ギャッベ絨毯とは

 

 

イラン南部の標高2000~3000mのザクロス山地で遊牧生活

 

を今も営んでいるカシュガィ族の女性達が自分の家族の幸せ

 

を願いながら、それぞれに意味のある文様を織り込み手織し

 

た絨毯をギャッベと呼びます。ギャッベの呼び名はペルシャ語

 

の「織り目が粗い」と言う語意です。

 

 

 

カシュガィ族の伝統的住居は黒いヤギの毛で織り上げた黒テ

 

ント、乾燥した大地の中に実に堂々とした存在感のあるもの

 

です。

 

 

ギャッベはこのテントの中で直接、地面に敷かれ使用されて

 

きました。自然と共存しながらエコロジーに生きる遊牧民カシ

 

ュガィ女性の力強い生活と、手仕事の様子を紹介。母親から

 

娘へと伝承されていくギャッベを織る技、織り込まれる文様の

 

意味、家族を守り幸せを願う母性本能が生んだギャッベ本来

 

の魅力を伝え、荒野で生きる遊牧民・カシュガィ族女性のエコ

 

生活と手織り絨毯を紹介していきます。

 

 

 

 


 

ギャッベが市場に出回り始めたのは何時頃から

 

 

ギャッベは約800年余りの歴史をさかのぼれますが、50年ほ

 

ど前まではイランでもギャッベは遊牧民の生活民具であり、今

 

日の様な絨毯扱いはされていませんでした。イランの絨毯と

 

言えば高価なペルシャ絨毯を指し、ギャッベは見向きもされな

 

い物でした。

 

 

私たちがギャッベを仕入れているゾランバリー社の創業者で

 

あるゴラム・レザー・ゾランバリー氏が、絨毯商としてシラーズ

 

のバザールの一角で独立した時、資金力の無い若きゾラン

 

バリー氏には、高価なペルシャ絨毯を仕入れる事ができず、

 

当時安価であったギャッベしか扱えませんでした。

 

 

間口2間、奥行き3間の小さなゾランバリーの店に、ある日ス

 

イス人の絨毯商がイラン人の通訳を伴って現れ、店にあった

 

270枚のギャッベ全てを買っていったのです。このときスイス

 

人絨毯商の「This is Art」とつぶやいた言葉と、商談が終わっ

 

て店を去る時にイラン人の通訳が「こんなゴミをよく売るな」と

 

ささやいた言葉が対照的に印象深く記憶に残っているとゾラ

 

ンバリー氏は語っています。

 

 

これが今日のギャッベ・サクセス ストリーの始まりです。ゾラ

 

ンバリー氏と遊牧民カシュガィ族の人々との交わりはこの50

 

年間の中で、ギャッベの織り手とそれを扱う絨毯商という関係

 

にとどまらず、深い信頼関係を築き「ギャッベの育ての親」と

 

呼ばれているほどです。

 

 

 

 


 

いつごろ日本に紹介されたのか

 

ゾランバリー氏がいなければ私たちもギャッベに出会う事は

 

なかったでしょう。

 

 

日本に紹介されたのが今から2223年前の頃からです。ギ

 

ャッベの存在は書籍などで知ってはいても実際に数多くのギ

 

ャッベを手に取って見る機会は少なく、ギャッベに出会った瞬

 

間に、その愛おしくなる風合いに多くの人が魅入られてしまい

 

ます。ギャッベの購買層を分析すると、経済的には中流、物

 

事にこだわりを持つ好奇心の強いインテリ層の人々が浮かん

 

できます。

 

 

 

 


 

カシュガィ女性の手仕事と染色について

 

 

遊牧民の生活では、家族単位でそれぞれ200~300頭の羊と

 

ヤギを飼って生活しています。山野を放牧して歩くのは男の

 

仕事で、春にハサミで毛を刈り取るまでを受け持ちます。

 

 

カシュガィ女性は、この羊毛を手紡ぎして草木染してギャッベ

 

を織る糸を作ります。家族の食事を作ったり、生まれた子羊の

 

世話をしたりとテント周りの仕事の合間をぬってギャッベを織

 

ります。

 

 

 

今では手紡ぎした糸は集荷されて、シラーズにあるゾランバリ

 

ー社の染色工場で厳しい管理のもとで草木染めされ、再びカ

 

シュガィ女性の手元に返されギャッベ絨毯に織られます。

 

 

この草木染めにゾランバリー社のギャッベの美しさと強靱さの

 

秘密があります。陽にさらされても退色が少なく、使う程に艶

 

が出てくる魅力を秘めています。

 

 

 

 


 

黒テントの中で使われるギャッベに織り込まれる文様の意味

 

について

 

 

ギャッベ絨毯は飾る物ではなく実際に生活の中で日常的に使

 

う敷物です。

 

 

家として使うヤギの毛で織った黒テントは巾約4m、長さが約

 

6~8mで暑い季節は片屋根式の使い方をして長手方向に開

 

口部を大きく広げて使い、冬場になると全体をおおい寒さを防

 

ぎます。

 

 

テントは縫い合わせた生地でなく、削った木の細い棒を使って

 

ピン止めするようにして1枚ずつ布をたしていきます。テントの

 

