山口大学

入試対策アドバイス

大プレテスト 解答解説集より抜粋」

英語

山口大学の英語は大問3題構成となっています。大問Ⅰ・Ⅱは長文読解能力を見る問題、大問Ⅲ‐1は会話文、Ⅲ‐2は指定された内容を英語で表現する問題となっています。


共通テストの英語と比べると、山口大学の内容はやや難易度が上がり、論理構成のある英文や主人公の心の動きを追った英文なので、ある程度の読解力が要求されます。また大問Ⅲ‐1・2については英語の発信力と文構成力が求められています。


読解能力の向上に向けて学習する上で、日本語と英語の文章構造の違いを意識して英文を読む事が大切です。これは説明文・論述文などの構成にも通じます。英語はまず一番言いたいこと、結論がまず最初に来て、次に(その理由は・・・、例えば・・・)それを補足するものが続きます。これが段落ごとに重ねられていくので、極端な話、段落の最初の文だけを繋いでいけば全体の要旨となります。


発信力・文構成力については語彙を増やすことも大切ですが、いわゆる「語順、並び替え」問題で文章構成の練習をすることも効果的です。難易度の低いものから実践的なものまで数をこなすことや、時間をおいて同じ問題に取り組むことが大切です。

数学

理系数学α

2021年度入試の問題構成は1⃣は整数(数A) と数列(数B)、2⃣は二次関数(数Ⅰ)と微分法(数Ⅱ)、3⃣は図形と方程式(数Ⅱ)と積分法(数Ⅲ)、4⃣・5⃣は選択問題で、4⃣は微分法(数Ⅲ)、5⃣は微分法・積分法(数Ⅲ)でした。

2021年度の山口大学入試の出題のねらいは、図をしっかりと描いて考える力と根気強く考えていくことを見ることだったと思われます。150分という長い試験時間です。易しい問題については満点を取れるように十分に時間を割いて解くようにしょう


理系数学β

2021年度入試の問題構成は1⃣は整数(数A) と数列(数B)、2⃣は確率(数A)、3⃣は微分法(数Ⅲ)、4⃣・5⃣は選択問題で、4⃣は微分法(数Ⅲ)、5⃣は積分法(数Ⅲ)でした。

数学の答案では、答えのみならず答えに至る説明を採点者は見ています。自分の中では当たり前だと思うことも答案上でしっかりと書きましょう。


文系数学

2021年度入試は、従来のものとあまり変化はありませんでしたがこれからは変化していく可能性があります。教科書に載っているような典型的な問題の解法だけではなく、実際の事柄と結びつけた問題の出題も見られるかもしれません。しかしながら受験生の学習内容が変わるわけではありません。これまでと同様に教科書に載っている公式や定理の意味をしっかりと理解することが大切なことです。「しっかりと理解する」ことが応用へと結びつきます。単に「覚える」から「理解する」を意識した学習を行いましょう。

現代文

山口大学の現代文は一問で、毎年評論や評論に近いエッセーが出題されます。評論の場合、ジャンルは文化論、社会論など様々です。


比較的平易な文章で、分量は3000字前後のことが多いですが、2019年度のように4700字と長い文章が出題されたことがあります。まずは全体を短時間で読み通すスピードが求められていると言えるでしょう。


記述問題の傾向は、年度によってかなり異なっています。ここ数年の傾向から数十字~150字程度の記述問題は、何題かは出題されると考え、設問内容、また字数に応じた文章のまとめ方が迅速で正確にできるように練習しましょう。また抜き出し問題、選択問題、正誤問題などが出題されることもあります。受験生には問題文の全体を正しくとらえる読解力が求められています。

古文

山口大学の古文は以下の4点となります。


1.問題文が比較的長く、九州山口地区の中では記述問題が本格的です。「説明せよ」という問題が2題か3題は出題されます。

2.出典については、ジャンルの偏りがなく多様なので幅広い読解力を養うことが大切です。ただし物語からの出題が比較的多く、特に数年に一度は『源氏物語』が出題されています。

3.語彙力求める問題が出題されます。古文単語帳を徹底的に覚えみましょう。

4.文法問題が毎年出題されます。識別、助動詞の意味用法、重要な助詞、敬語を中心に学習しましょう。


受験生で得点に差が大きくつく場所は記述問題です。文章はほぼ読めているのになかなか発見できない受験生は、「書くべき内容」と「書かなくても良い内容」の区別ができていないことが多いです。繰り返し添削をしてもらうことで自分の減点されがちな癖が見えてきます。積極的に添削をお願いするようにしましょう。

