投稿日: 2018/04/23 9:18:38
あらかぶさん裁判の第7回口頭弁論が、2018年4月19日に、東京地裁103号法廷で開かれました。午前中にもかかわらず、傍聴席が埋まる約80名が参加しました。続いて、参議院議員会館101会議室へ移動して報告集会が行われました。こちらにも約70名が参加しました。
裁判に先立ち、あらかぶさん裁判の公正な判決を求める第2次署名を東京地裁へ提出しました。
ご協力いただいた方々に感謝申し上げます。
裁判では、被告・東電及び九電から、原告の主張(第7準備書面)に対する反論や求釈明に対する回答、チェルノブイリ事故関連の主張・証拠に対する反論が出されました。原告弁護団の木下弁護士は、その内容について、「東電は、あらかぶさんの個人線量計による測定結果は過小評価していない。また、空間線量については様々な要因で変化するところ、あらかぶさんが身に着けていた線量計が正しい値であると主張」、「九電は、あらかぶさんは『成人』で『ごく低線量』の被ばくであるため、被ばく線量が高い例や18歳未満のがんを対象とする研究は、低線量被ばくと白血病発症の因果関係を示す根拠にはならないと主張」と報告集会で説明しました。
また、今回の裁判では、第10回口頭弁論の期日も11月14日(水)14:00~と決定しました。木下弁護士からは、「3月30日に今後の裁判の進行協議が行われた。第10回口頭弁論をメドに双方の主張が出揃うため、その後は意見陳述(証拠調べ)の段階に入る」と今後の展開について説明がありました。
参議院議員会館での報告集会学習会では、あらかぶさんが働いていた原発の中で、2012年10月から2013年11月の間で工事に入った福島第一原発の労働現場に絞り、お話がありました。福島第一原発3号機、4号機原子炉から燃料を取り出すための構造物の基礎作り、工事車両を通すため線量の高い地面に近い場所での鉄板溶接作業、格納容器の蓋の切断作業等を、画像を交えながら、分かりやすく説明してくださいました。
あらかぶさんの「線量が高すぎて10分ほどしかいられない場所もあった」という厳しい状況が伝わってくるお話もさることながら、「3号機、4号機は隣り合った現場だが、労働者の被ばくに対する意識が全然違う。4号機(元請:竹中工務店JV)では、遮蔽ベストが人数分なく、ボロボロ。ヘルメット等の使用した機材を除染しない。一方で、3号機(元請:鹿島建設)では、遮蔽ベストを着ないと仕事をさせないといった対応だった」という報告に、参加者からは驚きの声があがっていました。
原発労働現場がいかにひどかったのか、被ばくした線量が低いとは到底思えない環境であったこと等を共有することができました。
また、今回の口頭弁論と報告集会に、奈良県桜井市で住職をやられている丸子孝仁さん(脱原発桜井の会)、福島からの避難者である森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団)のお二人も駆けつけ、熱い連帯のご挨拶をいただきました。
今後の裁判の中でも原発労働環境を問題にして、裁判所にも‘分かりやすく’伝えていくこと、そして被ばく労働の実態を広く世の中に訴えていくことの重要性を確認しました。
第7回口頭弁論があったこの日の夜は、被ばく労働の実態を訴える「あらかぶさん全国行脚第2弾」学習会(原発さよなら千葉主催)も千葉市生涯学習センターで開催されました。地域で被ばく労働の実態について学習して理解を深めていきたいと思います。地域学習会を開催してくれる方はぜひぜひご連絡を!
次回第8回口頭弁論は、7月6日(金)10:00~@東京地裁です。傍聴を抽選にできるよう、多くの皆様のご参加をお待ちしてします。
(あからぶさんを支える会)