2018年測地学サマースクール

趣旨: 測地学サマースクールとは?

 主に日本国内の大学生・大学院生の参加を想定した当該学会による研修的事業であり,その目的は講義・実習・施設見学等を通じた測地学や関連分野に対する理解の増進である.初回の1993年度から概ね毎年開催されており,その都度,国内研究機関の協力を頂いて実施されている.

: 測◯学(過去のこちらを参照の事

 地球科学の一角を担う測地学(例えばこちら)の研究目的は一般に地球形状・地球重力場・地球回転の三点に集約される.即ち測地学の三本柱(例えばこちら)である.三本柱は決して地球だけに制限される物ではない.原理的には地球科学の他分野と同様,地球以外の天体,例えば月・火星・小天体等に対しても適用する事が可能である.実際,SELENE・月レーザ測距等に見られる様にリモートセンシング・地上観測等を背景として三つの視点は地球以外の天体にも少しずつ広がりを見せつつある.

 この様に地球以外の太陽系の天体の形状・重力場・回転をも包括する分野は惑星測地学(例えばこちら)と総称される.一例として月を対象とする分野は測月学(例えばこちら)と呼ばれる.当該分野の重要性は単なる研究対象の拡張だけに留まらない.多様な太陽系の天体の中で地球の一般性や特殊性を論じる比較惑星学的観点においても興味深い.

 そうした重要性を有する一方で地球以外の天体が測地学の研究対象と見做される事は余り多くない.特にデータの質や量が概して限られている不利な事情を有するからであろうが,この分野は日本の測地のコミュニティの中でマイナーであると言わざるを得ない.又,その点と関連して地球の測地学の知識を他の天体へ応用する際に必要なモデルの理論的背景が必ずしも周知されているとは言えない.潮汐変形の影響を補正する上で必要不可欠なラブ数の理論は,その典型例として挙げられる.多くの場合,この種の理論はデータ解析の際に得てしてブラックボックスとして取り扱われており,その中身まで検討される事は少ないかも知れない.こうした理論を学ぶ事は比較惑星科学的意義の他,当たり前の様に使われている地球変形の理論を再検討する際においても有意義である.

 上記の背景を踏まえて今回のサマースクールでは,それら三本柱の拡張性に関して関連分野の学生達に興味を持って理解を深めて貰う事を目指す.その為,各講義では第一線で活躍する講師陣に専門家の視点から当該分野の魅力を語って頂く.特に測地学の故郷である地球,及び私達の身近な天体である月を中心に様々な話題が紹介される.又,実習でも天体の軌道を出力するソフトや固体天体の変形の応答係数を出力するソフトに実際に手を触れて,それらに基づいて固体潮汐における変位・重力ポテンシャル擾乱等の算出を試みる事も想定している.その際,実習の時間的余裕次第では事前に潮汐変形の理論的背景にも言及するかも知れない.尚,学生達が引き続き自身の研究に応用する可能性も考慮して何れも無償のソフトを使用する予定である.

 更に上述した講義・実習に加えて希望者に対しては,このサマースクールの開催地である国立天文台水沢キャンパス,及び関連する江刺地球潮汐観測施設を見学する機会も提供する.これらの観測施設は何れも昔から日本のみならず世界的にも重要な測地観測の拠点の一つであり,それらの観測機器を参加者が自分の目で見て学ぶ良い経験となる.

謝辞:

 上に述べたソフトの内,天体の軌道を出力する為のSPICEについてはアメリカ航空宇宙局/ジェット推進研究所,天体の変形を出力する為のALMA・TABOOについてはウルビーノ大学のジョルジオスパーダ氏によって配布されている.この場を借りて両者に深く感謝を申し上げたい.

主催: 日本測地学会

協力: 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台 水沢VLBI観測所RISE月惑星探査検討室

日時: 2018年9月18日(火)~20日(木)

場所: 国立天文台 水沢キャンパス 本館3F会議室 アクセス

対象: 主に大学生・大学院生の方や,それに準ずる方.特に測地学・惑星科学や,それに関連する諸分野に興味を持つ方.

 国籍は不問.但しサマースクールは全て日本語で進行する為,留学生の方に関してはコミュニケーションに不自由しないレベルの日本語の能力が必要.

定員: 先着で約20名の予定.

費用: 参加費自体は無料.交通費・宿泊費・飲食費等は参加者の自己負担.

 交通機関の手配に関しても参加者が各自の責任で対応する事.尚,宿泊施設に関しては構内のゲストハウス(けやき会館)の個室・相部屋の双方を既に複数確保しており計13名の参加者が安値で利用可能であるが,もし希望者数が宿泊者数の上限を超えた場合は早く申し込んだ方を優先.その他の方は周辺のホテル等の部屋を自分で確保する事.又,食事に関しては会場の周辺に飲食店等が少ないので参加者の便宜の為に人数分の弁当を一括注文する予定.ゲストハウスや弁当が必要でない場合は,その旨を先に申し出る事.

師: 以下五十音順敬称略.

 荒木 博志 @ 国立天文台 RISE月惑星探査検討室

 大坪 俊通 @ 一橋大学 大学院社会学研究科

 寺家 孝明 @ 国立天文台 水沢VLBI観測所

 田村 良明 @ 国立天文台 水沢VLBI観測所

 坪川 恒也 @ 真英計測

 野田 寛大 @ 国立天文台 RISE月惑星探査検討室

 日置 幸介 @ 北海道大学 大学院理学研究院

 松本 晃治 @ 国立天文台 RISE月惑星探査検討室

 山本 圭 @ 国立天文台 RISE月惑星探査検討室

幹事:

 原田 雄司 @ 澳門科技大学 太空科学研究所

内容: 暫定版.後で微調整の可能性も.

