Q1 そもそも部活動の地域展開って?
A1 部活動の地域展開とは、生徒のスポーツ・文化芸術活動を、学校が主体となって行っている学校部活動から、学校以外が主体となる地域クラブ活動に変えることです。少子化や、それに伴う学校の小規模化の中でも、子供たちがスポーツや文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保することを目的としています。
学校以外の主体とは、既にある民間クラブや新しく立ち上がるクラブ、地域コミュニティ、スポーツ少年団、競技団体、文化芸術団体等。あらゆるものが受け皿として想定されます。
Q2 地域展開と地域移行の違いは?
A2 基本は同じです。学校内で運営されてきた部活動を広く地域に開き、地域全体で支えていくというコンセプトを明らかにする、などの理由により、国が名称変更したものです。
Q3 どうして地域展開するの?
A3 昨今の急激な少子化及びそれに伴う学校の小規模化(教員数の減少)により、
・部員数の減少により団体種目を中心に部を維持できず、廃部が相次ぐ。
・そのために、生徒の多様化するニーズに応えられない。
・複数の顧問を置けず、生徒の安全面に課題。
・種目経験のない教員が指導するケースが増え、生徒が望ましい指導を受けられないことに加え、教員の負担感増。
・社会で働き方改革が進められる中、教員にとっては休日を含め長時間勤務の大きな要因。
など、様々な問題が生じるようになり、従来の部活動を維持するのは困難になってきました。
このような中でも、「子供が希望する活動や体験、学びの機会を維持・充実させた新たな環境を地域総がかりで実現」し、将来にわたって子供たちが継続的にスポーツ・文化芸術活動に親しめるよう、沼津市でも部活動の地域展開を進めることとしました。
Q4 多くの教育的価値がある部活動を地域展開して大丈夫?
A4 部活動は学校教育の一環として行われ、生徒の多様な学びの場、活躍の場として、教育課程内とは異なる居場所として、以下のような教育的意義を有してきました。
・スポーツや文化芸術に親しむ機会
・体力や技能の向上
・異年齢との交流の中で人間関係の構築
・学習意欲の向上
・自己肯定感、責任感、連帯感の涵養 など…
地域展開後に学校部活動に代わり生徒の活動の場となる地域クラブ「ヌマカツ」の登録要件にこうした条項を盛り込み、部活動の果たしてきた意義の継承・発展を目指します。
Q5 今の部活動はどうなるの?
A5 沼津市では、休日の部活動は令和10年夏までに、平日の部活動は令和13年夏までに終了予定です。
部活動終了後も、子供たちが希望する活動を続けられるよう、部活動に代わる新たな地域クラブ「ヌマカツ」の創設を支援しています。
Q6 今後の中体連やコンクールはどうなるの?
A6 静岡県中学校体育連盟は、令和5年度の県中学校総合体育大会から、学校部活動に限定していた参加資格を地域スポーツクラブにも広げました。また、全日本吹奏楽連盟は令和6年度から地域バンドの各種大会への参加を、全日本合唱連盟は令和7年度から地域の合唱団のコンクールへの参加を可能としました。地域展開の流れを受け、各種目・分野において、「学校単位」という考え方はなくなってきています。
Q7 部活動に入らないことで高校入試に影響はありますか?
A7 影響はありません。高校受験の時に学校が作成する書類には、「学校内外における文化的、体育的活動、ボランティア活動や特技」についての実績や活動内容を書くことになっています。そのため、学校に限らず、多様な体験を通して自主的・自発的な活動に取り組むことが大切です。
Q8 参加費などの会費は必要ですか?
A8 種目によって金額は異なりますが、参加費(指導者謝金や施設使用料など)や保険料等の会費が必要になります。子供たちの受け皿となる地域クラブ「ヌマカツ」を持続可能な組織とするためには、受益者負担として、一定程度の会費負担はお願いすることとなります。
Q9 会費負担に対する減免制度や支援策はないのですか?
A9 「ヌマカツ」クラブに対しては、可能な限り低廉な会費の設定をお願いしています。
また、子供たちの活動機会・体験機会の確保のため、困窮世帯への支援制度の創設を検討しています。