・武久源造「ピアノの発見 第3章<父から離れて>


14時30分開場、15時開演 <土曜日です>
J.S.バッハ 適正律鍵盤曲集より
J.C.バッハ ソナタ Op.5, No.2
     ソナタ   Op.18, No.5
W.A.モーツァルト 2台のピアノのためのソナタ 
   ニ長調 K.448
使用楽器  
G. ジルバーマンピアノ
 (1747年モデル、2007年深町研太製作)
A. ワルターピアノ 
 (1800年モデル:コーバルト兄弟製作、製作年不明

ヨハン・セバスチャン・バッハ(大バッハ・父バッハ)の20人の子供の19番目の末息子のヨハン・クリスチャン・バッハは子供のモーツァルトを教えた。「僕は決してこんなすごいメロディーメーカになれないあ〜」とモーツァルトをして言わしめた。バッハの世界は息子ヨハン・クリスチャンをへて、遠くモーツァルトへと伝わっていった。当時使われていた二台の古楽器を使って、モダンピアノでは再現の難しい世界、すなわち3人の作曲家を繋げる世界をワンコイン市民コンサートの舞台で再現しようとする試みです。彼らの時間の中でも鍵盤楽器はハープシコード(チェンバロ)からフォルテピアノ(古典ピアノ)に急速に変化している。今回は大バッハが晩年愛したフォルテピアノであるジルバーマンピアノと、ややのちの時代に現れて来るワルターピアノを舞台に載せる。共演に宮崎貴子さんを迎えて、武久源造「ピアノの発見」の第3章です。どうかお楽しみに!


ジルバーマンピアのを演奏する武久さん



今回のコンサートで使用するワルターピアノと宮崎さん



武久源造(たけひさげんぞう)

1957年生まれ。1984年東京芸術大学大学院音楽研究科修了。研究テーマは、主にバッハ以前の音楽におけるDispositioについて。

チェンバロ、ピアノ、オルガンを中心に各種鍵盤楽器を駆使して中世から現代まで幅広いジャンルにわたり様々なレパートリーを持つ。特にブクステフーデ、バッハなどのドイツ鍵盤作品では、その独特で的確な解釈に内外から支持が寄せられている。また、作曲、編曲作品を発表し好評を得ている。音楽的解釈とともに、楽器製作の過程についても造詣が深く、楽器の構造的特色を最大限に引き出す演奏が、楽器製作家たちからも高く評価されている。

91年「国際チェンバロ製作家コンテスト」(アメリカ・アトランタ)、また97年および01年、第7回および第11回「古楽コンクール」(山梨)、ほか多数のコンクールに審査員として招かれる。ソロでの活動とともに、00年に器楽・声楽アンサンブル「コンヴェルスム・ムジクム」を結成し、指揮・編曲活動にも力を注ぎ、常に新しく、また充実した音楽を追求し続けている。02年から毎年、韓国からの招請による「コンヴェルスム・ムジクム韓国公演」を行い、両国の音楽文化の交流に大きな役割を果たした。91年よりプロデュースも含め40作品以上のCDALMRECORDSよりリリース。中でも「鍵盤音楽の領域(Vol.1~9)、チェンバロによる「ゴールトベルク変奏曲」、「J.S.バッハオルガン作品集Vol.1」、オルガン作品集「最愛のイエスよ」、ほか多数の作品が、「レコード芸術」誌の特選盤となる快挙を成し遂げている。2016年3月には、2度目のゴールトベルク変奏曲の録音をリリース。これまた、レコード芸術誌の特選版となる。ここでは、日本で初めて16ft弦付チェンバロによって、ゴールトベルクの新しい可能性を切り開いている。さらに、同年、市瀬玲子との共演によって、バッハのガンバ・ソナ

タ全曲を、ジルバーマン・ピアノとチェンバロを使い分けて録音し、発表。20174月、やはり、ジルバーマン・ピアノとペダル付チェンバロを使い分けて、バッハの《平均律》全曲録音を始動。4部作の第一弾を発表。その際、従来誤訳として議論されてきた《平均律》を《適正律》と改めた。これら二つの真作CDは共に、レコード芸術誌の特選版となる。

