この技術講習会は魚類における遺伝資源保存をテーマに開催します。
サケ科魚類は冷水域に分布し、日本国内にはサケ属、イワナ属、イトウ属の3属8種が生息しています。一部の魚種では漁業や釣りの対象となるとともに、養殖にも利用されているため、食卓にも登場する馴染み深い魚です。
多様な生活史をもつサケ科魚類では、遺伝的多様性をもつ集団が世界各地に存在します。これらは貴重な遺伝資源であり、かけがえのないものです。天然における遺伝的多様性の生息域における保全(in situ)が重要であることは言うまでも有りませんが、遺伝資源の人工繁殖下での保存(ex situ)もバックアップとして必要です。また、養殖に用いられている選抜された系統も重要な遺伝資源です。近年に大きく改良されたサケ科魚類の精子凍結保存法を、実際のサケ科魚類を用いて精子の凍結保存を行います。CASA を用いた精子運動性の評価法を実践するとともに、増養殖技術の基本である人工授精法により凍結精子を用いた個体作出を行います。
今回は、メダカを用いた凍結精子の作成も行います。メダカで用いる手法はトゲウオなど他の魚類の凍結精子作成にも利用できることが分かっており、サケ科に限らない魚類の凍結精子作成方法の比較という点でも参考になると考えております。
日程
2022年10月11日 (火) ~ 12日 (水)
場所
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター七飯淡水実験所
〒 041-1105 北海道亀田郡七飯町桜町2丁目9−1
TEL : 0138-65-2344
実習内容
〇サケ科魚類(10月11日(火))
・サケ科魚類精子の CASA による運動性測定
・サケ科魚類精子の凍結保存
・サケ科魚類からの採卵と凍結精子を用いた人工授精
〇メダカ(10月12日(水))
・メダカ精子凍結保存液の調整と凍結精子作成用機器類のセットアップ
・メダカの解剖と精巣の単離
・メダカ精子の凍結保存
・メダカ凍結精子の解凍と運動性の確認
対象者
国内の大学・研究機関・民間企業に所属する研究者・技術者・学生
申込
申込締切:2022年9月1日(木)(申込締切を延長いたしました)
募集定員:10名程度
申込はこちら
*応募者多数の場合、選考となります。受講の可否は9月初旬頃にメールにてお知らせします
新型コロナウイルス感染症対策
講習会にご参加いただく場合、以下2点についてご協力ください。
1.新型コロナワクチン3回接種
2.講習会1日目の朝の抗原検査で陰性であること
*抗原検査キットをご希望の方には講習会事務局で準備し、事前に送付させていただきます
*抗原検査キット等での陰性結果については、当日写真等で確認させていただく場合があります。
講習会当日は以下の点にご留意いただきますようお願いいたします。
〇感染予防のため、マスクの着用をお願いします。
〇発熱(37.5度以上)、咳などの風邪症状、倦怠感、息苦しさのいずれかの症状がある方は、
当日の参加を控えていただくようお願いいたします。
〇当日体調不良のために欠席される方は IBBPセンター技術講習会事務局(workshop(at)nibb.ac.jp もしくは 0564-59-5931)まで
ご連絡ください。
※(at)を@に替えてください
〇万が一、参加中に体調がすぐれなくなった方は、講師 または IBBPセンター技術講習会事務局スタッフにお伝えください。
受講料
無料(旅費・宿泊費の補助はありません)
講習会1日目終了後に交流会を函館市内で行うことを検討しています。
交流会参加費は4,000円程度の予定です。
交流会への参加については申し込みの際にご連絡ください。
その他
〇持ち物
・濡れても良い服装(レインコートなど)
・濡れても良い履物(長靴など)
サクラマスの採卵、採精時に着用します。
〇宿泊について
函館市内の宿泊施設を各自で予約してください。
アクセス
JR函館本線七飯駅と七飯淡水実験所間の移動方法については、後日、参加者に連絡いたします。
オーガナイザー
山羽 悦郎(北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター)
藤本 貴史(北海道大学 大学院水産科学研究院)
成瀬 清 (自然科学研究機構 基礎生物学研究所 IBBPセンター)
主催
自然科学研究機構 基礎生物学研究所 IBBPセンター(大学連携バイオバックアッププロジェクト)
共催
北海道大学 大学院水産科学研究院
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター七飯淡水実験所
NBRP メダカ
お問合せ先
IBBPセンター技術講習会事務局
e-mail : workshop(at)nibb.ac.jp ※(at)を@に替えてください
TEL : 0564-59-5931