 1日目午後...主に講義

  主に地球・月を対象に据えた形状・重力場・回転等の測地学的話題の紹介

  講師陣と共に懇親会

 2日目午前~3日目午前...主に実習

  SPICEを用いた地球・月・太陽の位置関係の出力に関する事前の説明と実習

  ALMA・TABOOを用いた地球・月の潮汐変形の応答係数の出力に関する事前の説明と実習

  上記の三天体の位置関係と二天体の応答係数に基づく変位・重力ポテンシャル擾乱等の算出に関する実習

  結果報告等

 3日目午後...主に見学

  水沢キャンパスにおける超長基線電波干渉計・天文保時室・超伝導重力計・全球測位衛星システム等の紹介

  江刺地球潮汐観測施設における石英管歪計・水管傾斜計・小型絶対重力計等の紹介

日程: 同上.

 9月18日(火)

  12:00 - 13:00 集合・昼食 ※弁当不要なら遅めの到着も可.但し遅くとも開会挨拶より前.

  13:00 - 13:10 開会挨拶(日置)

  13:10 - 13:20 事前連絡等(原田・松本)

  13:20 - 14:20 講義(大坪)「長さを測る:衛星レーザ測距と月レーザ測距」

  14:30 - 15:30 講義(日置)「向きを測る:地球回転と月回転」

  15:40 - 16:40 講義(松本)「形を測る:地球潮汐と月潮汐」

  16:50 - 17:50 講義(山本)「重さを測る:地球重力場と月重力場」

  18:00 - 21:00 懇親会・参加者自己紹介(講師の方達も含め全員が出席)

 9月19日(水)

  09:00 - 10:30 講義(野田)「天体の軌道を出力する:SPICEの紹介」

  10:30 - 12:00 実習(荒木・田村・野田・原田・松本・山本)

  12:00 - 13:30 昼食

  13:30 - 15:00 実習(続) 

  15:30 - 16:30 講義(原田)「天体の変形を出力する:ALMAとTABOOの紹介」

  16:30 - 18:00 実習(続)

 9月20日(木)

  09:00 - 10:30 実習(続)

  10:30 - 11:30 結果報告等(講師の方達も含め全員が出席)

  11:40 - 11:50 証書授与(原田・日置)

  11:50 - 12:00 閉会挨拶(日置)

  12:00 - 13:00 昼食・解散 ※弁当不要なら早めの出発も可.但し早くとも閉会挨拶より後.

  13:00 - 15:00 見学(寺家・田村・坪川)

申し込み締め切り日: 2018年8月18日(土)

 先着順なので応募状況次第では早目に募集終了.申し込んだにも拘わらず参加が出来なかった方や止むを得ない理由で参加を取り消した方の個人情報は破棄.

申し込み先・問い合わせ先: 2018summerschoolongeodesy@gmail.com 全角の@は半角の@に置換

 申し込む際はメールに以下の情報を記載する事.メール受信後,出来るだけ両日中に回答するが,それ以内に返信が届かなかった場合は再度連絡する事.


==========ここから==========

件名: 2018年測地学サマースクール参加希望

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氏名: 例 測地 太郎 ソクチ タロウ 重力 花子 ジュウリョク ハナコ

 読み方も含む事.

性別: 男/女

 ゲストハウスの利用者を個室・相部屋に割り振る際に参照.

所属: 例 東西大学 理学部 四年 南北大学 理学研究科 修士課程一年

 学生の場合は学年も記載.

連絡先携帯電話番号: xxx-xxxx-xxxx

 携帯電話は緊急時の連絡の為,通常はメールで連絡.

連絡先PCメールアドレス: xxxx@xxx.xxx

 同上.

ゲストハウス滞在希望: 有/無

 前泊・後泊の双方が可能.従って宿泊可能期間は17日から21日まで最長4泊分.滞在日数に依存するが高くても合計で約5,000円の見込み.希望者数が宿泊者数の上限を超過したら先着順.

サマースクール滞在期間: 17~21日/17~20日/18~21日/18~20日/それよりも短い期間

 ゲストハウスを希望しない方も含めて全員回答する事.見学以外は原則全日程参加.定員を超えた場合は全日程参加可能な方を優先.

弁当注文希望: 有/無

 朝昼夕1日3食の注文が可能であるが18日夕の懇親会は除外.従って配付可能期間は18日昼から20日昼まで最大6食分.注文個数にも依存するが高くても合計で約3,000円の見込み.

弁当注文期間: 18日昼~20日昼/18日昼~20日朝/19日朝~20日昼/19日朝~20日朝/それよりも短い期間

 弁当を希望しない方は回答不要.

懇親会: 参加/不参加

 特別な事情を除いて可能な限り参加する事.参加者数にも依存するが高くても約2,000円の見込み.

施設見学: 参加/不参加

 閉会後に希望者のみ参加の予定.

UNIX系OSの経験: 有/無

 経験は必須でないが実習で参加者をグループに割り振る際に参照.経験者で予め自分のPCにソフトをインストールして持参したい方に対しては事前提供も可能.要ウィルス対策.

Cの経験: 有/無

 同上.

FORTRANの経験: 有/無

 同上.

その他:

==========ここまで==========


ポスター: