台風は近畿にそれほど影響を残しませんでしたが、蒸し暑い空気を残していきました。「先生、今日は蒸し暑ねぇ。」と声をかけてくれる子どもたちが朝からたくさんいました。
今日は朝からGIGAスクール構想用の児童用のChromebookが納品されました。500台を超す機器が運び込まれ、箱を開けるだけでもたくさんの人出と時間を要しました。その後、業者の方が1台1台設定と動作確認をしてくださいました。9時から始まった作業が終わったのはほぼ16時30分頃のことでした。これは家と学校の両方で使うことが想定されています。貸し出しの方法について詳細を考えているところですので、子どもたちの手に渡るのはもう少し先になると思います。ノートPCスタイル、テントスタイル、タブレットスタイルと使い方によってさまざまに形を変えます。音声入力も充実しており、低学年でも使えそうです。ログインのことやパスワードのことなどまたお尋ねしますのでご協力お願いします。また、ランドセルに入れて持ち運びするため、その方法についても検討中です。
今日は5年2組の参観です。国語の学習を見せていただきました。新聞の記事の読み比べをしていたということですが、それはちょっと置いといて今日は「敬語」の学習の第1時間目です。月曜の1時間目の授業ということで、まずは声を出すところからと詩の音読を準備運動として聞かせてもらいました。北原白秋作「からたちのはな」です。繰り返しのリズムや音が多い作品で表現とリズム感をどう声で表すのかという詩でした。前の学習で実際にカラタチの花や実を見せていただいたようで子どもたちにはイメージが広がっていました。今日の課題は「からたちのはながさいたよ」の「よ」の音をどう読むのかを考えました。子どもたちの意見で「語りかけるように読む。」という目当てが決まりました。前回は99点で声をそろえて、もう少し声を出して…があと1点のポイントだということも併せてスタートです。読み方は「タケノコ読み」自分が読みたい行に来たら立ち上がって読むというもの。これはなかなか難しいです。学級のみんながある程度読み込んでいないとできません。
1回目は少しそろわず、声も小さめだったので再挑戦。2回目はさすがです声もそろってボリュームアップ、先生の評価は99.9点、明日いよいよ仕上げましょうね。と次への課題を示して準備運動の詩の群読は終了です。ここからが今日の学習。まずは先生が日直になって朝の会の司会をして見せます。何か変だなぁと思うところを見つけてくださいとの指示を聞いていよいよ始まります。そして、気づいたことを発表するのに2組ではこんなハンドサインが使われていました。挙手するときに、もう少し考えたいという人はグー、自信がないなぁという人はチョキ、発表したいという人はパーという具合です。これも活動への準備運動です。授業の前半で使われていました。子どもたちは日直が丁寧な言葉を使っていないことやきちんと話していないことに気づきました。この違いをもとに敬語の説明がされました。ここで、先生から再び質問、「では、皆さんは敬語をきちんと使えていますか?」ダメかなぁという子はほんの数人、「手を挙げた子も、えーこんだけぇ。」と驚いていました。多くの子が正しく使えていると思っているようです。
また、発表の前に少し近くの人と密にならないように気を付けて意見交換もされていました。うまく距離を取りながら声のボリュームもばっちりです。慣れているんだなぁと感じました。そして、敬語とは…とノートにまとめていきます。その中で「応じて…」や「敬意」という分かりにくい言葉が出てきましたが、ここも丁寧に考えあってイメージを広げていました。そして、日直の言葉のように大勢の前で話したりするときに使うこういう敬語を「ていねい語」ということを学びます。ほかにどんな場面で使う?という質問にはたくさんの意見が出ました。また、聞いている相手が気持ちよい…という相手意識を持った考えも聞かれました。
ここまで見ていて5年2組もいい学級だなぁと感じました。どの意見や考えも大切にされているからです。だから安心して間違えられる、安心して失敗できるのです。次に敬語の2つ目として「尊敬語」を取り上げました。ここからは具体的な場面での使い方です。場面は、職員室へ行って校長先生がいるか尋ねるというもの。うーん…確かによくある場面です。やってみようと思う人ということで手を挙げて子たちが次々に自分なりの言い方で挑戦します。「校長先生はいますか。」「校長先生はいらっしゃいますか。」「校長先生はいらっしゃってございますか。」こうなってくると教室もにぎやかになります。丁寧だけどなんだか変だなぁ…こういう言葉の感覚が大切です。
たくさん発表した子どもたちはどんどんオリジナリティを出していきます。「すみませんが」と最初のことわる子、「どこにいらっしゃいますか」と自分なりのストーリを持っている子、聞く前に「すこしおじかんいただけますか」と付け加える子、「いらしてますか?」「いますでしょうか?」本当にたくさんの言葉が聞かれました。学校での学びはこうやってドカーンと思考を広げてそこから集約していく活動です。これが大切なのです。「はい、こういう時はこんな風に言うのですよ。」では学べないものなのです。そして、この時間のまとめで先生からとても大切なことが指導されました。子どもたちはあまり意識していなかったでしょうが、きちんと押さえられたのが文法事項です。「です」「ます」をつけて敬語にする以外にも、「いる」が別の言い方に変わることがあるということと、「いる」の敬語表現は「いらっしゃいます」という子どもたちに、元の言葉は「います」ではないのだから…「いらっしゃる」とするのですと。これはテストなんかでよくある間違い方です。こうやって学習の中で文法事項も意識していくことが実は身に着けるためにとても重要なことなのです。