この業界は先細りだという人もいて正直なところ不安もあったのですが、会社の考え方を理解するうちに心配を払拭することができました。私がこれまでに見てきたこと、経験してきたことを、活かせる会社だと思ったのも入社を決めた理由のひとつです。 



Q7. 大学院で学んだことで今の仕事に役に立っていることがあれば教えてください。 

 現在の部署では、「しらせ」が航海していた南極についての知識が不可欠です。ですから、環境科学院の「南極学カリキュラム」で学んだことがとても役に立っています。もしかしたら、南極学修了証書(Diploma of Antarctic Science)を取得したことが今の仕事につながっているのかもしれません。海氷や氷山の基本知識から世界規模の気候変動まで、データを見ながら説明することは、研究室で何度も行ったプレゼンテーションが活きていますね。 


Q8. 雪氷・寒冷圏科学コースの受験を検討している学生に一言。 

 野外観測を経験できるのがコースの特徴です。社会に出る前に現場で仕事をするのはとても重要だと思います。入学式での専攻長の言葉「事実は現場にある」は、まさにこのコースを言い表しています。 

 大学時代の研究テーマにこだわる必要はありません。大学院から雪氷寒冷圏の研究を始める人も多いですし、知識は入学後にいくらでも身につきます。 

 海外に出る機会が多いのも魅力のひとつです。英語が苦手でも、教員や先輩のサポートがあるので心配要りません。私も海外での観測を経験して、語学や文化の壁を感じなくなりました。本コースに少しでも興味のある方は受験してみることをお勧めします。世界観が変わりますよ。