タイトル:エルハート理論とその一般化
アブストラクト:
エルハート理論は多面体上の格子点の個数に関する理論である。格子点の個数と多角形の面積に関するピックの定理のような初等的な話題とも関係する一方、高次元の多面体に関しては、現在も活発に研究が進められている。エルハート理論において最も重要な概念は、エルハート準多項式(多面体を拡大したときの格子点の数の変化をとらえる関数)である。本講演では、エルハート準多項式と多面体の対称性の関係についての結果を紹介した後、一般化の可能性について議論する。
アブストラクト:
この講演では、講演者の研究の中で現れた謎の「物体」について紹介して、これが何なのか聴衆の皆さんと一緒に考えたい。その「物体」は一つだけではなくて、何でも良いから図形が一つ与えられる毎に一つ「物体」ができる。だから原理上無限個ある。しかも「物体」は一次元、二次元、三次元の図形のように目に見えるものとも限らなくて、四次元、五次元、もしくはそれ以上の、もはや想像もつかないような形をしていることがある。目に見えない想像もつかないようなそんな「物体」をどうやって説明するかと言うと、単体複体と呼ばれる言語を用いる。単体複体という言語を使えば目に見える図形(多角形や円や球)も表現できるし、目に見えない図形も正確に表現できる。そして「物体」がどうやって現れたかというと、それは図形の「曲がり具合」を言葉ではなく形を使って表現したときに現れることを説明する。この「物体」は講演者の論文(arXiv:2307.04387)に書いてあるが、まだ他の誰も研究しておらず、詳しい性質はほとんど知られていない。
アブストラクト:
複素3次元射影空間内の3次曲面には、27本の直線が存在します。この27という本数の二通りの数え方について話をしたいと思います。
実は、この話での2番目の数え方が、ミラー対称性仮説を用いた複素4次元射影空間内の5次超曲面に含まれる有理曲線の数え方と密接に関連している事がわかってきました。時間があれば、このミラー対称性についても触れたいと思います。
アブストラクト:
幾何学的群論とは群という集合を空間という幾何学的対象とみなして群の性質を調べる分野である.幾何学的群論は群論,低次元トポロジー,作用素環論などさまざまな分野が交錯し,現在精力的に研究が進められている.本講演では,幾何学的群論について紹介することを主に行う.また,幾何学的群論における重要な性質であるGromov双曲性に関連して,講演者のおこなった「向き付け不可能曲面の曲線グラフは曲面の位相型によらない定数でGromov双曲的である」という研究について紹介したい.
*12月以降の予定
第6回 2025年12月5日(金) 第7回 2026年1月23日(金)