■教員業績
2019年度の科研基盤研究(C)に採択されたため、かねて開発中であった音声認識機能を活用した発話学習システム「ST lab」の開発を本格的に開始し、引き続き授業での活用と効果の検証を行っている。
開発したソフトが新聞で報道されたため、ソフトの使用申請が急増し、県内他大学や高校、専門学校でも利用が始まる。
2019年10月からは動画投稿のスマホアプリ「Flipgrid」を使って、台湾の高雄科技大学の応用日本語学科の学生と交換授業を開始。
2019年10月、多言語教育の試みを行っている大阪大学サイバーメディアセンターの市民講座で、中国語の講師を務める。
2021年4月から、VR空間を活用した新しい外国語教授法を開発・実践し、同年本学のサイトでVR教材を公開する「VRで学ぶ中国語」を開設した。
2022年度の科研基盤研究(C)「VRを活用した外国語教育と教材の開発」(代表)、科研基盤研究(C)「VR空間における『学びの場』の構築による外国語学習モデルの研究開発」、代表:大前智美(大阪大学)研究分担者として採択される。
2022年6月にハワイ大学から出版された『Online Chinese Teaching and Learning 2020』に論文「Teaching Online Chinese Pronunciation with Pronunciation Training Software: An Empirical Study (一个基于发音训练软件进行在线汉语发音教学的实证研究)」が掲載される。
VRを活用した語学教育の普及活動を行い、国内外で論文や実践報告、講演などを国内外で行った。
VRを活用した新しい教授法が評価され、2022年の日本e-Learning大賞「VR活用教育特別部門賞」を研究チーム代表として受賞。
2022年3月、本学の規程によりすぐれた業績に対して褒賞を受ける。
2023年4月より、人文学部長。
<学会発表>
「中国語教育における授業教材の効率化 ―マルチメディア辞書の中国語対応―」,e-Learning教育学会第9回全国大会,2011年3月,大阪大学
「『語言學習管理系統』在華語教學上的運用與成效 ―以日本小型大學的實驗性課程為例―」,(A Study on Results of Applying Learning Management System for Language Course in Chinese Language Class: An Examination of Experimental Class in a Small-Scale College in Japan),第十屆世界華語文教學研討會,2011年12月,台北
「音声入力システムを使った中国語の発音指導」,e-Learning教育学会第13回全国大会,2015年3月,大阪大学
「国際的な中国語検定『漢語水平考試』(HSK)過去問データベース化」,e-Learning教育学会大13回全国大会,2015年3月,大阪大学
「発話を促す多言語教材の開発 ―外国語教育における音声認識・合成APIの可能性―」渡邊ゆきこ,大前智美,2018PC conference,2018年8月,熊本大学
「中国語音韻検索システム開発と音声認識機能を使った発音学習の試み」、2019PC Conference
「中国語の音韻検索システムを使った弱点克服練習の作成」,e-Learning教育学会第17回全国大会,2019年3月,常葉大学(静岡)
「音声認識機能を使った自立型発音学習」、大前智美・渡邉ゆきこ、2020PC Conference、2020年8月20日、オンライン開催
「初級中国語におけるVRの可能性 ―Mozilla Hubsの活用を通して―」、e-Learning教育学会第20回研究大会、2022年3月12日、オンライン開催
「初級中国語におけるVRの可能性 ―Mozilla Hubsの活用を通して―」,渡邉ゆきこ,e-Learning教育学会第20回研究大会(オンライン)発表,2022年3月
「メタバースで実現するユニークなタスク・ベースド・ラーニング:VRを活用した中国語初級授業の実践報告 」,渡邉ゆきこ,e-Learning学会第22回研究大会特別企画,沖縄大学同窓会館,2024年3月16日
<研究会発表>
「VR(仮想現実)を使った中国語教育の試み」、2019年度ICT利用による教育改善研究会、公益社団法人・私立大学情報教育協会
