当室では、共同利用・共同研究拠点の活動としてNGSを使用した様々な研究支援、受託解析サービスの提供をしております。主な提供メニューや解析条件は下記を参照下さい。解析に用いるライブラリ調製用試薬は、お預かりしたサンプルの品質、解析目的に応じて選択、ご提案させて頂きますので、記載のキット名はご参考程度とお考え下さい。また解析費用は、解析サンプル数、使用する試薬やシーケンサー、データ量などの解析条件によって変わりますので、参考価格としてご検討下さい。
ご不明な点は、お問い合わせフォームより、お問い合わせ頂くことを強くお勧め致します。
解析メニュー
RNA-Seq
RNA-Seqは、mRNAを対象として主に群間の遺伝子の発現差の解析に適した条件で行います。ライブラリインサート長に基づいた適切なリード長(100bp)でシーケンスを行います。RNAのクオリティチェックからシーケンスraw data(fastq)まで、もしくはご要望に応じて、データの解析までサポートさせて頂きます。解析結果に関するご質問や論文投稿時のGEO登録までトータルでサポートさせて頂く金額が含まれております。また生物種は問いませんが、モデル生物以外の場合は予めお問い合わせ頂くようお願い致します。ライブラリ調製は主にイルミナ社のTruSeq stranded mRNA Library Prepで行っており18000円(25000円)~となります。データ量や解析条件、同時に解析するサンプル数によって変わりますので、随時お問い合わせ下さい。
Whole Exome Sequencing(WES)
WES(Whole Exome Sequencing)は、ヒトもしくはマウスを対象として全Exonをキャプチャし、シーケンス致します。DNAの断片化、ライブラリ化、プローブによるキャプチャを行い、シーケンス致します。プローブは、Agilent社のSureSelect V6やTwist社のExome2.0などを使用します。シーケンスデータ量は、Germline解析目的の場合に約6Gbを想定しており、30000円(35000円)~となります。シーケンサーは、原則イルミナ社のNovaSeq 6000もしくはNovaSeq X Plusにて実施致します。各ライブラリ調製キットの標準プロトコル通りのライブラリ化をした場合、そのインサート長は約200bpほどになるため、150bpペアエンドシーケンスを行うと重複リードばかりになり実質的なデータ量は減りますので、当室では100bpペアエンドシーケンス換算で6Gbのデータ量と設定させて頂いております。Somatic解析用のデータ量追加オプション、パネルのカスタマイズ(ミトコンドリア遺伝子の追加、阪大がんパネル、カスタム遺伝子パネル)、ctDNA、データ解析など対応致します。データ量や解析条件、同時に解析するサンプル数によって変わりますので、随時お問い合わせ下さい。
Metagenome analysis
当室では、細菌叢解析として、16S rRNAを標的にしたアンプリコン解析(16Sメタゲノム解析)とメタゲノムショットガン解析をご提供しております。16Sメタゲノム解析では、16S rRNAのV1-V2領域を標的としたPCR増幅、ライブラリ化を行い、250bpペアエンドシーケンスを実施致します。詳しい方法は、当室でカスタマイズした手法を公開しておりますのでご確認下さい。費用は、3600円(5000円)です。未抽出検体でご提出される場合はDNA抽出費用として、1350円(3000円)をご負担頂いております。メタゲノムショットガン解析では、DNA量が十分にある場合はPCRフリーでのライブラリ化を行い、DNA量が少ない場合はPCR増幅を行った上でシーケンス致します。基本は150bpペアエンドシーケンス、約3000万ペアリードのデータ量取得を致します。ご研究目的に応じてリード数は変更いただければと思います。10検体を解析される場合の参考価格は、174,000円~となります。真菌叢解析にも対応しております。真菌ITS1領域を対象としたアンプリコン解析を行います。こちらは300bpペアエンドシーケンスにて実施致します。解析費用は、3600円(5000円)です。アンプリコン解析については、ご要望に応じてQIIME2を用いたデータ解析を実施させて頂いております。メタゲノムショットガン解析のデータ解析は、受託解析としてはご提供出来ておりません。
Whole Genome sequencing(WGS)
