協力隊の鈴木です。12月の活動報告になります。
移住してから初めての「師走」を迎え、まったく違う環境で年の瀬を過ごす事になりました。
大きな壁となるであろう雪について、今年の降り方は例年に比べて緩やかで、積もっても翌日は気温が上がって解けるを繰り返す日々だったため、助かりました。但し、1月・2月はさすがに許してくれないと思われますので、覚悟して臨んでいくつもりです。
さて、今月のトピックスは下記3件になります。
村の年中行事である「大黒様」と「豆腐あぶり」、我がふる里館館長主催による「たんぽ会」への参加、そして岩井川神社の銅板が村の文化財として登録されました。
2023年は村への移住をはじめ、激動の1年になりました。自分のやりたいことのために生きようと考え、それらを実行するためにはどんなことが必要か、様々なことを考えた結果、地域おこし協力隊という制度へ辿り着くことができました。
来年は協力隊として1年を迎える年になるので、毎日の活動に誠意を持って取り組んでいきます。
先月に引き続き、村内で行われている年中行事『大黒様』『豆腐あぶり』に参加してきました。
大黒様とは、御大黒様の年越しに豆料理(豆まま、豆のお汁、豆なますなど)を供える日になります。なぜ豆を供えるのかというと、手足にまめができるほど働きなさい=汗を流して生きなさい、という意味が込められているそうです。そしてもう1つ、二股大根を供えますが、これは以下のお話が元になっています。
大黒様は餅が好きで、ついには食べすぎてお腹を痛くしてしまいました。苦しみながら道を歩いていると、ある娘さんが大根を洗っている所を見つけます。消化に良いとされる大根を分けてほしいと大黒様が娘さんにお願いしたところ、大根が1本でもなくなれば家の主人に叱られてしまうとのこと。すると、大黒様は二股大根を見つけ、この二股になっている小さい方の一本を分けてくれないかとお願いをしました。それなら大丈夫と許しをもらい、その大根を食べたらお腹の具合が良くなったという。
また、この日は御大黒吹雪といって大吹雪になるとされており、大黒様は耳が遠い(耳を叩かれて聞こえない、大きな米俵の奥にいるため聞こえづらい)ため、豆を供える時はマスを小盆で蓋をして、大きく上下に振りながら、大声で「大黒様に、豆あげる!」と唱えます。
大黒様は村の小学校2年生が対象となり、大黒様役の生徒さんを決め、お供えを行い、最後は特製「大黒なます」をみんなで頂きました。
豆腐あぶりについて、12月8日は医者に一年間の薬代を支払う「薬礼日」とされていて、豆腐あぶりのいわれはその年の薬代も払えないくらいに貧乏な状態だったが、来年こそは医者にかからないようにと願いながら「医者のスネに味噌をつける」(医者に恥をかかせる)という意味を込めて、豆腐の田楽を作って食べたことに由来しているとされています。これに対して医者達は、支払いに行った人々に客を寄せるという意味で寄せ豆腐を振舞ったといいます。
つまりは健康を祝う行事になるため、私も自身の健康を祈りながら頂きました。
ちなみに豆腐の準備はふる里館職員にて前日より仕込みを行いました。当日は初めて伝習室の囲炉裏を使うことになり、炭を使っての火起こしは貴重な経験となりました。
また、豆腐あぶりの前座として恒例行事となっているかるた大会が行われ、それぞれキングとクイーンを決める白熱した闘いが繰り広げられました。使用されるかるたは東成瀬村オリジナルの郷土かるたになり、初めて見た私にとっては全て興味深いカードでした。
生徒たちは汗を流しながらカルタを取り合い、最後はお互いの健闘を称え、無事に終えることができました。
今月は2つの年中行事を体験することができ、改めて古くからの習慣を今この瞬間まで伝え続けていく大変さとその意義を感じ取ることができました。伝統的な習慣や作法を次の世代へ引き継ぐために、もっと学びを深めていこうと思います。
ふる里館館長主催による「たんぽ会」が開かれました。
お米、具材、たんぽをつくる串まで全てほぼ館長が用意して頂いた会になりましたので、改めてお礼申し上げます。
きりたんぽ鍋、というと秋田県民にとっては冬の定番料理ですが、近年では秋田を代表するご当地料理として知名度が上がっているような気がします。
今回はふる里館の伝習室にある囲炉裏を使用して、本格的なたんぽ鍋を作るという目的で行われました。
もちろんたんぽはお米を炊いてすりつぶす所からのスタートになり、久しぶりのたんぽ作りになりました。鍋は館長愛用の大きな鉄鍋になり、囲炉裏の真ん中で炭火で火をおこし、じっくりと待つ時間すら楽しいものでした。
村の小学校で実際に使われていた七輪も使用して鍋を作りましたが、風を入れて炭を燃やす作業はやっぱり大変でした。ですが、七輪という存在は今でもBBQやキャンプなどで使用されるものであり、何百年と受け継がれていく道具の一つなんだなと感慨深い気持ちにもなりました。
全員で力を合わせてつくった鍋は今まで食べた中で一番美味しいものでした。追加で味噌たんぽも作り、こちらも残す事なく全て完食しました。
囲炉裏を囲みながら皆で食べる、今ではなかなか体験できない事ですが、様式がストーブとテーブルあるいはこたつに変わっただけで、家族や友人恋人同士で顔を合わせながら食べるご飯は美味しい、これに関しては古来から変わらないものなのかもしれません。
東成瀬村は岩井川地区に構える岩井川神社より、地域の皆様が大切に保管してきた銅板『大悲慈眼堂之記 』が今年ついに有形文化財として登録されました。
8月にて岩井川地区より申請以来があり、9月、11月と文化財保護審議委員会が開催され、委員の皆様から答申などが行われ、今月27日付で村指定有形文化財として登録に至りました。
頂いた指定書のプリントを見て、記念に写真を撮ったのでここに残しておくことにしました。ただの紙の指定書だと思いますが、文化財保護業務を目的に着任した私にとっては、記念すべき一枚になります。ちなみに、役場HPとふる里館HPにて告知していますので是非ご覧になってください。
銅板は現在ふる里館内で最もセキュリティのある場所で管理を行っています。もちろん見学可能になりますので、お気軽にお問い合わせください。
今後も指定候補物件を審議し、有形無形に分けて文化財登録を行っていく予定ですが、どうしても管理面での問題が浮かんでいます。
設備の管理運営あるいは投資も含めて、未来へ残していくためにどうしたらいいのか。地域の皆様と協力しながら、問題解決を行っていきます。
今年から加入したなるせ仙人太鼓について、年内最後の練習・演奏が行われました。
35周年記念事業以降は新メンバーの皆さんとの練習がメインでしたが、久々に集結して演奏ができました。
全員で同じ目標に向かって取り組む、太鼓に携わってきたこの1年で最も身につけられた力であり、生涯の財産にもなっています。
演奏後はこれまでお世話になった太鼓の道具達へ、二礼二拍手一礼で感謝の気持ちを伝えて締めとなりました。
来年は3月に芸文祭が控えているので、日々の練習をまずは楽しみながら取り組んで行きたいです。