協力隊の鈴木です。2024年2月の活動報告になります。
2月の和風月名は「如月」と呼ばれることが多いと思いますが、その他にも様々な呼び名があるのをご存じでしょうか。
仲春、令月、梅見月...そして今月のタイトルにしました「雪解月」があります。読み方は(ゆきげつき)、雪消月とも言います。
読んで字のごとく、雪が解け始める月という意味になり、2月19日頃からは「雨水」となり、雪から雨へ変わっていくとされています。
今シーズンは記録的に雪が少ないこともあり、まさに雪解月でした。
そしてうるう年も重なったこともあり、生きている間に経験することができるかどうかの現象だったと私は思っています。
さて、今月のトピックスは下記3つになります。
年中行事 雪中田植え、ジュネスカップスキー大会、秋田県立博物館にて実務担当者研修会などが行われました。
文化財保護関係での知識習得が一番の収穫であり、地域の歴史や伝統を学ぶ上で避けては通れない部分でした。
このような機会を与えてくれた教育委員会の皆様には感謝しかありません。来月も基礎講習を受ける予定になりますので、全力で取り組んでいきます。
村内で行われている年中行事『雪中田植え』に村の小学校5年生達と参加してきました。
雪中田植えは小正月(旧暦1月15日)に行われる濃厚予祝行事の一つで、雪の上を平らにならし、四隅に朴の木(傍にミズキを立てる事で親子を表すとのこと)を立てて、御幣や藁の下がりなどで飾り付けをした注連縄で囲って田んぼとし、稲作の神様にお膳をお供えし礼拝を行います。そして稲わらと豆柄、ヨシを一束にしたものを植え、籾と大豆を全体にまき散らします。2週間後、植えた稲束がどのくらい倒れているかで豊作あるいは平年作かどうかを占います。またこの年中行事では、菅笠や蓑、わらぐつを履いて行うしきたりがあり、生徒たちも実際に身にまとって雪中田植えを行いました。
その後は農耕予祝のための餅づくりが行われ、餅つきや餅づくり(ホケキョ餅・粟穂餅・繭っこ餅の3種類)で賑わい、最後は全員でつきたてのお餅を頂き、昔がたりを聞きました。
雪中田植えの前日、場所づくりを行うとのことで私も準備を手伝いました。今年は本当に雪が少なく、山間地域から雪を4トンちかく運んでからの作業で、当日まで解けてしまわないかの不安もありました。しかし、当日の天気は雪であり雰囲気は完璧でした。
テレビ局の撮影や湯沢雄勝郡生涯学習奨励員の皆様も参加した行事となったおかげで、終始賑わった時間であり、農耕予祝の本来の形を垣間見れることができたかもしれません。
年間を通して行われる年中行事ですが、雪中田植えが最後となり、また新しい1年が始まります。
旧暦から新暦となり、農業従事者の減少や核家族化などが進み、農耕予祝の文化は日々忘れ去られてしまうのが現状です。定まった日に決まったことをする習慣を何百年と続けていくためにはどうしたらいいのか?この問いに対して私は、『地域に住み続けること』が絶対条件に入るかもしれない...恐らく最も難しい手段になりうる事だと思いますが、伝統性を貫くために行動できることを考えていきたいと思えた1日でした。
ジュネス栗駒スキー場にて、2024年ジュネスカップ スキー大会が開催されました。
2日間の日程で行われた本大会ですが、庶務役員として参加させていただきました。
初めてスキー競技シーンを生で観ることができ、選手たちの滑り降りる速さにとても驚きました。
ウインタースポーツ全盛期に比べると参加人数などは年々減ってきているという声があり、少子高齢化の影響はスポーツ界にも及んでいることを改めて感じた日でもありました。
私自身も球技(バレーボール、バスケットボール)を幼い頃から取り組んでおり、競技や年齢は違えど全力で取り組む選手たちの姿を見て、挑戦していく気持ちに更に刺激が入った気がしました。
本大会を経て、さらに大きな舞台へ向かっていく選手たちの活躍を願っています!
秋田県立博物館にて、秋田県博物館等連絡協議会(略称「秋博協」)と文化財写真技術研究会の共催による実務担当者研修会が行われました。
ふる里館館長の櫻田先生と一緒に参加させていただき、講師は中村一郎先生(奈良文化財研究所 企画調整部写真室)を迎え、博物館等資料の写真及び撮影の基礎知識について、講義方式で学びました。
歴史の教科書、あるいは博物館や美術館などでごくごく当たり前のようにある写真ですが、様々な器具や撮影方法で行われているものということを知り、資料を見る角度がまたひとつ変えることができるようになりました。
光の調整(ライティング)が命であり、つぎにカメラ機能の調整が大切だと中村先生は仰っており、様々なシチュエーションでの撮影方法を実演して頂き、大変勉強になりました。
ふる里館では現在古文書の整理に注力しており、平面状の文化財撮影についてのお話は本当に貴重なものになりました。
スマホ以外のカメラで撮影をする機会があまり無く、ホワイトバランス補正・露光調整・シャッタースピード・ISO感度などの専門用語には最初は苦戦しましたが、研修会を終える頃にはしっかりと頭に入れることができました。
手始めにふる里館にある土器などを相手に写真撮影の練習をしたいと考えているので、これからが楽しみです。
中村先生、秋博協の皆様、本当に充実した時間をありがとうございました!
村の保育園の皆様がふる里館にて飾り付けを行ったひな人形を見学していきました。
それぞれ7段と8段の段飾りのものを用意し、子供たちは興味津々に人形たちを眺めていました。
もちろん館内もご案内しましたが、元気の良さに圧倒されてしまいました。
小さな子供たちの笑顔は本当に嬉しいもので、逆にパワーを貰った一日になりました。