105ヶ月の犬の口腔内腫瘍の症例です。左側下顎の犬歯のあたりに腫瘤ができ、1ヶ月の間にかなり大きくなったということで来院されました。目視では腫瘤のタイプや悪性かどうかの判定はできませんが、増殖が速く周囲に広がっていることから悪性腫瘍(癌)の可能性も心配されましたので、飼い主様と治療の進め方についてよく話し合い、麻酔による処置を2回に分けて行うことになりました。

1回目は口腔内レントゲンにより腫瘍の発生源、顎の骨や周囲の組織への侵食を検査します。また病変を一部切除し病理組織検査を行うことで悪制度の判定を含め、腫瘤のタイプを特定しました。さらに麻酔下で病変がどこまで広がっているか、歯の裏側までよく確認します。