人文領域

宗教学プログラム

教育目的

 人は皆、自己を根底から支える「偉大なるもの/Something Great」との関係において「生き、動き、存在し」、この世界の中に自己を位置付けようと願っています。ですから人は皆、「何処から来て何処へ行くのか」「なぜ生まれて死ぬのか」「愛とは何か」「救済とは何か」といったテーマに惹かれるのです。そして、これが宗教学の問題意識の始まりです。

 どうしてこういう問題意識を持つのかといえば、人は皆、自己の存在のはかなさと同時に自己の魂の永遠性を意識しているからでしょう。「宗教的生のダイナミズム」は、自己の限界性と現実を見据えながらも、なお可能性と理想に向かって邁進する人の姿の中に見ることができます。またそれは、捉えたと思った途端に指の間をすり抜けてゆく「究極的なる実在」に魅了され、追及して止まない真摯な人間の姿の中に見ることができます。

 宗教学とは、世界中に見られる「宗教」という営みを人間の生活現象の一局面として捉え、それがどのように生起し、人間生活の中でどのような位置を占め、どのような役割を演じているのかを、事実に即して客観的に整理して、体系的にまとめることです。こうした課題は、自己を理解すると同時に他者を理解することになり、風土・歴史・文化を越えた相互理解の基本形を生み出すことに繋がっていくのです。

 本プログラムでは、他者の宗教的経験・信念・洞察から学び、尊び、よりよい自己への変革を目指して、他者に対して寛容なる宗教的精神を身につけることを目的とします。

カリキュラムの特徴

 本学の建学の精神である「キリスト教主義」を基盤に学びを深めます。
 宗教学は、それぞれの宗教の優劣を論じるものでも、ある特定の宗教の正当性を論じるものでもありません。世界に存在する諸宗教を在るがままに受け止め、比較し、理解することを基本的な作業とします。ですから、世界の諸宗教を学ぶための基本的な理論が、本プログラムにはあります。しかし、各自が関心を持つ具体的な地域における諸宗教に関する学びについては、本学群の他分野から積極的に見つけて学修することをお勧めします。

 また、生と死について、魂の永遠性について、愛について、救済について、等々の答えはすぐには見つけられないかもしれませんが、それでもこうした大きなテーマに真摯に取り組むことは無駄ではありません。問い続け、戸惑い、苦悩する中で「考える力」が身につきます。また、人間を根底から支える「大いなるもの」「聖なるもの」「究極的な実在」との関わりから、物事を客観的に見つめる視点も養われます。

 世界の諸宗教の実態を積極的に学び、理解することは、同時に、自分の生まれ育った国、文化、宗教についてのより深い理解へと結びつき、他の宗教に生きる人々への「寛容の精神」を養うことへと発展することでしょう。

修了要件

必修または選択必修を含め;

メジャー:合計32単位

マイナー:合計16単位

【Ⅰ 人文領域】4.宗教学プログラム.pdf