低出力レーザー治療(LLLT: Low-Level Laser Therapy)

侵襲性の低いレーザー光照射による理学療法の一つです。LASERはLight Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字をとったもので、出力の強さによって通常の可視光線とは異なる性質を持っており様々な分野で応用されてきました。

レーザーを用いた治療のメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、低出力のレーザー光を組織に照射すると光エネルギーが組織の細胞に吸収され、異なる役割をもつ細胞を活性化します。光エネルギーを吸収した細胞の代謝が活発化することで様々な効果を生み出すと考えられています。

レーザー治療自体は新しい治療法ではなく以前から理学療法または皮膚治療の一環として実際に行われてきました。レーザー治療器も出力の違いや侵襲性により分類されており、一般に皮下の深部組織の治療には高出力のレーザーが必要でそれなりに侵襲性も高くなりますが、今般導入したレーザー照射器では最も侵襲性が低いClass I に分類される一方で深さ13cmの深部組織まで照射が可能になりました。また青色光の併用により殺菌効果を促すため、感染病変の治療にも有効です。これにより異なる深さにある組織の治療や様々な病変への応用が特徴です。