長崎大学

入試対策アドバイス

「長大プレテスト 解答解説集より抜粋」

英語

長崎大学の英語の構成は、長文3題と語彙問題、自由英作文で構成されます。


長文問題は、例年解きやすい問題が多いです。例年登場する列挙問題(「二点述べなさい」「三つ抜き出しなさい」)は、2021年度入試でも出題されています。答えの根拠が等位接続詞で並列されているものが含まれているなど、長崎大学の定番問題となっています。また英問英答の問題については、大学のホームページに解答例が掲載されています。こちらを確認すると、主語と動詞が揃った完全文ではないものも含まれています。しかし、基本的には主語・動詞を揃えた英文の形で書けるように練習しましょう。


文法問題は、形容詞・動詞・名詞を中心に副詞や前置詞まで幅広く問われる傾向があります。基本的なことですが、普段の授業や演習問題で目にした語彙や熟語をきちんと習得するようにしましょう。


英作文は、2021年度入試で新形式となり、2つのグラフの読みとり、課題テーマへの意見を2つの理由を含めて述べるものでした。この形式が続くのであれば、テーマは(1)賛否両論がある、もしくはどちらか一理あるといった意見が分かれる(時事)問題となります。そして、(2)データ上から読みとった状況を表現する形式、になるでしょう。対策としては、現代社会の諸問題への関心を持ち、新聞やニュースで自分の意見を持つことです。そしてグラフの特徴を伝える表現力を鍛えることです。論理的な英文を書くためにも、完成したら先生に添削をお願いしましょう。

数学

長崎大学の数学は、 例年10題程度出題され、学部ごとに2~4題の指定があります。情報データ科学部の選択問題として、確率分布と統計的な推測(数学 B) の出題が含まれるのが特色となります。文系と理系ともに、大問一つあたり3~4問からなる小問集合が出題されており、幅広く基礎・基本の学力を問う構成となっています。小問集合を除く大問においては、いずれも4問程度からなる誘導形式です。難問や奇問はなく良問が多いですが、計算量の多い問題が出題されることもあります。


出題分野は、数列・ベクトルや微分法・積分法(数学Ⅱ)からの出題が多いのが特色です。また数学Ⅲからの出題割合が増えており、極限・接線・面積・体積・グラフの出題頻度が高く、複素数平面の出題も見られます。


必要とされる学力を備えるために以下の3つの学習を意識してください。

(1)教科書に書かれている定理・定義を正しく理解・活用できる力を身に付ける学習。

(2)教科書の章末問題レベルの演習・入試過去問などの学習を通して、早く正確な計算力を身に付ける学習。

(3)問題文をじっくり読み、内容を正しく把握した上で、解き進める力を身に付ける学習。

現代文

長崎大学の現代文は、これまでは小説の心情読解問題が多く出題されてきましたが、2021年度入試では評論からの出題となりました。今後は評論の出題が多くなることが予想されます。

評論文の読解は、本文の意味段落を意識し、意味段落と意味段落をつなぐ論理を理解しながら読むことが大切です。また評論文の読解に必要な語彙力は、年々、力が落ちていることが指摘されていますので、辞書をこまめに引く、現代文のキーワード集に取り組むなど地道な努力が必要です。模試や問題集の解答例を参考に、自分の語彙力を増やし、表現力を磨くようにしてください。

古文

長崎大学の古文は、基本的な学習事項を問う問題が多いので、高校の定期テストで問われるような、係り結びや助動詞などの文法事項や単語の意味などをしっかりと定着させて試験に臨みましょう。ただし、出展自体は狂言など高校生に馴染みのない作品や評論など読解が難しいものからの出題や歌論なども多いので、普段から幅広い分野の古文を読解しておくべきです。出典がなじみのないものである場合は、なおさら基本的な知識を問う問題が合否を左右するので、基本知識をしっかり学習してください。また和歌からの出題も多いため、和歌の修辞法や解釈の訓練は普段から取り組みましょう。

漢文

長崎大学の漢文は、基本となる句形をしっかりと理解することが大切です。また傍線部の読み方や内容説明に関する問題は、傍線部だけで判断しないようにしてください。傍線部前後の読みとりはもちろん、文章全体の趣旨を把握した上で答えるようにしましょう。漢文の問題は読み方のヒントが別の個所にあったり、文章に用いられている修辞技法(対句や比喩表現など)から答えを判断をできる事も多いので、文章全体を読み理解するようにしてください。また中国文学史は必須なので『国語便覧』での知識の整理は必要です。

