機械情報システム研究室
(芝浦工業大学 足立研究室)
Mechano-Infomatic system Laboratry
ADACHI Lab.
ADACHI Lab.
私たちは,本物の触覚,本物の手ごたえ,本物の外見,そしてちょっとしたフィクションを織り交ぜた人工現実感を提供します.この人工現実感は様々な分野のユーザーを満足するものです.
We offer an artificial reality mixed with real tactile sensations, real feel of touch, real appearance and a bit of fiction.This artificial reality satisfies users in various fields.
これまでのVRでは,ユーザーに力触覚(ハプティクス)を提示するためには複雑なメカニズムを手に装着したり,ゲームコントローラを手で持つ必要がありました.医療分野や産業分野で必要とされる『手作業』を実現するVRでは,これらの使用は実用的ではありません.(動画は足立が1997年に開発したバーチャル手術システム)
In conventional VR, it is necessary to wear a complex mechanism on the hand or to hold a game controller by hand in order to present haptics to the user's fingertips. In medical and industrial VR, where "manual work" is required, these uses are not practical.(The video shows a virtual surgical system developed in 1997.)
私たちは現物と360度動画(あるいは静止画)をミックスすることで,触覚や手ごたえを忠実に再現した人工世界を提供する技術を開発しました.開発したシステムでは手にデバイスを装着することなく,対象物に触った時の触覚や手ごたえをユーザーに提示することができるため,様々な分野で適応が可能です.
We have developed a technology that provides an artificial world to users in various fields by mixing actual objects with 360-degree video (or still images). Our system allows users to feel the tactile sensation and texture of an object without having to wear a device on their hands.
Development of a Multiple Task Training System for Nursing Education
看護学生の新しいシナリオ教育訓練方法を東京大学医学部,神戸大学医学部附属病院,関東学院大学と共同で研究しています。このシステムでは臨床現場での多重課題(同時遂行を求められる二つ以上の事柄)を仮想の病室で再現します.
システムが提供する病室は4床室で,それぞれのベッドに患者さんが寝ています.看護学生が患者A(肺炎)の清拭を行っていると,病室の外にいる指導者から下記のような課題が適時与えられます.
*輸液ポンプのアラート(閉塞など)
*院内スマホに着信(医師から,ナースリーダーから,担当する患者から,担当していない患者から)
*患者Aの家族がお見舞いに来る
*患者B(尿度カテーテル留置中)がトイレに行きたいと言う
*患者C(認知症)がベッドから降りようとする
*患者D(下半身麻痺)が嘔吐する
看護学生が課題に対してどのように対応するかによってシナリオを切り替えていく仕組みになっています.
私たちはこのシステムを看護学生や看護師に体験してもらい、様々なデータを取得・解析することで多重課題の意思決定要因の解明と意思決定支援システムの構築に関する研究を行っています.
緑色のカーテンで囲まれた小部屋と指導者が操作するパソコン.
小部屋の内部には特殊撮影のスタジオみたいになっています.患者A,ベッド,輸液ポンプ,清拭セットが置かれています.
清拭は患者Aのパジャマを脱がすところから始めます
タオルを使って清拭を行う被験者
清拭中に輸液ポンプのアラートが発報したら対応する必要があります.
輸液ポンプのカバーを開けてルートの確認を行います.
清拭中の患者Aだけでなく病室にいる他の患者も対応します.
対応が遅れると患者がベッドから落ちたります.
清拭中に院内スマホが鳴動したら対応します.医師やナースリーダーからの指示を聞き逃してはいけません.
清拭中に患者家族が訪ねてきたら適切に対応します.
応援が必要な場合にはナースコールを押すこともできます.
パソコンを操作すると輸液ポンプのアラートが発報したり,院内スマホが鳴動したり,患者家族が訪ねてきたりします.被験者の対応によりシナリオ動画を切り替えていきます.
受託研究
AIを利用した故障診断システムを小俣シャッター工業(株)と共同で開発しています.既存の機械装置にセンサを1個だけ後付けするだけで故障の事前検知ができるようになることが目標です.
自己紹介
足立吉隆(1961年1月3日生)
機械制御システム学科・教授
博士(工学)東京工業大学.東京大学医学部・客員研究員.日本VR医学会・理事.日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会・顧問,(公財)日本スポーツ協会・公認コーチ1.厚労省・潜水士免許.PADIスキューバダイビング・インストラクター.第3級アマチュア無線技士.大型自動二輪免許.静岡県立袋井高等学校1期生.静岡県立磐田北高等学校附設幼稚園卒園.神道.本籍:静岡県袋井市
自動車メーカーの技術研究所に22年,芝浦工大に転職して21年.VR,Hapticsの研究は1990年から.共同研究,委託研究の申し込みはメールにてお願いします.