02年、著書「新しい人は新しい音楽をする」(アルク出版企画)を出版。各方面から注目を集め、好評を得ている。05年より鍵盤楽器の新領域とも言えるシンフォニーのピアノ連弾版に取り組み多方面から注目を集めている。学生時代から数多く放送に出演し、演奏やレクチャー、解説などを担当した。特に、06NHK第一ラジオ「ときめきカルチャー」コーナーに年間を通して出演。その後もNHKのカルチャー・ラジオのシリーズで何度かレクチャラーを務める。1998~20103月フェリス女学院大学音楽学部及び同大学院講師。2013年、ラモーの抒情喜劇『レ・パラダン』の日本人による初演を指揮して、絶賛を博する。また、近年、毎年、ヨーロッパ各国(ドイツ、リトアニア、アイスランド、スウェーデン等)で、即興演奏を含む多彩なプログラムによって、オルガン、チェンバロ、ピアノその他の楽器を使った・コンサートを行い、注目を集めている。

2015年、ジルバーマン・ピアノによるJ. S. バッハ「パルティータ」の世界初の全曲録音をリリースという快挙を成し遂げた.ジルバーマン・ピアノは日本ではよく知られていないが,今回の録音でジルバーマン・ピアノを用いた理由を、武久氏は明解に述べる.「チェンバロ、クラヴィコード,ピアノフォルテの三つの楽器の特質を備えたジルバーマン・ピアノは、バッハの「パルティータ」を演奏するのに最も相応しい.」

現代の聴衆のための表現芸術的な視点を重んじつつ、武久氏は、パルティータが創作された1730年前後の激動の音楽史にフラッシュバックする。

実はバッハがバルトロメオ・クリストフォリ以降の様々な打弦様式のフォルテピアノ、特にゴットフリート・ジルバーマンの発明になるジルバーマン・ピアノの存在を既に知っており、演奏もしていたという可能性を指摘する.すなわち、六つのパルティータは様々な楽曲様式と同時に様々な鍵盤楽器的特性を備えたジルバーマン・ピアノでの演奏を前提に作曲された可能性である.

ある資料では、バッハはジルバーマン・ピアノに1732年に初めて触れた、と伝えられ、現在それが定説になっている。一方、パルティータの全曲本は1731年に出版されている。従って、定説によれば、パルティータ作曲時に、バッハはピアノを知らなかったことになる。それにも関わらず、現代の多くの演奏家、音楽学者、愛好家は、チェンバロやモダン・ピアノで弾かれるパルティータに、いわく言い難い違和感を感じてきた。武久氏は楽曲の細部を綿密、かつ、多角的に分析することで、六つのパルティータとジルバーマン・ピアノとの結びつきを、強い説得力を持って確証している。

オフィシャルサイト http://www.genzoh.jp/index.html <http://www.genzoh.jp/index.html>


宮﨑貴子(みやざきたかこ)

東京音楽大学ピアノ演奏家コースおよび同大学大学院を経てドイツ・ハノーファー音楽演劇メディア大学ピアノ科、同大学古楽器科卒業。同大学修士課程フォルテピアノ科修了。在学中、同大学オペラ科にて伴奏助手を務める。これまでにピアノを故・神野明、藤原亜美、播本枝未子、石井克典、倉沢仁子、ゲリット・ ツィッターバルトの各氏に、フォルテピアノをG.ツィッターバルト、ツヴィ・メニカー、チェンバロをZ.メニカー、リート伴奏法をヤン・フィリップ・シュルツェの各氏に師事。
2013
年シューベルト国際コンクールリートデュオ部門優勝(ドイツ・ドルトムント)。ドイツ各地にてリート伴奏者、フォルテピアニスト、チェンバリストとして活躍。2014年帰国。2014年、2015年、2016年のフォルテピアノリサイタルはいずれも誌上にて高い評価を得る。20156月トッパンホールランチタイムコンサート出演。その他ヤマハ銀座サロンでのフォルテピアノレクチャーコンサートシリーズ、武久源造氏との共演も多数行う。

フォルテピアノ、女性作曲家作品、リート伴奏を軸に演奏のみならず執筆、後進の指導にも活動の場を広げ、その日本人離れした豊かな色彩感、躍動感溢れるダイナミックな演奏と楽曲に対する深い洞察力は国内外の誌上・紙上にて高い評価を得ている。ピティナピアノコンペティション、日本バッハコンクール審査員。

全日本ピアノ指導者協会正会員。女性と音楽研究フォーラム正会員。

ピアノ音楽誌『ショパン』にて「聴いてみませんか?弾いてみませんか?女性作曲家作品あれこれ」連載中。
オフィシャルウェブサイト  http://takakomiyazaki.com/