先生たちも子どもたちと同じように朝の会(打ち合わせ)をしています。今朝は「大学入試共通テスト」について話しました。出題傾向が変わってきたこと。特に文書量や資料が多く出されており、言われていたように読解力や粘り強く取り組む力が必要だと感じました。今年は実施が見送られましたが、6年生の全国学力学習状況調査のB問題(活用問題)に近いものや4年生以上が取り組んでいる「学びなら」に近い問題が出題されているように感じました。どれだけたくさんのことを覚えているのか、どれだけ速く正確にできるのかという学力観から、明らかに変わってきています。都跡小学校の「学び合い学習」が力をつけるポイントになってきています。
今日は4年生の学習を見せてもらいました。学級順ではなくて、見せてもらった順で紹介します。まずは4年2組です。算数の面積の学習をしていました。長方形の面積の求め方をもとにした活用型の問題に取り組んでいました。先生からは答えを尋ねる質問ではなくて、「ここから何がわかる?」「これは何を表している?」「どうしてそう考えられる?」などが子どもたちに問いかけられます。発言する子もついつい単語で「〇〇です。」と答えるとそれに対して論理的に解答させるように追加の質問がされていきます。ここで詰まってしまうと「はい、近くの人と話して。」と先生から指示がすぐに飛びます。子どもたちはそれぞれに自分の言葉で友達に説明しながら思考を整理したり、深めたり、正しく伝わるように工夫したりしています。まさに最初に書いた新しい学力観に向かう学びでした。授業の最後に先生が指さしている問題を急に私が指名されましたが…「わ、わ、わかりません!」と答えてしまうほどややこしい問題です。でも、4年生でも確実に学習したことを活かせばできる問題だというのがすごいところです。授業が終わってからある女の子が、「先生、私は国語が好きで、算数は苦手だったけど、今年になって算数が好きになりました。だって面白いから。」こんなことを話してくれました。
次は4年1組です。1組では道徳で「校歌について考えよう。」という学習をしていました。この内容だから、校長先生、この時間を見に来てくださいとのリクエストにお応えして1組へ行きました。教科書ではある学校を例に挙げて、校歌に込められた様々な思いがあることが示されています。では、私たち都跡小学校の校歌にも思いが込められているのだろうかというのが学習課題です。最初にクロムブックでホームページにある校歌の歌詞を見つけます。そして、先生の指示で「みんなで歌ってみよう。」と伴奏なしで歌が始まります。マスク着用、小さな声で…それでも頭せい発声の美しくて柔らかな歌声が教室に広がりました。そして、ワークシートに自分がいいなぁと思う歌詞とその理由を各自が書いていきました。子どもたちの発見する力は素晴らしかったです。そして、自分の言葉でそれをきちんと書くことができていました。発表が得意な子も、発表が苦手な子も先生に指名されると自分の考えをみんなに伝えることができており、それに先生がコメントをしていきます。
子どもたちが話しあっていくうちに1番の歌詞「咲く花の匂う 都跡の 学ぶ子ら 桜かざして 白い靴 赤い靴 足音高く…」が新入生が桜の花が咲いている中で入学してくる元気な様子のようだ…との解釈も出てきました。すごいなぁと感心しました。そう思うと1番は1年生、2番は2~5年生、3番は未来へ、世界へ羽ばたく6年生というようにも読み取れます。最後に私がお話をする時間を少しいただいたので、校長室にある沿革誌(創立からの学校の歴史が書かれた文書)をもっていき、校歌が作られたころの話をしました。60年前の昭和35年に今の校歌は作られました。作詞者も作曲者も奈良県の教育関係者の方です。作曲された方は県内のたくさんの校歌を作曲されています。そんな話とともにその年の卒業アルバムも特別に見せてあげました。放課後先生から「写真の中に自分のおじいちゃんが写っていたという子がいましたよ。」と教えてもらいました。歴史ある都跡小学校らしい話だなぁと思い案した。楽しい授業を見せていただきました。
4年3組には4時間目と5時間目の2回行かせてもらいました。4時間目は少しだけでしたが1組と同じ道徳の学習でした。最後に少しだけ話をさせてもらいました。3組では校歌の中の季節感をとらえた意見があったり、自然の風景が描かれていることに気がついたりしたようです。私からは1番では「咲く花の匂う」2番は「秋篠の川のせせらぎ」、3番は「差す月の大和国原」というように鼻(におい)、耳(音)、目(光)がえがかれています。このころ都跡小学校の周りは家やお店がたくさんあるのではなく田んぼがいっぱいだったようだということから、自然のにおいや音や光がもっと身近にあったんだろうねという話をしました。5時間目は漢字の小テストです。前日に漢字ノートに書いて学習したものを先生がチェックして、それを見てからテストという流れ。テスト前に1分間の各自勉強の時間がありましたが、「どこが間違いやすいと思う?」など学習のきっかけになる言葉を書けると学習が焦点化されるように感じました。思考力も大切ですが、記憶しないといけないこともあるのは事実。記憶に関する脳は小学校4年生頃がピークです。このころに覚え方を身に着けることもとても大切です。そのためには漠然と繰り返すのではなく、記憶するための視点を持つことがいい方法だと思います。テストが終わったら理科のまとめ新聞づくり。クロムブックと教科書を活用しながら取り組んでいました。もう少し見せてもらいたかったのですが、今日は私もオンラインでの校長会があったので途中で失礼しました。なんでも真剣に、一生懸命、そして楽しく取り組む3組さんでした。