「VRを使った中国語教育の試み」、オンラインセミナー「ICTを使った中国語教育」、主催:清原文代(大阪府立大学)、2021年8月
「VRを活用した語学学習の学習意欲測定と授業改善の検討 ―沖縄・台湾交流授業における実践報告―」,小渡悟・渡邉ゆきこ・楊錦昌,第55回サイバーワールド(CW)研究会,電子情報学会,2024年3月29日
<学会および研究機関での講演>
「VR x 教育 語学教育の可能性」、渡邉ゆきこ,台湾日本教育学会招待講演、2022年2月19日、オンライン開催
受賞記念講演「VR空間を語学教室に」,渡邉ゆきこ,オンラインラーニングフォーラム2022,一般社団法人オンライン教育産業協会(JOTEA),2022年11月,オンライン開催
「大学におけるメタバースを活用した語学学習の実践報告」,渡邉ゆきこ,日本情報学研究所(NII)主催「第58回大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム」,2022年11月,オンライン開催
「多語系發音練習軟體與VR外語教學運用」,渡邉ゆきこ,(台湾)輔仁大學外国語学院・輔仁大學日本語文学系主催,2023年3月
「虛擬實境在華語教學上的運用」,渡邉ゆきこ,(台湾)東呉大学外国語文学部主催後援会,2023年3月
「VR教材開発体験セミナー」,渡邉ゆきこ,e-Learning教育学会主催,@大阪工業大学梅田キャンパス,2023年9月3日
「メタバースの外国語教育への活用」,渡邉ゆきこ,常葉大学外国語教育支援センター長・有富智世研究室主催,沖縄大学H-102教室,2024年3月1
<論文・実践報告・研究ノート>
「台湾の対沖縄投資計画」渡邉ゆきこ,日本台湾学会報 (4) 125-144 2002年7月(査読あり)
「『台北国語』の文法的特徴」渡邉 ゆきこ,沖縄大学人文学部紀要 (7) 135-144 2006年3月
「地域文化に密着した言語学習の可能性 : 沖縄大学CALL対応のマルチ言語学習システム開発プロジェクト」ジャネット・ヒギンズ, 伊藤丈志, 渡邉ゆきこ,地域研究(3),17-28, 2007年3月
「Web4uを使用した中国語授業の試み」渡邉ゆきこ,e-Learning教育研究(6), 125-130,2011年(査読あり)
「『語言學習管理系統』在華語教學上的運用與成效 ―以日本小型大學的實驗性課程為例―」,(A Study on Results of Applying Learning Management System for Language Course in Chinese Language Class: An Examination of Experimental Class in a Small-Scale College in Japan),渡邉ゆきこ・大前智美・細谷行輝,『第十屆世界華語文教學研討會論文集』,世界華語文教育學會,2011年12月(査読あり)
「iPadアプリ「tOCM辞書」によるオリジナル辞書作成支援」森 真幸, 渡邉 ゆきこ,e-Learning教育研究 (7),23-32,2012年(査読あり)
「中国語音声教材作成のための音声データベースの構築と検索システム」渡邉ゆきこ, 沖縄大学人文学部紀要 (17),105-112,2015年3月
「発話を促す多言語教材の開発 ―外国語教育における音声認識・合成APIの可能性―」渡邊ゆきこ・大前智美,2018PC conference論文集,56-59,2018年8月(査読あり)
「Investigating the Effect of Chinse Pronunciation Teaching Materials Using Speech Recognition and Synthesis Functions」、Yukiko WATANABE・Tomomi OMAE・Satoru ODO Technology and Chinese Language Education, Vol.10 Number 2, December 2019, http://www.tclt.us/journal/2019v10n2/watanabeomaeodo.pdf (査読あり)
「VR(仮想現実)を使った中国語教育の試み」、小渡悟・渡邉ゆきこ、2019年度ICT利用による教育改善研究会発表論文集、公益社団法人・私立大学情報教育協会 (査読あり)
