第59回日本口腔組織培養学会総会・学術大会

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大会長挨拶 

第59回 日本口腔組織培養学会 学術大会・総会
大会長 川又 均

 

第59回日本口腔組織培養学会 総会・学術集会を獨協医科大学医学部口腔外科学講座が主幹にて開催(大会長:川又均,準備委員長:小宮山雄介)させていただくこととなりました.私は,本学会には,故佐藤光信教授の研究室に入局すると同時に入会し,米国留学期間,帰国後しばらくの間,活動しておりませんでしたが,現在の医局を主宰するようになった時に東雅之教授,山本哲也教授らにお声かけいただいて活動を再開させていただきました.

 我々の村の母体は,とかくサイエンスとは無縁の技術集団と揶揄されることが多いですが,本学会はその中で,小さいけれど,きらりと光るサイエンス集団だと思っています.世界を見回してみますと,大きなものから小さなものまで,クローズドなサイエンスカンファレンス(ゴードンカンファレンスが有名)がたくさんあります.そのようなカンファレンスのなかで,私は国際分化誘導学会という研究会に何度か参加しました.この会は前骨髄急性白血病(APL)のATRAによる分化誘導療法を世界に先駆けて発表したカンファレンスです.プログラムは一応あり,発表演題のポスターを貼りますが,それとは別に口演は自由で,じゃあ,お前やるか,というような感じで発表していました.その発表を基に,いくつかのグループに分かれてワークショップが開催され,本当に徹夜で朝までディスカッションしてプロダクツを完成します.ちょっと,気を抜いてくつろいでいるとチェアマンからか,Hitoshiどう思う?と,突っ込みが入り休ませてくれません.帰国後,消化器の世界に数年身を置いていましたが,日本の消化器の村にも国際的なサイエンスカンファレンスに似たようなものがいくつかありました.うちの村でもこんなカンファレンスがあったらいいなと思い続けていました.日本口腔組織培養学会はそれを担える学会だと思います.

今回の学術集会では,特別講演として獨協医科大学分子細胞生物学の白瀧博通に,“細胞内物流におけるTaxilinファミリーの役割と作用機構 -シェーグレン症候群における今後の展開-”をご講演いただきます.白瀧先生は,私が獨協医科大学分子病理に赴任した時からお付き合いで,いろいろ研究の相談に乗っていただいたり,一緒にスキーに行ったりしております.東京大学医学部ご出身で医師免許は持っておられますが,分子生物学研究者です.大阪大学時代の高井研のご出身で非常にフランクな先生ですので楽しいお話をお聞かせいただけるのではないかと思います.今回は特別企画として,上條竜太郎先生と吉岡斉先生の追悼シンポジウムとして,お二人の業績とお人柄をご紹介していただく予定です.一般演題は例年通りで,ベストプレゼンテーション賞エントリー演題から始まり.合計20題くらいを予定しております.本当は口演15分,質疑応答45分でスライドを細部まで振り返りながら朝まで議論をやりたいところですが,働き方改革もありますので発表・質疑応答は常識的な時間設定をさせていただきます.その時間内で,座長が止めるくらいの熱いディスカッションができればと思います.

大学内の施設で大会をと思っていたのですが,わが社ではまだゼロコロナ体制が続いており,大人数の外部者を学内,病院内に入れてくれません.敷地内にある会議室“ゆうがお”で開催させていただきます.獨協医大周辺は何もない僻地ですが,宇都宮市内から10キロほどですので前泊は宇都宮で,北関東の夜を楽しんでいただければと思います.観光のお勧めは,日光東照宮,大谷石の採掘跡地下宮殿です.宇都宮は餃子や,カクテルが有名ですが,夜の街に消えていただければと思います.多くの先生方のご参加をお待ちしております.