神無月…彼岸花…ススキ…そして、今夜はお月見です。給食でお団子を楽しみにしていた子もあったのですが、残念ながら今年はお団子はつきませんでした。とても残念そうにしている子供たちが多かったです。そんな秋の気持ちの良い空気の中、中庭では、6年生が家庭科でお洗濯の学習。洗濯石鹸や洗剤、歯ブラシや洗濯板など様々なものを使い分けて、体験というよりもしっかり学習していました。
体育館では5年生が跳び箱の学習です。自分が跳んでいる様子をクロームブックで撮影しながら学習していました。運動場では1年生が玉入れの練習。声をそろえて数えるのがなかなか難しいようでしたが力を合わせて取り組んでいました。休み時間には2年生の生活科の学習で作ったおもちゃランドのおもちゃを1年生の教室に出張おもちゃランドをしているところを見かけました。1年生は楽しそうなのですが、いろいろなことを教えたり、助けたりしている2年生もとても楽しそうでした。やっぱり学校っていいなぁと思いました。
さて、今日は2年3組の算数の学習を参観させてもらいました。今日は図形の学習です。最初に前の時間に学習した三角形、四角形、頂点、辺などのを確認していきました。たくさん手が上がる様子を見ているとしっかり言葉を学習できたようです。振り返りの最後に教科書に書かれた部分をみんなで読んで確認完了。
そして、今日の課題は「昨日はクロームブックで図形の学習をしたけれど、今日は本物に触れていってもらおうと思います。」ということで、理解の学習よりも思考の学習を行うということです。最初に三角形の紙が一人1枚配られます。これを見たとたん「あっサンドイッチや。」という声があちこちから聞こえてきます。この反応いいです。まさに1年生の算数の学習では形を何かに見立てたり、組み合わせて構成したりという学習ですからこの反応はまさに理想的。ここから2年生の算数、つまり「形」(三角)から「図形」(三角形)へと抽象的な思考に進んでいきます。先生から示された課題は、「この三角形を1本の直線で切ってみるとどうなるか調べてみましょう。」というもの。早くやりたくて仕方がない子どもたちはさっとはさみを手にします。ここで先生から、直線で切るのだから…と、定規を使うよう指示が入ります。最初から「入定規で線を引いて…」ではなく、まずやってみようと思わせる、やってみさせる…そこから学習に沿ってより良い方法を見つけて取り組む、こういう流れが大切なのです。
まず初めに確認したは、2つに分かれていますね、ということです。ここができていないと切り方が違っているということなのでまずは確認。この後は、「では、みんなの机を回って、自分が切ってできたものと仲間だと思うものを探してみましょう。」という指示を受けて子どもたちは動き始めます。ただし…動き始める前に今年ならではの声掛けがあります。「ちゃんとマスクをつけて動きましょう。」「仲間探し」ということで、切ってできた2つの形(図形)をどんな要素としてみていくのかがカギになります。一通りこの活動が終わって、ではだれか自分がどう切ってできたのかを教えてくださいということで、実物を示しながら、先生のPCを使って切った線を書き込んで説明します。これは分かりやすいです。大きな画面で、切った直線が太い赤線で示されます。そして、自分がこの仲間だと思う人は上にあげて見せてくださいということで子どもたちが見せます。ここでも単に見せるだけではなく、先生は一人一人のあげているものを見てあっているかを確認しています。〇つけと同じですね。そして、ほかの仲間と思う人…と次の発表へと続いていきます。子どもたちが見つけた仲間は、三角形と三角形になる仲間、三角形と四角形になる仲間の2つです。
ここからがポイント。自分のはまだ違う仲間だと発表してくれる子が出てきます。つまり、同じ三角形と四角形に分かれているものでも、切り方が違うことで形の違う三角や四角になっているというのです。今日の学習は実はここが狙いです。形は違っても頂点が3つあって、3本の辺で囲まれた図形はどれも三角形ととらえることです。形や切り方ではなく、数学的な視点で図形の要素をとらえていくことです。最初の振り返りで確認したことがここで生きてきます。ここで間違えたり少し混乱した子はやがてすっきりしていきます。学びが成立した瞬間です。そして、今度は四角形でもやってみましょうと次の課題が示されます。でも、今度はもう子供たちも形の見立てはしません。頭の中でどう切ったらどうなるのかなぁと考え始めているのがよくわかりました。そう思っていると先生からも「今度はさっきのことを思い出して、考えてから切ってみましょう。」と声がかかります。子どもたちはさっと切り始めたり、四角形の紙をじっと眺めたり、定規をいろいろ当ててみたりと様々な反応をしています。そして、切り終わった子はさっと周りを見て、友達のできた形と自然と見比べ始めました。
そして、再び仲間探し、でも今度は自分と違う仲間も見つけながら回るよう声がかかります。見て回っている子どもたちからは、「三角形」「四角形」などのつぶやきが聞こえてきます。前の学習がきちんと生かされています。そして、発表タイム。最初に出てきたのが三角形と四角形で、後で人数を調べると12人とやっぱり一番たくさんの子が切った方法でした。次に四角形と四角形を発表してくれました。これも6人とやや多い人数です。そして、三角形と三角形で3人でしたが、対角線できる方法ですがこれは後での発展学習に生きてきます。ここで一段落した雰囲気になりましたが、「まだあるかな?」と先生が聞くと「えーもうないよ。」というつぶやきが聞こえてきます。保護者の方もどうでしょうか。そこで手を挙げて発表してくれたのが、三角形と五角形でした。新しい形が出てきたことともうないと思っていたのにまだあったということに「あっ!」という声や「お~」という声が上がりました。これは4人の子どもが見つけていました。そして、この流れに勇気を得たのか「まだある。」と発表してくれる子がいました。実際には三角形の学習でも出てきた形が違うというものでしたが、ここで自分の考えに自信をもってこだわり(このこだわりは学習では大切な力です)、勇気を出して発表してくれた子がいたので、この時間の大切なポイントを再確認できました。
そして、今日のまとめになります。先生は「はい、手には何も持ちません。」と指示をすることで、子どもたちに注目させます。さっと姿勢を正す子もいます。少し時間が残ったので、「ちょっと難しいけれど…。」前にも書きましたが子どもたちのモチベーションをあげる最高のキーワードです。前に貼られたものを見て何か気が付くことはありますか?と、さらに規則性に目を向けられるような質問がされました。真剣な表情で考えています。教室がシーンとなります。静かになっているこの瞬間こそが子どもたちの思考が一番働いている瞬間なのです。子どもたちからはこんな意見がだされました。「三角形でも四角形でも、切ったら元と違う形ができる」この「でも」がいいのです。一般化しようとしています。次の意見もすごかったです。それは、「〇角形なら〇より1大きい数の形ができる」みんなにはなかなかわかりにくいようだったので、「今のが分かった子?」と問いかけ、ほかの子にも説明をしてもらいます。2年生にしてはかなり難しいことに気が付いていきました。ここで、PCを使って切り離す線を動かしていきながら、どうすればどんな形が切れるのかを示していくと子どもたちからも「おーすごーい。」という声が上がりました。最後に、先生から頂点という言葉を使ってもう少し発展的な思考を促す言葉かけがありました。今日初めて出てきた五角形の頂点同士を結ぶと三角形が出きるね。でもまだ頂点があるからそこも結んでみるともう一つ三角形ができました。面白いね…で終わるのですが、数や図形に興味のある子は楽しんで聞いていました。これは高学年の多角形の内角の和の学習にもつながっていくものです。私も子どもたちと一緒に考える楽しい学習でした。