物理

長崎大学の物理は、文字を使った計算問題が多く、選択問題やグラフを解答する出題があります。難易度は、教科書の基本的な公式や関係式を用いて解くことができる問題が多いのが特色です。問題量が多いので、制限時間内で高得点が取れるように、普段から基本的な内容を繰り返して解くことが大切です。出題分野は、過去5年間を振り返ると、原子分野を除けば、類似した内容や連続して出題されている内容もあります。複数年の過去問を解いて問題形式に慣れるようにしましょう。

化学

長崎大学の化学は、2021年度入試で問題構成がやや変更となり、大問4題(必答)+選択問題1題となりました(例年は大問5題構成)。しかし内容的には出題傾向の変更は見られませんでした。基礎的な問題が大半で、計算過程を記す問題や論述問題が出題されるので丁寧な解答作成が必要です。また思考力を問う問題が出題されており、単なる暗記事項だけでは高得点は望めません。基本的事項をしっかりと理解したのち、発展的な問題に取り組んでください。

生物

長崎大学の生物は、ここ数年大問数が変動しており、2021年度は大問4題で構成され、従来の形式の問題が3題と高度な記述式問題が1題となっています。第1~3問については、論述が課されることが多いので、教科書の重要事項を50字程度でまとめる練習が必要です。また生物基礎分野からの出題も例年あるので、学習しておきましょう。2021年度に取り入れられた第4問の形式は、実験結果の図や表が指し示す内容を読み取る力や、新たな仮説を立てて実験を考察する力など、テーマに沿って高い思考力・洞察力が要求される問題でした。このような形式への対策としては、知識の暗記にとどまらず教科書や資料集に記載されている図や表が何を意味しているか考えるなど、普段からアウトプットを意識した学習が必要です。

世界史

長崎大学の世界史は、2021年度入試より導入されました。そのため2021年度入試の結果を基に出題方法が変更される可能性があります。第2~4問にかけて文字数の指定がない論述問題が年代・地域がバランスよく出題されており、設問について簡潔に説明する論述対策が重要になります。必要な語句が含まれているか、簡潔にまとまっているかなど、先生に添削をお願いして、表現力を磨きましょう。

日本史

長崎大学の日本史は、2021年度入試より導入されました。そのため2021年度入試の結果を基に出題方法が変更される可能性があります。第2~4問にかけて文字数の指定がない論述問題が出題されており、設問について簡潔に説明する論述対策が重要になります。また出題されている史料や資料は資料集にもよく掲載されているので、教科書に加えて資料集を見直し、語句を的確に選択し表現できるようにしましょう。

地理

長崎大学の地理は、2021年度入試より導入されました。そのため2021年度入試の結果を基に出題方法が変更される可能性があります。問題の難易度は教科書レベルですが、表や地図、地形図の問題や論述問題の多さを踏まえると、将来地理教員として求められる、分かりやすく表現する力を試されていると思われます。共通テストなどの問題文を自分の言葉で説明する練習をしましょう。

倫理、政治・経済

長崎大学の倫理、政治・経済は、2021年度入試より導入されました。そのため2021年度入試の結果を基に出題方法が変更される可能性があります。初年度となる2021年度入試では政治・経済分野からの出題が多い傾向がありましたが、倫理分野を含めまんべんなく学習しましょう。出題内容は基礎・基本的な知識を問うものばかりでしたので、教科書の索引を手掛かりに、基礎・基本的な用語についての理解を深め、文章で説明する練習を重ねましょう。

批判的・論理的テスト

長崎大学の批判的・論理的テストは、論述の文字数が多いことが特色になります。過去五年の平均で合計2,000字前後の文字数が要求されます。またここ数年の傾向として300~400字でまとめる設問が多く見られます。上記の文字数を150分の制限時間で解くため、時間を要領よく使い書き進める力が必要となります。問いの指示に関した部分を数点の資料から素早く読みとりまとめる力が求められますが、その際資料を制限字数の中でどのように配分していくかを先に考えておく必要があります。資料の配分が偏ったり、資料を断片的に繋げた印象を持たれないように、接続表現などを用いながら、現代文の記述問題同様に、指示された条件を自分で理解したうえで記述する練習を重ねましょう。