プログラム
ブラームス 作品 118、作品119
バッハ ゴールドベルグ変奏曲
ハワイ大学教授の吉原真里の著書「<アジア人>はいかにしてクラシック音楽家になったのか?ー人種・ジェンダー・文化資本」(アルテス・パブリッシング)は欧米でのクラシック音楽界で活躍するアジア人(アジア系アメリカ人も含めて)演奏家へのインタビューを通して、
クラシック音楽というものが西洋文化固有のものであるのか否か、
西洋音楽に「正しい演奏」というものがあるのか、
アジア人演奏家にヨーロッパ伝統音楽を100%理解して正統な解釈ができるのだろうか、
などの問いに躊躇なく突撃している好著である。
加藤幸子はこの本の三箇所に登場する。アジア人たちがクラシック音楽界のアウトサイダーなのかという吉原.の質問に答えて彼女は次のような意味合いの返事をする。
<音楽にはこれが正当な解釈の演奏だ、などという演奏なんてないと思う。どんな音楽を演奏しようが、その本質を理解して自分のものにして表現すること、、、、それゆえに生まれる説得力。それがプロの演奏家の役割なのです。>。
加藤幸子の中では文化は越境され、人種、ジェンダー、文化、歴史を超越する.その世界の中では彼女はただただ自分の音楽に誠実に、自分の直感を信じて演奏する.お分かりだと思いますが、「ゴールドベル変奏曲」がドイツ人のような演奏になることではない。
自由になった加藤幸子の指からは加藤のバッハが紡ぎ出されるのである。
“the velvet smoothness and silken beauty … an extremely imaginative player …
she plays with such a sense of effortlessness and ease” (Fanfare, Jan – Feb 2013)
加藤幸子のピアノから紡ぎだされる、ベルベットのような滑らかで絹地のような美しさ満ちた音.、、、
加藤幸子は優れて想像力の高い演奏家である.それ故に、彼女の演奏を聞いていると、まるで彼女が
苦もなく、やすやすと演奏しているように感じる.(ファンファーレ誌 2013年1-2月号)
“a lovely, delicate touch … interpretive clarity … impressively crisp fingerwork
and consistent energy.” (New York Concert Review, 2004)
すばらしくデリカシーに満ちたタッチ、、、演奏解釈の明晰さ、、、圧倒的に闊達な技巧と持続するパワー.
プロフィール
美しい音色、幅広いレパートリーと豊かな想像力を持ったピアニストとして知られる加藤幸子は、大阪出身、5歳からピアノを始める。14歳で渡米して以来、新人音楽家の登竜門であるヤング・ミュージシャン・ファンデーション賞をはじめ、数々の賞を獲得。ソリスト、また室内楽奏者として西海岸を中心に活動し、若手ピアニストして注目を集める。カリフォルニア州立大学音楽部ピアノ科を卒業後、ニューヨークの名門ジュリアード音楽院大学院に奨学生として入学、修士号を得る。著名ピアニストであり名教師として知られるラッセル・シャーマン、ジェローム・ローエンタールらに師事。
フリナ・アウアーバッハ国際コンクール、プロ・ピアノ・オーディションに入賞後、1994年のカーネギー小ホールでのニューヨーク・デビューを皮切りに、米国各地で、リサイタルや室内楽コンサートに出演。また日本の現代音楽を世界に紹介するためのコンサート・シリーズWeaving Japanese Soundsをたちあげ、芸術監督として活動。日本・カナダ修好80周年記念の一環として、国際交流基金の協賛の下、カナダ国立美術館を始めカナダ各地でリサイタル、日伯交流年を記念しブラジル各都市でコンサート・ツアーを行うなど精力的な活動を行う。また2008年度に大阪のフェニックスホールにて日米現代音楽のリサイタルを行い、好評を得る。2011年にはCentaur Recordsレベルからバッハのゴールドベルク変奏曲をリリース。批評家から、「加藤幸子の演奏は本当に特別なものであり・・・バッハのゴールドベルク変奏曲を愛好する人に是非聴いてもらいたい」「ビロードのように柔らかくシルクのように繊細な音・・・素晴らしく想像力のある演奏・・・らくらくと弾いているようだ」と賞賛される。
また歴代のジュリアード音楽院卒業生の中から、傑出した100人のうちの一人として、100周年記念誌でその音楽活動を称えられ、その演奏はニューヨークの公共ラジオ局WNYC並びにWQXR、KMZT(ロスアンジェルス)などで放送されている。現在ニューヨーク在住。
オフィシャルウェブサイト:http://www.sachikokato.com