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■小林英樹「DEEDS of COLORS,1989」 Nov.15 - Nov.25, 2012



小林英樹退任展No.2「DEEDS of COLORS,1989  SAPPORO
Nov. 15 - Nov. 25, 2012



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DEEDS of COLORS、試行錯誤の末、わたしは1983年、
大阪現代美術センターでの個展で初めてこの表記にたどり着いた。
自分自身を限りなく透明に、無にするような行為である。
すなわち、イメージ、構築すべき世界、頼りにすべきコンセプトなどに裏付けられなくても成立する表現となる。
NOTHING BUT FINEと展覧会名をつけたこともあった。何もないことに立脚する表現であれば、
表現といえるかどうかさえ微妙なものである。わたしはその時以来、
身体の半分から絵筆を握る手が消えたような気がし、アウトサイダー的な孤立した存在に思えるようになった。
それでも情熱と執着が絡み合った、感情とも意志ともつかないものが、
わたしに造形を通しての自己確認、自己表示をさせ続けた。それは美とか構築とか想像とは無縁のものであった。
しかし、それでいい、何もなくてもいいじゃないかと開き直ると、それなりに自由な世界が広がった。
住む場所を変え、年月を刻むうちに生起するさまざまな心の状態、
自分を支配する感情であったり想念であったりするが、
それは大きな粘性がある合成樹脂系の絵具に託すと置き換えやすいことに気づいた。
留まることなく崩壊、溶解していく心の状態には、粘性の大きい合成樹脂絵具が最適である。
唯一の心の手がかりはその時の内部の状態の反映であるが、だから具象性が程よく馴染めば手から離れていく。
1989年、札幌(アートプラザ)では30点近くの作品を並べたが、訪れる人は少なかった。
見知らぬ地で前途がまったく見通せない不安な日々を過ごしていた直の作品で、
私は個人的に、この時期に集中して描いたものが好きである。
大学資料館の合同展示では総花的に展示したが、わざわざこの年のものに絞ったのにはそういうわけがある。
手元に7、8点あったのでまとめて展示してみたかった。 

小林英樹                                            

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助成:愛芸アシスト / 愛知県立芸術大学美術学部同窓会



展示作品



不思議な植物
後ろ向きのフェルメール
男と女のリフレクション
不安な海
ドライブ
幻影の蝶
不安なトンネル
魚群

すべてキャンヴァス、合成樹脂塗料 1989年



展示風景




※画像をクリックで大きな画面が開きます


小林英樹プロフィール

略歴

1947 埼玉県に生まれる
1973   東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2001   北海学園大学工学部建築学科教授
2006 愛知県立芸術大学美術学部油画専攻教授(~現在)

個展
1983 小林英樹個展「DEEDS of COLORS,1983」(府立大阪現代美術センター・大阪)
1985 小林英樹個展「DEEDS of COLORS,1985」(村松画廊・東京)
1987 小林英樹個展「DEEDS of COLORS,1987」(大同ギャラリー・札幌)
     小林英樹個展「DEEDS of COLORS,1987」(ギャラリーたぴお・札幌)
     以後92年まで毎年、94年に開催
1989 小林英樹個展「DEEDS of COLORS,1989」アートプラザ札幌企画展(アートプラザ札幌・札幌)
1993 小林英樹個展「DEEDS of COLORS,1993」(ギャラリーAZURE・札幌)
     小林英樹個展「DEEDS of COLORS,1993」(ギャラリーT・札幌)
1994 小林英樹個展「DEEDS of COLORS,1994」(アートスペース201・札幌)
     小林英樹個展「DEEDS of COLORS,1994」(大同ギャラリー・札幌)
1995 MUSEUM in MUSEUM(アートスペース201・札幌)
2008 小林英樹個展「DEEDS of COLORS,2008」(名古屋市民ギャラリー矢田)
2010 小林英樹個展「DEEDS of COLORS,2010」(ギャラリー旬・名古屋)


主なグループ展

1985 「国際版画ドローイング展」(漢江美術館・ソウル) 
     「インパクトアート展」(京都市立美術館) 
     「WORK ON PAPER展」(府立大阪文化センター・大阪)
1990 「アートドキュメント90」(北海道立近代美術館・札幌)
1993 「行為の並立展」二人展(ギャラリーたぴお・札幌) 
1993 「偏差率」(ギャラリーたぴお・札幌)
     「忘却展」(ギャラリーT・札幌)
     「T展」(ギャラリーT・札幌)
     「存在派展」(ギャラリーたぴお・札幌)
1994 「野外彫刻のためのマケット展」(新潟県立美術館)
1996 「北の創造者展」(芸術の森美術館・札幌)
2006 「connect」Aichi Silpakon Exchange Art Exhibition
     《ペインテッド スカイズ》2点(シルパコーン大学アートセンター・タイ)


その他・出版

1999 『ゴッホの遺言』情報センター出版局
2000 『ゴッホの証明』情報センター出版局
2002 『耳を切り取った男』NHK出版
2003 『色彩浴』ポーラ文化研究所
2007 『ゴッホの復活』情報センター出版局
2009 『完全版ゴッホの遺言』中央公論新社
2010 『ゴッホの宇宙』中央公論新社
2011 『「ゴッホ」にいつまでだまされ続けるのか』情報センター出版局
2012 『フェルメールの仮面』(小説)角川書店
 
受賞

2000 日本推理作家協会賞受賞



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