大地に何かの力が加わってできた割(わ)れ目のようなものを断層(だんそう)と言います。その中で、第四紀(約200万年前)から現在までの間に動いたとみなされ、将来も活動することが推定される断層を活断層(かつだんそう)と言います。日本には活断層がたくさんあります。
大垣市の近くにもいくつかの活断層があります。池田山断層はその一つで、揖斐郡揖斐川町から大垣市にかけて約16kmのびている活断層です。この池田山断層のトレンチ調査が行われました。
トレンチ調査というのは、断層が通っている場所に大きな溝(トレンチ)をほり、その断面や平面の観察によって、過去におきた断層の動きを推定していく方法です。地層の中の土器や植物の化石などから年代に関する情報を求め、断層が「どれくらい動いたか」や「何年間隔でうごいたか」などを推定するのです。
この見学会がありましたので、参加したときに撮った写真などを紹介します。
北壁面(へきめん)
南壁面(へきめん)
全体
拡大
地層のさかいの線
地層ごとに色分け
調査された人が書かれた図
調査した人のお話
この調査でわかったことは、次のことです。
「地層ごとに色分け」の図で水色の部分(「調査した人がかかれた図」のⅠ-4)に土器のかけらが発見されました。これは、12~14世紀(鎌倉時代)のもののようです。この層が断層で切れていないことから、鎌倉時代から現在までの約600~800年の間は、断層が動いていないことがわかります。
「調査した人がかかれた図」のⅠ-2は、江戸時代に作られた水路の跡(あと)のようです。(北壁面では、この層のために断層が切れてしまって残念です。)
断層の上側(山側)の層が下側の層に対して上がっています。これは、左右からおされてずれ上がったことを示しています。(右の図を見ましょう。)池田山断層が何度も動いて、池田山が高くなったとも想像されます。こうのように、左右からおされてできる断層を逆断層(ぎゃくだんそう)と言います。