統合領域

メディア・ジャーナリズムプログラム

教育目的

 「メディア」や「ジャーナリズム」が「信用できない」「必要じゃない」といった批判・不満は、インターネットばかりでなく、様々なメディアでもよく取り上げられています。確かに、そうした言説にはもっともな部分もありますが、果たしてメディアやジャーナリズムに託された機能がすべて不要になってしまったのでしょうか。

 その答えはNOだ――と、少なくとも本プログラムの教員たちは信じています。

 近代ジャーナリズムは、市民社会とともに誕生し、成長しました。私たち市民が主権をもつリベラルでデモクラティックな社会を維持発展させるため、権力を監視したり、社会の不正を告発したりするジャーナリズムは、決して小さくない役割を果たして来ました。

 目を転じて、私たちがいま暮らしている日本や世界では、自由で民主的な社会を毀損する政治家や官僚の不正・怠慢、社会の不平等や人権侵害などが消え去ってしまったのでしょうか。この答えもNOです。新聞やテレビの日々のニュースを見れば、到底そうは言えないことが分かります。

 本プログラムでは第一に、社会の問題点を発掘し、周知を集めて解決策を探るといったジャーナリズムの役割を学ぶことを目的とします。次に、実際にそうした機能を担うべき各メディアが十分にその役割を果たしているのかを検証します。

 そのためには、各メディアの歴史や機能、問題点など押さえたうえで、いま実際にどんな報道をしているのかにも注意する必要があります。大学での授業だけでなく、(非常に大事なことですが)日々ジャーナリズムに触れていれば、メディアリテラシーが間違いなく身につきます。そして、よりよい生き方を自ら選び取ることができるようにもなります。これが本プログラムがめざす最終的な目的です。

カリキュラムの特徴

 第一段階の基礎、入門として2つの科目グループを用意しています。

 「ジャーナリズム史」など4つの必修科目はこの分野を学ぶにあたって、ベーシックな理論や歴史を身に付けるものです。さらに「テレビ・放送の世界」など「世界」と名がつく科目群を用意しました(4科目から2科目選択必修)。これらは各業界の報道状況やビジネスモデルなど基本的な知識を身に付けることが狙いです。

 次の段階では「ドキュメンタリーを見る」など「読む、見る」科目群(5科目から2科目選択必修)と、「ネットジャーナリズム」など「ジャーナリズム」の現状を講義する科目群(6科目から2科目選択必修)を設定しています。それぞれ現在進行形で各メディアの言論状況やジャーナリズムの実践状況を具体的に学ぶ科目です。「メディア特講」では「戦場ジャーナリズム研究」や「現代マンガ・アニメ考」など先鋭的なテーマを扱っています。これらの科目を身に付ければ、時事問題に詳しくなることは確実です。

修了要件

必修または選択必修を含め;

メジャー:合計32単位

マイナー:合計16単位

【Ⅳ 統合領域】6.メディア・ジャーナリズムプログラム.pdf