花沢地区ビジターセンター
重要伝統的建造物群保存地区の焼津市花沢地区内にある江戸時代から建つ古民家を地域利用の可能なビジターセンターとして改修を行ったプロジェクト。
用途変更に合わせたプランの変更、耐震補強とともに、外観・内観を保存することが市からの要望であった。耐震補強を行うと室内には鉄骨ブレースが露出してしまう点、また地域活用に伴って集会テーブルのように大きなものを収納する場所の不足が課題であった。
保存と活用の両者を立てた保存改修の在り方を探した結果、増改築が繰返され分棟になっていた躯体同士を緊結することで、構造強度が十分に満たせることが分かった。緊結箇所を既存の収納スペースが背中合わせになっている箇所とし、一体の大きな収納へと改修することで鉄骨の露出を避け、不足していた収納スペースの解消も担うことができた。
既存建物は劣化が激しく、取替や一部取替を行う必要がある箇所が構造体から建具まで多岐に渡っていた。これらも使える部分の保存を徹底することで、来訪者にも残した痕跡が読み取れる改修とした。
横井創馬建築設計事務所時担当