(1)地域の特色 東小の校下は,藻琴,昭和,山里,稲富,中園,東網走,豊郷の7つの地域にひろがっており総世帯数383戸・人口1052人からなっている。 (平成27年10月1日現在,詳細は次頁参照) そのうち本校に関係する校下戸数は33戸,校区外通学の1戸を合わせ,全34戸,通学児童は50名である。 校区は,網走市市街地より13㎞東に位置し,北はオホーツク海に面し,ここに麗峰藻琴山から流れる清水が藻琴川となって道立公園藻琴湖に注ぎ, 静かなたたずまいを見せ,オホーツク海に流れ込んでいる。 この藻琴川流域に肥沃な畑作地帯が広がっており,この流域を挟んで南東に標高80メートルの丘陵地帯が,名所網走天都山の近くまで続いている。 JR釧網線藻琴駅と国道224号線沿いに藻琴市街が形成されている。他は,農業地帯であり,寒冷地畑作物(ビート・馬鈴薯・麦類・タマネギ)を 中心に,一部に酪農地帯が広がっている。 東には,遠く斜里岳を始め知床連山が眺望でき,眼下に藻琴湖やオホーツク海沿岸の四季折々の景観が一望できる地域でもある。 各地区とも開拓の歴史は古く,明治43年,稲富・豊郷地区に小学校が設立されている。その後,開拓が進むにつれて各地区の学校教育も充実してきたが, 近年の社会変貌と産業構造の変化に伴い,各地区とも人口の減少による過疎化が進み,今日に至っている。 産業面では,藻琴川流域や丘陵地帯の畑作と酪農家の点在,オホーツク海沿岸と藻琴湖で漁業を営む5戸があり,特に藻琴湖の寒しじみは,全国的にも 有名である。藻琴市街には,日本ハム工場があり,藻琴を中心とした近郊には,ブロイラー農場・養豚舎等,校下だけでも,14カ所に畜舎が点在している。 その他,レミコン工場・自動車整備関係工場・ガソリンスタンド・農協・商店・観光物産店などで市街を形成している。 各地区には,研修センターや集会所があり,地域それぞれの文化活動をはじめ,多目的に利用されている。特に,豊郷地区の伝統芸能として伝えられてい る「豊郷神楽」は,網走市の無形文化財に指定されている貴重なものである。 交通機関には,JR釧網線藻琴駅(昭和61年11月より無人化,現在は,軽食店と兼用)があり,国道224号線は,網走国定公園・知床国立公園・ 阿寒国立公園を結び,藻琴を起点とする道道102号線(藻琴川湯線)は藻琴・東藻琴・川湯を結ぶ産業・観光道路として交通量も年々多くなってきている。 道路整備も進み,主要道路は,ほとんど舗装道路によって結ばれている。 このことからも,交通安全指導は,本校の重要課題の一つである。 (2)学校の概要 本校は,昭和60年に,藻琴・山里・稲富・中園・東網走・豊郷の六つの小学校を統合し,新設校として発足した。 児童は,それぞれの学校の伝統と校風によって育まれた個性の集まりであり,集団規模もまちまちであったが,統合後は,1学級20人前後の6学級100名 あまりの規模で,地域に根ざした学校経営を進めてきた。 平成7年度,開校十周年記念行事を終え,これを契機に,開校以来の学校教育目標の見直しに着手し,長期的展望とこれからの学校教育の方向を見据え,平成 8年4月1日をもって全面改定した。 本校の良き伝統を受け継ぎ,また人間尊重の精神を基盤を,激動する21世紀の社会の変化に主体的に対応し,真理を追究し続ける,心身共に健全であり,強 くたくましく生きる力を身につけた児童の育成を目指している。 児童は,明朗快活で,学年の枠を越えて活発に遊ぶ姿が多く見られる。学習に対しても一生懸命取り組み成果を上げているが,学びに見通しをもち,問題解決 に向けて挑戦し続けようとする態度を育成することが課題である。校内研究と授業実践のつながりを明確にした研修活動を通して,子どもの学ぶ意欲を高める授 業改善に努めている。 本校の特色として,3年生以上の編成による器楽「リードオーケストラ」や地域の特性を生かした自然体験学習,全校学年縦割りによる集会活動などが家庭・ 地域との連携の中で着実に根付いてきている。 このような中で,「リードオーケストラ」は,その活動の成果が認められ,平成7年に「山田賞」(山田記念青少年育成財団による),並びに「網走管内教育 実践表彰」(北海道教育庁網走教育局)を受賞した。 また,地域に根ざした体験学習なども評価され,「豊郷神楽クラブ」が伝統芸能の継承活動として認められ,平成15年度には第11回の「山田賞」を受賞し た。更に,その継続した取組が評価され,「豊郷神楽継承学習」が平成25年度「山田賞」を受賞した。 その他,平成12年度北海道公立学校教育課程実践論文全文掲載された他,平成14年度には,学校全体の教育活動に対して,また,平成28年度には豊郷 神楽を取り入れた地域や文化を学ぶ教育活動に対して「網走管内教育実践表彰」を受賞している。 全校学年縦割りは,今年度は7班編成とし,給食後の一斉清掃活動,児童会活動・特別活動の中で,効果的に生かされている。 藻琴市街地区は徒歩通学(22名)で,バス通学児童(28名)は,2方面より2台のバスでそれぞれ路線別に通学している。乗車最大時間は33分間である。 下校便は,学年の時間帯によって,第1~2便による。 開校時から東小学校男子児童を中心としたサッカースポーツ少年団の活動が行われ,白鳥台小学校児童の参加や外部講師の協力を得ながら,子どもの健全育成 を目指し25年間活動を行った。平成4年には,それまでの活動が認められ「山田賞」を受賞した。また,平成4年度より女子ミニバスケット少年団が結成され, 平成25年度まで活動した。両少年団とも児童数の減少により解団となり,体力づくりなど,体力向上も喫緊の課題となっている。
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