当室では、あらゆる生物を対象に全ゲノム解析のサービスをご提供しております。例えば、細菌の完全長ゲノムを構築する場合は、Oxford Nanopore社のMinIONもしくはPromethIONを使用したロングリードとイルミナ社のシーケンサーを用いたショートリードを取得し、ゲノムのセンブリおよびエラー修正ができるように対応させて頂いております。例えば10株の細菌ゲノムを解析する場合の参考価格は、34,900円(49,800円)/サンプルです。アセンブリ、遺伝子アノテーションが必要な場合は、別途ご相談下さい。その他、ウイルスゲノム解析、真菌ゲノム解析や哺乳動物の解析にも対応しております。ヒトゲノム解析では、illumina DNA PCR free Library Prep Kitを用いてライブラリ化し、イルミナ社のNovaSeq X Plusで150bpペアエンドシーケンス(約90Gb)を実施致します。プロジェクト解析などで多数の検体をご依頼頂くような場合、37,500円(50,300円)~となります。衛生検査所登録がされ、SOPに従って実験、作業管理を行っておりますので、ご安心してご利用ください。ヒトゲノムのデータ解析には対応できておりませんので、fastqでの納品となります。
Singlecell RNA analysis (10x Genomics Chromium, BD Rhapsody)
当室では、10x Genomics社のChromium X(以下、10x)やBD社のRhapsody(以下、Rhapsody)を用いたシングルセル遺伝子発現解析をご提供しております。10xでは、5'末端解析、3'末端解析に加え、Flexなどあらゆるアプリケーションに対応しております。また、T細胞やB細胞のレパトア解析、表面発現タンパク質の解析(CITE-Seq)、複数のサンプルを混ぜて実施する(hashtag)にも対応しています。細胞準備のコンサルテーションから一次解析までを対応させて頂いております。たとえば、Flexを用いて4サンプルを同時に解析する場合は、サンプルあたり241,000円(302,500円)~となります。サンプルあたりの解析細胞数、細胞あたりのリード数、使用するシーケンサー、データ解析(cellranger)の有無によって変わってまいりますので、予めお問い合わせフォームよりご連絡下さいますようお願い致します。年間の解析サンプル数は約1,000ほどであり、様々な細胞種、組織に対応して参りましたので、安心してご相談ください。Rhapsodyを用いた解析ではWTA、パネル解析が実施できます。
Spatial Transcriptome analysis (Visium, VisiumHD)
当室では、10x Genomics社のVisium、VisiumHDの解析を実施させて頂いております。VisiumではCytAssistを用いて実験を行っておりますが、凍結およびFFPEの双方に対応し、6.5mm角、11mm角のどちらの対応も可能です。またブロックでお預かりして薄切、H&E染色を行い、解析対象領域をご相談して決めさせていただくことも可能です。FFPE切片をご準備頂き、Visiumを実施する場合、2領域(6.5mm角)/スライド単位でのご依頼となります。価格は、365,000円(430,000円)~となります。領域に占める組織の割合(スポット数)、スポットあたりのリード数、使用するシーケンサー、データ解析(spaceranger)の有無によって変わってまいりますので、予めお問い合わせフォームよりご連絡下さいますようお願い致します。
Sequencing (NovaSeq X Plus, DNBSEQ-G400RS, MiSeq)
当室では、調製済みライブラリのシーケンス受託解析を行っております。イルミナ社のライブラリ構造にあわせてライブラリ化頂き、サンプルを区別するためのバーコード(Index)配列は、unique-dual Indexをお願いしております。例えば、NovaSeq X Plusの10Bフローセル、1レーンのシーケンスをご利用される場合、250,000円(300,000円)でございます。ライブラリをお預かり後の納期は約2週間です。また、10x Genomics社のシングルセルライブラリのシーケンスの場合、例えば2億ペアリードをDNBSEQでシーケンスさせて頂く場合は、40,000円(60,000円)となります。
( )内の価格は微研、IFReC、医学系研究科やその他、連携機関以外の税別価格です
当室は、微生物病研究所、免疫学フロンティア研究センター、医学系研究科などの大阪大学の複数の部局によって運営、維持管理されており、運営部局の解析費用は、消耗品(キット、プラスチック消耗品、シーケンス試薬など)のみ、それ以外の機関は消耗品に加えて必要経費(人件費、機器保守費用など)をご請求させて頂いております。
価格は事前予告なく変更されることがあります。ご依頼の際は、必ずお問い合わせフォームよりご確認下さいますようお願い致します。