慢性腎疾患とIRISガイドライン
慢性の腎疾患は早期発見が困難で、慣例的な血液検査で異常値がでた時はすでにその2/3の機能が失われていると言われています。また多くの場合、悪化した腎臓の機能を戻すことはできません。そのためわずかな異常でも腎臓病が疑われる場合は早期に治療を開始することが推奨されています。
これにより病気の進行を遅らせ、出来るだけ長期にわたり普通の生活が送れるよう生活の質の向上を目指します。特に高齢の猫では慢性腎疾患が非常に多く、明らかな症状が見られないまま病気が進行する例も多く見られますので定期的な健康診断により腎臓病の発症をいち早く診断することが望まれます。
現在では国際腎臓病研究会 (International Renal Interest Society) のガイドラインをもとに病気の進行度をステージで分類し治療するやり方が一般的です。一方これらはあくまでもガイドラインですので、画一的な治療を行うのではなくこれらをもとに個々の症状・検査値の異常・ライフスタイル・投薬の可・不可・投薬の種類や頻度を考慮しながら治療方針を話し合っていくことが大切です。