超偏極室ではガラスデュワーを使用する事で、低コストで簡単に偏極試料の冷却を行う。デュワーを減圧する事で、液体ヘリウム温度を 1.5 K まで下げる事ができる。温度 1.5 ~ 4.2 K での偏極実験をおこなう事ができる。
ガラスデュワーに液体ヘリウム(He-4)が溜まってく様子。デュワーは二重構造になっている。内部を視認するために、無メッキの確認用スリットを設けている。スリットを通して外側デュワーの液体窒素液面が画面上部に見えている。液体ヘリウムを内側デュワーに注入していくと 画面下部から上昇する液面を確認できる(01:30~02:36頃)。
液体ヘリウムを溜めた後、真空ポンプでデュワー内を減圧する(00:14頃)。減圧と同時に液体ヘリウムは沸騰し、内側デュワー内に泡を沢山確認できる。蒸発に伴い液面は次第に下降する。液体ヘリウムの温度も低下し、約2.17 Kで液体ヘリウムは超流動状態に相転移する(03:13頃)。超流動状態になると、それまで見えていた泡が消える。
液体ヘリウムは高価なもの。デュワーに無駄に入れるのはご法度。どの程度ヘリウムが溜まっているのか、簡単に確認できると良い。でも液体ヘリウムは無色透明なので、スリットから覗いてもなかなか分かりにくい。
液体ヘリウムの密度は 125 mg/cc、数10mg/ccの密度をもつ発泡スチロールなら浮くのでは?ということで、発泡スチロール球をつかった液体ヘリウム液面ゲージです。
実験では液体ヘリウムを溜めた後にデュワー内を減圧・冷却し、およそ 1.4 K で測定を行う。上記の用の液体ヘリウムは超流動状態になるのだけれど、常流動状態で浮いていた浮きは超流動ではどうなるのだろうか?
偏極に必要な磁場生成にはヘリウムレス超伝導磁石を使用する。
周波数帯: 70 GHz
NMRは Liverpool Q-meter による CW-NMR システムを用いる。重陽子(16 MHz)から 陽子(106 MHz)まで広い周波数領域で、様々な核種のNMR信号測定が可能。