フェレットの前立腺肥大

フェレットの副腎皮質機能亢進症は3歳以上のフェレットで多く見られる病気ですが、オスでは副腎から過剰に分泌されるホルモンの作用により前立腺が肥大し、尿道が圧迫されて排尿が困難になることがあります。

日本ではリュープリンの注射による治療が一般的ですが、病気の進行に伴い徐々に注射に対する反応は悪くなっていきます。

本症例はリュープリン治療を受けていましたが病気の悪化とともに排尿困難になり、救急病院で最大量のリュープリン投与と排尿処置はされたものの、その後も自力排尿が困難ということで安楽死も提案されたということで来院されました。

全身の脱毛や副腎の肥大など典型的な症状の他に超音波検査では前立腺が大きく肥大し、また前立腺炎を伴うことで前立腺の一部に膿瘍または嚢胞ができていることがわかります。(この後の検査で膿が溜まった膿瘍であることが確認されました。)