漢文

山口大学の漢文の出題は多岐にわたり、文字数は200字程度です。本文はとりわけ難解なものはなく、主題が明確なものが多いので、基本的な漢文の知識と、多くの長文を読む練習を積めば十分に対応ができます。


設問の形式は小問が5~6題。漢字の読み、返り点を施す問題が毎年出題され、他は現代語訳、内容説明、書き下しなどで、記述が基本となります。現代語訳と内容説明の記述はほぼ毎年出題されています。山口大学の内容説明では、ただの要約ではなく、本文の主題を中心に据えて、しかも設問の意図をくみ取った解答が要求されます。添削を通じて記述力を磨きましょう。

物理

山口大学の物理は、2021年度入試において大問5問の構成となりました。内訳は力学・熱力学・波動・電気・原子の各分野から1題ずつ出題され、そのうち4問を選択して解答する例年にない形式でした。


出題傾向としては、電磁気分野では交流や電気振動の頻度が高い傾向にあります。どちらも受験生が苦手とするところです。電磁気分野の後半まで計画的にしっかりと学習していくことが重要になります。


問題は比較的オーソドックスなものが多いですが、中には文章が長く、解答数も多く、問題の意図をしっかりと読み取って、問題の誘導に従って行かなければならない設問もあります。対策としては基本となる公式の扱い方の習得と、典型的な問題の演習を繰り返すことです。また、すべての分野からまんべんなく出題されることもあって、苦手な分野があると不利になります。自分の苦手分野を克服して試験に臨みましょう。

化学

山口大学の化学は、例年大問5問の構成です。2021年度はコロナ禍の配慮として、第5問の高分子化合物が有機化合物との選択問題となりました。昨年度の出題は、理論分野(無機分野を含む)が3題、有機分野が1題、高分子化合物が1題(有機分野との選択問題)でした。


理論無機分野

2021年度の第1問は、ただの知識を問う問題ではなくグラフや問題文から読み取って解く問題でした。実験の図を書かせる問題やその反応の理由を説明する問題も出題されました。これはセンター試験が共通テストに変更されたことに起因すると思われます。来年度以降もこの傾向は継続すると予測されます。反応の結果だけではなくその反応が起こる理由を理解しながら学習を進める必要があります。また、いわゆる頻出問題が出題されることも多いです。まずは問題集なので頻出問題をきちんと理解して、無機分野との融合問題にも対応できるようにしましょう。


有機分野

構造式を書く問題が毎年出題されています。化合物の名称だけではなくしっかり構造式まで把握するようにしましょう。


高分子化合物

合成高分子よりも天然高分子からの出題が多いのが特徴です。2021年度はアミノ酸、2020年度は糖類から出題されました。しかし一部は合成高分子化合物からも出題されているので、こちらの分野も対策をしておきましょう。

生物

山口大学の生物は大問5題で構成されています。


問題の難易度

概ね基礎的基本的なものですが、思考力・応用力が問われる問題もかなりあります。


問題の形式

語句の記入、記述・論述など多岐にわたっています。計算問題が出題される場合が多くいので、有効数字の処理方法を含めて計算力を養成しておくことが重要です。また、グラフに関する問題は毎年多く出題されます。


論述問題

2019年度全部で13問あり、文字数指定が4問(文字数合計255文字)、指定がないものが9問した。2020年度は全部で12問あり、文字数指定が7問8文字数合計510字)、文字指定がないものが5問でした。2021年度は全部で12問あり、その全てが文字指定(文字数合計1000字)でした。


生物基礎のあつかい

2019年度に2題、2020年度に大問1題、2021年度に大問1題が出題されていますので、受験勉強において、生物基礎も軽視することはできません。

小論文

小論文は「論文」の一分野となります。そのため、作文との違いを認識した上で記述することが大切です。小論文で求められるのは「客観性」です。作文の様に、個人の経験や思いを羅列した答案では評価は低くなってしまいます。

客観性が高い文章を書くためには、読み手に自分の「考え」を伝える力、つまり説得力が必要になります。そのためには、客観的な知識を幅広く得る必要があります。そして普段から様々なメディアから知識を得ていても、円滑に使えるように知識の整理も必要となります。知識のインプットと共にアウトプットを意識して、社会で話題になった出来事に触れるようにしましょう。しかし知識が十分であっても、それを伝える表現力(日本語力)を磨かなければ、相手に伝わりません。まずは自分自身で客観的に文章を推敲し、第3者からの添削してもらう事で、知識・表現の両方の力を鍛えていきましょう。