ヒョウモントカゲモドキ 舌壊死

食欲不振で来院されたヒョウモントカゲモドキの症例です。

口腔内を見ると舌が暗く変色しているのがわかりますがこの時点では詳細が確認できないため、麻酔下で病変部を見ることにしました。

麻酔をかけた状態でよく見ると舌の半分近くが切断され壊死していたため、壊死組織を残さないよう付近の健常な組織で舌を切断し止血しました。

病理検査では腫瘍性変化は見られず、感染性の可能性も低かったことから外傷による舌壊死が疑われましたがどのようにして怪我をしたのかは不明です。

手術自体は難しくありませんが、この動物は舌で食べ物を喉の方へ引き込んでいくため、自力で摂食や飲水ができるか術後のケアが心配されます。

術後はしばらく補助給餌を行いながら摂食行動を観察していただくことになりましたが、短い舌に慣れると少しずつ自分で食べることができるようになりました。

また舌の付け根あたりに気管の入り口がありますが、病変部が気管に達していなかったことも幸いでした。

術後の検診では切断部分もきれいに治癒しているのがわかります。