中にはびっしりと厚手のギャッベが敷かれ生活の場となりま

 

す。

 

 

 

1,ラクダ、羊などの動物文様は財産を意味し良く使われ

 

ます。

 

2,木の文様は生命の樹と呼ばれ、現世と来生との掛け

 

橋、天国への階段の意味です

 

3,人型の文様は、子孫繁栄、豊饒を意味します。

 

4,丸い花模様は、花ではなく狼の足跡を意味し、荒野に

 

生きる獣の逞しさを意味します。

 

5,横になったSXの文様は永遠の命を意味します。

 

6,四角形の文様は、人間が生きていく上で最も大切な水

 

又は井戸を意味します。

 

7,鳥の文様は、天上界の神様の使者を意味します。

 

8,ライオンの文様は、王様の象徴で富、知恵、健康な身

 

体、権力を意味します。

 

 

 

 

 


 

 

ゾランバリー・ギャッベ絨毯で使用される羊毛の糸について

 

羊の背中から尻にかけての羊毛を使用します。

 

ゾランバリー社ではこの部位のものしか使いません。

 

それも春に刈り取った糸だけです。

 

 

1,羊の一番外側の毛は、日に焼かれ、雨に打たれてし

 

て太くて強い毛です。これを手紡ぎした糸がギャッベ(ゾラ

 

ンバリー社の商品名)と呼ばれています。荒野の中で生き

 

る力強い遊牧民の逞しさを宿す絨毯です。

 

 

2,羊の肌に近く柔らかく艶のある産毛の部分の毛を手

 

紡ぎした糸がアマレ(ゾランバリー社の商品名)と呼ばれ、

 

ギャッベの糸と比べると約1/8の太さです。文様もくっきり

 

と表れ、使い込むと艶がでます。

 

 

3,一頭の羊で、初めて刈り取られるバージンウールの羊

 

毛でアマレと同じ部位の毛は、柔らかく艶があり、しなや

 

かな糸になります。アマレよりさらに細くギャッベの約1/16

 

の太さ、これをカシュクリ(ゾランバリー社の商品名)と呼び

 

最上質の糸です。ギャッベ絨毯の商品名で分類すると、

 

カシュクリ、ルリバフ、ブルバフ等最上質の絨毯に使用さ

 

れます。

 

 

 

 

 


 

 

ギャッベ絨毯の生産と流通のしくみ

 

 

ギャッベの機は地面に対して水平に置かれ、昔は木の丸太で

 

四角の枠を作っていたようですが、今は鉄のパイプを用いて

 

います。地面から約15㌢の高さの機の枠にびっしりと綿糸の

 

縦糸が張られています。

 

 

この糸の上を子どもが歩いて渡れる程の強い張り糸です。ギ

 

ャッベを織ると表現しますが実際には、縦糸に1本、1本結ん

 

でいきます。本当に気が遠くなるような作業の繰り返しです。

 

 

横列に2段結び、次に横糸を通してこれをシャーネと呼ぶ鉄製

 

の打ち込み器を使って絞めていきます。シャーネにはやはり

 

鉄の小さな飾りが付いており、打ち込むたびに、シャン、シャ

 

ンとリズミカルな響きが伝わってきます。織り手は自分の織っ

 

た絨毯の上にあぐらをかいて座りながら、結んでは切り、結ん

 

では切り次に横糸を通し、シャン、シャンと打ち込む作業を

 

延々と続けていきます。

 

 

 

1㎡織り進むのに約1ケ月を要すると言われています。

 

その作業風景は、笑い声あり、おしゃべりありの明るく楽しい

 

ものです。遊牧生活では基本的には電気がないので仕事は、

 

昼間の内だけです。ペルシャ絨毯工房の様な織り子が必死に

 

働いている暗い印象は一切ありません。

 

 

 

織り上がったばかりのギャッベ絨毯は、おせじにもきれいとは

 

言えません。砂と土にまみれ表面はとら刈りの状態で、文様

 

も不鮮明です。

 

 

 

 

 

ゾランバリー社では、カシュガィの女性達の天才的なカラー・

 

コンビネーションや自由奔放な発想を損なわない程度の緩や

 

かな管理に徹し、他には類を見ないオリジナルなギャッベを

 

次々と世に送り出す。織り上がったギャッベ絨毯は、シラーズ

 

に集荷され、その後トラックに積み込まれて700km離れたテ

 

ヘラン郊外に運ばれます。そして洗われ、ギャッベの表面を

 

電気バリカンで刈り込み、縦糸の始末をして、徐々に私たち

 

が見慣れたギャッベの表情になっていきます。集荷してから商

 

品として通用するまでの厳正なサービス・ワークがゾランバリ

 

ー社のギャッベの高品質を保証しています。

 

 

 

ゾランバリー社では、全て手紡ぎした羊毛の糸を、草木染料

 

で染め上げ天日干しで仕上げて有ります。長雨が続く時など

 

若干の羊の匂いがしますが、これは油抜きをしない原毛を用

 

いて染色するため、染色後、油分が完全に抜けきっていない

 

ためです。この糸で織られたギャッベは汚れが付きにくく強靱

 

で、何代にも渡って家庭で使い続けられる絨毯です。

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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