彼岸花も咲いて一気に秋らしくなりました。今日の6年生は図工で墨絵に挑戦していました。鳥獣戯画や柳の木、魚などうまく墨の濃淡を生かして表現を楽しんでいました。
今日は2年生1組の学習の様子を参観させてもらいました。教科は算数でした。
あいさつの後、まずノート配りです。後ろに集めてあったノートをボランティアの子どもたちが配ってくれるのですが、こんなにたくさんの子どもたちでどうするのかなとみていると、子どもたちも並んでいる人数を見て、たくさん配りたいところを我慢して少しずつ取って行って配ります。残りの人数を見ながら自分は何冊くらい配ろうかなぁと見当をつけている姿に、すでに算数の学力が見えて気がしました。こういうことって大切ですよね。学年が上がってくるとこの体験が割り算につながっていくのです。その後、今日の課題プリントが4枚配られます。配られたプリントはノートに1枚ずつ丁寧に貼っていきます。いつもの学習スタイルなのでしょうね、とってもスムーズで丁寧です。そして何より感心したのは、早くできてもみんなが終わるまで静かに落ち着いて待っていることです。また、その待っている姿勢もとてもよくできていました。こういうことが学習規律、学級での習慣づけです。そして、今日の課題の問題を全員で声をそろえて読んでいきます。よくそろった大きな声で読んでいました。
今日は大きな数の足し算が課題でした。327+68をひっ算で計算していきます。まず文章題を読んでこの問題は何算で計算できるかな?それがわかる言葉はどれかな?と、ほかの学年でも同じような質問がありましたが、きちんとこうやって思考を育てる学びが続いているのです。「合わせて」をキーワードとして確認して、式を書き、ひっ算で計算していきます。この時感心したのがほとんどの子どもたちがきちんと定規で横線を引いていることです。前にも書きましたが、学力の基礎になる力です。そして、ここでも早く終わった子の待つ姿が素晴らしかったです。「できた~」とか声を出さずに、静かに鉛筆から手を放してじっと座って待つのです。先生はこの間子どもたちの机の間を回って、子どもたちに個別の声掛けをしていきます。「先週まで引き算をしていたから気を付けましょう。」と全体に指示、確かに引き算をしている子がいました。なるほどそういうわけだったのですね。そして、「こういう間違い方はよくあるからね。」とさりげなくアドバイスもされていました。そして、できた人に発表してもらいましょう!ではなく、「では、みんなで一緒に考えましょう。」と計算方法の確認にはいっていきます。こういう一言がとっても大切です。
先生が黒板に書きながら計算を確認していきます。ここでいいなぁと思ったのは、正解をすらすら書いていかずに、具体的な間違い方を示しながら子どもたちに考えさせるところです。そして、ここで確認された位をそろえることや繰り上がった数をどの位に加えるのかなどをしっかりと確認されました。そして、次の文章題へ。でも、授業も半分くらい進んできたので少し息抜きのお話が入ります。「教科書は今年変わったんだよ。」子どもたちもえっという感じでまた話に集中します。次の問題が夏のオリンピックで142個の金メダル、冬のオリンピックで14個の金メダル、合わせて日本の獲得した金メダルの数は?という問題だったからです。今年がオリンピックイヤーであったこと、オリンピックに夏と冬があることなど算数から少し離れた思考を入れることで頭がリフレッシュされるのが見ていてよくわかりました。ここからは前の問題とほぼ同じなので飽きさせないためにも効果的だと感じました。そして、前の問題でやったとの同じように何算かわかるキーワードを見つけて、式を書き、ひっ算で計算していきます。今度はどの子もすらすら取り組んでいきます。机を回ってみていっても間違えている子はほとんどいません。
子どもたちが大体できているのを確認した先生は、ここで一つ仕掛けます。わざと位をそろえるのを間違えてひっ算を書いていきます。子どもたちからは「なんか違う。」「先生!位そろえて!」と声がかかります。先生は「あっ先生間違えてた?ごめんごめん。」と言いながら今度は引き算をしてしまいます。「えーちがーう。それ引き算。」とまた子どもたちから声。子どもたちはもう全員が黒板に集中しています。すごい目で見ています。こんな風にして、今日の計算のポイントであったことを確認しながら学習は進んでいきました。
そして、最後は習熟問題です。全部で10問ほどありましたが、誰一人やる気をなくさず間違えないようにしようという雰囲気で取り組み始めます。先生からも「足し算と引き算が混じっているから気をつけようね。」とだけ指示が入ります。そして、答え合わせ。最初の何問かは今日のポイントを押さえながら進めていきます。後半はちょっと自信のなさそうな子も指名して「間違っているかもしれないし…。」という子に、「間違っていてもいいんじゃない。」と先生。そう言われて「それじゃぁ。」と発表してくれます。こういうのも大切です。全員が正解を言うだけならな先生もいらないし、一緒に学ぶ意味もないですもんね。ちょっとした言葉で先生のそんな思いが伝わっていきます。こうやって伝わっていくことが2年1組の学習習慣や学習規律を作っているのだということがよくわかりました。補助数字を書いておくことや今日のポイントを整理してこの時間は終了。日直があいさつの後さっと出てきて、とても上手な黒板けしの使い方をしていたのにも感心しました。