目に見える天気の変化としてまず現れるのが雲と言って良いでしょう。雲の形や動きを観察すると、その後の天気をかなりの程度判断することができます。その場所で短時間の天気の予測をするには、一番確かな方法でしょう。
青空に真っ白な羽毛が浮いているように見えます。雲をほうきで掃いたようにも見えます。すじ雲と呼ばれることもあります。
雲の中では、もっとも高いところにできる雲で、とても気温が低いために細かい氷の結晶からできています。
この雲は釣り針のように大きく曲がっていたり、まっすぐのびていたりします。大きく曲がっているのは、上空の風が強いためで、天気が次第に悪くなるきざしだとも言われています。
真っ白な小さなかたまりの雲が小石をならべたようになっていたり、小魚の群やさざ波を思わせるような形をしていたりします。その形から、うろこ雲・さば雲・いわし雲などとも呼ばれています。秋の代表的な雲だと言われていますが、特に秋に現れやすいというわけではありません。
高いところにできる雲ですから、やはり氷の結晶からできています。
この雲が出ると、しだいに天気が悪くなり、翌々日あたりには雨が降ると言われています。
空をうすい真っ白なベールでおおうような雲です。この雲も高いところにできますので、氷の結晶からできています。うす雲と呼ばれることもあります。
この雲におおわれると太陽や月のまわりに輪(「かさ」とも言います)が見えます。
この雲が次第に厚くなり、色が灰色になるようなときは、やがて雨が降ると言われています。
たくさんの雲のかたまりが集まって見えますが、絹積雲(巻積雲)よりも大きく多少黒ずんで見える雲のかたまりです。羊の群のように見えることがあるので、ひつじ雲と呼ばれます。また、雲のかたまりがいくすじにも連なって見えることがあり、鯖(さば)の背紋のように見えるので、さば雲と呼ばれることもあります。ほかに、むら雲と呼ばれることもあります。
この雲は、翌日あたりに雨が降る前ぶれだと言われています。
凸レンズのように見えるレンズ雲は高積雲の仲間で、上空を強い風が吹いているときにできます。
太陽もほとんど見えないような、どんよりとした灰色のベール状の雲です。おぼろ雲、うす雲と呼ばれることもあります。
絹層雲(巻層雲)がしだいに厚くなって高層雲になったときは、雨が近いと考えて良いでしょう。また、雨がやんだ後に高層雲が見えたときは、雲がしだいに切れて青空が見られると考えて良いでしょう。
空を暗くおおう黒ずんだ雲で、雨や雪を降らせます。雨雲、雪雲と呼ばれます。
この雲の底が地上数百メートルの高さまで下がっているものもあります。
畑の畝(うね)のような形になることもあり、うね雲と呼ばれます。
気温の逆転層があるとこの雲ができます。
高い山に登って雲海を見ることがありますが、多くの場合層積雲の雲海です。
レンズ雲には層積雲に属しているものもあります。
霧の発生と同じように、地面が冷えてできる厚さがうすい雲です。大変低いところにでき、霧雲とも呼ばれています。朝、盆地や谷間をおおっていることがあります。雲は低いのに空は明るく、日差しが強くなると消えてしまいます。晴れを約束してくるような雲です。
しかし、高層雲や乱層雲の下にできるちぎれ雲も層雲に入り、この層雲が出ると雨が近いようです。
青空にぽっかり浮いているわた雲も、夏の午後にむくむくと入道雲も積雲です。
積雲は垂直方向に発達し、小さな積雲が上へ大きくなってやがてにわか雨を降らすこともあります。積雲が発達して雲の上部がかなり高くなると、そこの雲の氷の結晶になります。このように大きくなった積雲を雄大積雲と呼びます。
冬の気象衛星の写真を見ると、日本海などにすじ状の雲の列が見られます。これも積雲が並んだ列です。
いわゆる雷雲です。非常に強い上昇気流のために、多くの場合、雷が発生し、どしゃ降りの雨が降ります。雹(ひょう)が降ることもあります。
積雲が発達して雲の上部がかなり高くなると、そこの雲の氷の結晶になります。さらに発達して巻雲ができる高さに達すると、上部のもくもくが消えてしだいに水平に広がっていきます。これが、積乱雲です。金床に似ているので、かなとこ雲とも呼ばれます。
積乱雲は確かに夏に多く発生しますが、大雪を降らせるのもこの積乱雲で、夏だけとは限りません。春雷など、夏の夕立だけではなく、雷が聞こえたらこの積乱雲が発生しているのです。