「中国語音韻検索システム開発と音声認識機能を使った発音学習の試み」、渡邉ゆきこ・大前智美、PC Conference2019, 2019年8月 http://gakkai.univcoop.or.jp/pcc/2019/papers/pdf/pcc023.pdf
「音声認識機能を使った自立型発音学習」、大前智美・渡邉ゆきこ、2020 PC Conference, pp.233-236、2020年8月(査読あり)
「Teaching Chinese Pronunciation with Pronunciation Training Software: An Empirical Study」、Yukiko WATANABE、Tomomi OMAE、Satoru ODO、『Online Teaching and Learning Chinese in 2020』、pp.234-246、 National Foreign Language Resource Center (NFLRC)、2022年3月(査読あり)
「VR空間内での活動を経験記憶につなげる外国語教育」,渡邉ゆきこ・小渡悟・大前智美,2022 PC Conference論文集,pp.199-202,2022年8月
「メタバース空間における臨場感・没入感をともなう語学学習 ―Mozilla Hubsを活用した大学の初級中国語授業における実践―」,渡邉ゆきこ・小渡悟・大前智美,『Computer & Education』,vol.53,コンピューター利用教育学会,2022年12月
「VRにできること、VRにしかできないこと ―VRを活用した中国語授業の実践報告」,渡邉ゆきこ,『中国21』,Vol.58,愛知大学現代中国学会,2023年3月
「メタバースを活用した初級語学の授業 ーMozilla Hubsの活用例として」,渡邉ゆきこ,「情報処理」,Vol.64 No.11,情報処理学会,2023年11月
<コンピューターソフト開発>
「ST lab」(Speech Training Laboratory):音声認識機能を活用して開発した中国語学習システム。「四声の聞き分け」「ピンイン音読」「中国語音読練習」の3つについては,学習記録が表示される機能があり,教員はクラス全員の学習状況を確認できる。本学ホームページで公開しており,1年生を対象とする「オーラル中国語」の授業などで使用されている。(2018年完成・同年4月より本学HPで供用開始)
https://stlab-elearning.jp/#/login/
また、2022年11月からは本ソフトの紹介サイト「多言語発音オンラインソフト・ST Lab」を公開している。
https://sites.google.com/okinawa-u.ac.jp/e-learning-stlab/stlab
※練習メニューは以下の通り。
1. 四声の聞き分け練習
2. ピンイン音読練習
3. 中国語音読練習
4. 模擬通訳練習
「CPSS」(Chinese Phonetic Search System):中国語としては初の音韻検索システム。システムが収録する中国語検定4級と3級の頻出単語から,「音節数」「声母」「韻母」「声調」の各項目を複合的に条件設定して検索できる。 https://cpss.les.cmc.osaka-u.ac.jp/#/
<教材の公開>
「VRで学ぶ中国語」:初級中国語の授業などで実際に使用しているVR教材と使用法の動画を本学「eラーニング」サイトで公開した。2022年11月より
https://sites.google.com/okinawa-u.ac.jp/e-learning-vr/vr
<ワークショップ・研修会等の講師>
「VR体験会」と「VR講習会」、科研基盤C「音声認識とVRチャットボットで学ぶ外国語音声コミュニケーション教材の開発」主催(研究担当者)、2021年8月23日
「VR講習会」、科研基盤C「音声認識とVRチャットボットで学ぶ外国語音声コミュニケーション教材の開発」主催(研究担当者)、2021年9月17日
「VR講習会」、主催:楊彩紅(北海道大学)、2021年12月5日
「VR講習会」、沖縄大学FD研修会、2022年2月18日
「VR講習会」、沖縄大学FD研修会、2022年2月24日
「VRを使った中国語の授業」、常翔学園VR研究会、2022年3月20日
「VR講習会」、沖縄大学FD研修会、2022年3月28日
<学外活動>
中国語教育学会理事、2022年~2024年3月
e-Learning教育学会副会長、2022年~2024年3月
