利用学生のこえ

■01聴覚しょうがい学生のこえ

宮城教育大学で4年間過ごして印象に残っていることがひとつあります。他大学の先生が担当している本学の講義で「宮城教育大学の魅力のひとつはしょうがい学生への支援が充実していることだと思う」というお話がありました。私はその支援を受けていた聴覚しょうがい学生です。もちろん本学の支援体制を褒めてもらえたことも嬉しかったですが、何より他学の先生にまで浸透していることに驚きを隠せませんでした。

大学入学当初から情報保障は完備されていたので、私はいつも提供されるものをただ受け取る形でした。しかし、本学にも情報保障がなかった時代があったことを知り、今ある環境は決して当たり前ではないことに気づきました。それ以来、テイカーさんとテイクについて話したり、先生と直接相談したりするようになりました。個人個人の働きかけは些細なものですが、その積み重ねの成果がこれまで続いてきた支援体制に現れていると思います。

はじめにお話ししたように本学以外の人にも知られるようになったのは聴覚しょうがい学生自身の取り組みと運営に関わる方々、それを支えてくれるテイカーさんのおかげだと思います。これからもさらにより良い環境を作り上げていけるようご協力いただけると嬉しいです。

■02聴覚しょうがい学生のこえ

聴覚支援学校の高等部のときに、オープンキャンパスに参加しました。情報保障をつけ、音声言語主体の講義を理解することができたという経験は、聴覚支援学校に通っていた私にとって大きな衝撃でした。それまでは手話のある環境で育ってきたので不安はありましたが、入学後も、情報保障のおかげで他の学生と同じように講義に参加できている安心感がありました。

大学生活において、聴覚しょうがい学生が、様々な学生と交流する機会をもつことは良いことだと思います。情報保障にかかわる支援学生と、支援を超えて教育実習や進路のことについて相談したりしたことは、支援学生の考えを知る機会にもなりました。社会に出て働くときに、一方的な要請にならないよう、相手の立場になって考えることは大事だと思うので、良い練習にもなりました。また、大学の教員やテイカーに対して、自分の聴こえや配慮点について説明してきたことも、相手に理解してもらうためにはどうすればよいかを考える機会になったと思います。

知識や経験、技術のあるしょうがい学生支援室のコーディネーターさんたちは、学生の悩みや困っていることに対して、しっかりと対応してくれます。愚痴や悩みばかりでしたが、最後まで優しく対応してくれ、相談しやすかったです。

03聴覚情報処理障害学生のこえ

自分に障害があると分かったとき、身近な先生から「しょうがい学生支援室に相談しましょう」と言われ、来室しました。

支援室を利用して良かったことは、大学生活が楽になったことと、考え方が変わったことです。様々な支援のおかげで、「授業はこんなに分かりやすく受けることができるのか」と驚きました。また、最初は知識も少なく不慣れだったせいで、「支援を受ける」ということが精神的な負担になっていたこともあったのですが、何度も相談にのっていただき、支援に対する考え方も変わりました。また、「何かあったら支援室に相談できる」ということが心の安定につながり、最終的に自分で積極的に支援を求められるようになるまで成長できたのではないかと感じます。

また、元々は自分から能動的に相談ができる状態ではなかったので、無理矢理にでも「この日に面談をする!」と決めて話を聞いてもらえるのは、ありがたいことでした。

04発達しょうがい学生のこえ

3年次にADHDという診断を受け、どうしたらいいか分からなかったときに学生相談室で支援室の利用を勧められました。

自分の発達しょうがいについても分からず、どんな配慮が受けられるかも曖昧な状態で利用を始めたので、ただ支援してもらっただけでなく、いろんなことを学ばせてもらったような気持ちです。面談を重ねる内に自分の特性について理解したり、人に上手く説明したりできるようになりました。

また、「こんなやり方もあるよ」と教えてもらったり、しょうがい学生の支援に関連したセミナーを紹介してもらったりすることも多く、視野が広がりました。

私は興味関心にとらわれて大事な提出物の締切にルーズになりがちなので、面談の度に授業関連のスケジュールを毎回確認できたのがありがたかったです。日頃から意識するようになっただけでなく、「これ聞かれるかも」と思うと、先の予定でも細かく確認しておくようになりました。