琉球新報(デジタル推進局)業務委託、新企画のコラム「台湾最強・彭國豪の沖縄発見」の取材・翻訳・構成担当、2021年11月~現在
琉球新報・報道本部嘱託(中国語翻訳・通訳担当),1997年~2021年10月。
浦添市スーパーコミュニケーションスクール・プロポーザル審査員,2012年
e-Learning教育学会理事,2014年~現在
沖縄県多言語表記に関する検討委員会(中国語繁体字表記担当)委員,沖縄県,平成26・27年
大阪大学市民講座・中国語講師 2019年~ 2021年
大阪大学サイバーメディアセンター招聘教員 2024年~現在
<受賞>
2023年11月 第19回(2022年度)日本e-Learning大賞・VR活用教育特別部門賞,“VR空間を活用した新しい語学教育法の開発”,沖縄大学・沖縄国際大学・大阪大学e-Learning研究チーム
2018年8月 コンピューター利用教育学会 2018 PC conference優秀論文賞。受賞論文「発話を促す多言語教材の開発 ―外国語教育における音声認識・合成APIの可能性―」、渡邉ゆきこ・大前智美
<競争的研究資金の獲得>
代表:科研基盤C「VR使った外国語教育と教材の開発」、2022年度~2024年
研究分担者:科研基盤C「VR空間における『学び合いの場』の構築による外国語学習モデルの研究開発」、代表:大前智美(大阪大学)、2022年~2024年
研究分担者:科研基盤C「音声認識とVRチャットボットで学ぶ外国語音声コミュニケーション教材の開発」、代表:大前智美(大阪大学)、2019年~2021年
■教育業績
<主な担当科目>
オーラル中国語I・II、サバイバル中国語、映像で学ぶ中国語、中国語翻訳入門、中国語翻訳技法、問題発見演習I、基礎演習II、専門演習c・d
「オーラル中国語」では、科研で開発中の発音練習ソフトを活用し、発音の練習の充実を計ると同時に、2021年度からはVRを授業に導入し、言語の運用練習に活用している。
2019年度の「サバイバル中国語」では、動画を投稿して交流するスマホアプリの「Flipgrid」を活用し、台湾の国立高雄科技大学の応用日語学科の学生と交流授業を行った。2022年度の同授業では、VR空間を活用し、課外時間を使って交流授業を行い、翌年の夏休み、同学を訪れて交流を持った学生と実際に会って交流した。
「映像で学ぶ中国語」では、中国や台湾の映画の字幕を書き取った上、それを元に朗読劇を行った。その様子は学内のスタジオで撮影し、YouTubeにアップした。現在はリンク画像をVR空間に展示している。 2021年1月には遠隔授業のためスタジオが使えなかったため、VR空間のスタジオを利用し、VR空間で演じてこれを録画して展示するということを試みている。
「基礎演習Ⅱ」では、台湾や中国の伝統文化や日常生活に関するクイズを動画で作成し、内容を聞き取った上で調べて答えを考えるという授業を行った。また、VR適宜ポイントを決めて、PPTを使った中国語による報告を行った。
「専門演習」では、中国語の類義語活用辞典を日本語に翻訳を行った。2024年度の専門演習では、中国語圏のベジタリアンやムスリム向けに那覇市の魅力を中国語で発信するホームページを取材して、作成する。
「中国語翻訳入門」では現代中国のエッセー文を教材として、文字の背景にある文化や慣習。表現から細かなニュアンスを読み取る方法を学んだうえ、それをいかにして日本語らしい日本語に翻訳するかを実践を通して考察した。
「中国語翻訳技法」では台湾の新聞記事や沖縄旅行フリークのグループが情報を上げるS N Sの記事の翻訳を行い、最新事情がどのように中国語で表現されているかに触れると同時に、S N Sに頻出するネットの新語の意味を把握するため、情報収集の練習なども行った。
■その他
「戒厳令下の台湾留学」、日本中国語学会メールマガジン第174号、2021年1月30日
「わたしのVR奮闘記」,渡邉ゆきこ,『cybermedia forum』,Vol.23,pp.9-10,大阪大学サイバーメディアセンター,2022年12月
<メディア報道>
教育学術新聞(第2876号2022年3月16日) :「WEB教科書活用からVR教材開発まで 沖縄大学『オーラル中国語Ⅰ』」
沖縄タイムス(2022年11月30日):「仮想世界で語学力磨く 渡邉沖大教授 台湾の大学とも連携 eラーニング 特別部門賞受賞」
教育家庭新聞(2023年5月1日):「第109回 ICTキャンパス 沖縄大学 メタバースで語学学習 学生の学習意欲高まる」