・プロセス思考型(論証そのものの妥当性・健全性を重視)
・紀元前の古代ギリシャに起源(ソクラテス、プラトン、アリストテレス: 古代ギリシャ・ラテン語文化圏)
・三段論法(大前提・小前提・結論)
=> 演繹的思考: 法則から個別事象を判断する
・裁判/ディベート(論題・立論・反対尋問・反駁・最終辯論・審査)
・勝敗をつける/つけやすい(白黒はっきりさせやすい)
・目的志向型(論証によって導き出される帰結の真偽や実利を重視)
・紀元前の古代インドに起源(ヴェーダ、ヒンドゥー教、仏教 : サンスクリット文化圏)
・五支論証法/五分作法/因明(提題・理由・喩例・適用・結論)
=> 帰納法的思考: 観察から法則を導き出す
・友好的な討論がしやすい、学びの場にしやすい、新たな発想/概念を生みやすい、個々人の経験や体験を活かしやすい
医者は医者と討論すべきである。
実に、同学の士との討論は、知識を得るための学習意欲を高め、知識を得る喜びを与える。さらに、当該分野に精通させ、表現能力を与え、名声を輝かしいものにする。 また、既に学んだことに関して疑問をもつ者は、討論において再度学ぶことによって、 疑問がなくなる。一方、学んだことに関して疑問をもたない者は、討論によって理解が一層確かになる。今まで学んだことがない事柄についても、学習する機会を討論は与えてくれる。 さらに、師匠が勉強熱心なお気に入りの弟子に秘伝のつもりで少しずつ教えた事柄を、 論争の最中に、勝ちたい一心から、弟子が喜んですべてを一度に吐き出してしまうことがある。だから、賢者たちは同学の士との討論を高く評価するのである。
ところで、同学の士との討論には二種ある。友好的な討論と敵対的な討論である。
友好的な討論は、智恵・専門的知識・意見を交換する表現能力を備え、す ぐに腹を立てず、申し分のない学識を備え、意地悪でなく、説得可能であり、自らも説得作法をわきまえており、忍耐強く、討論が好きな人との間に行われる。そのような相手と討論するときは、心置きなく討論し、心置きなく質問しなさい。心置きなく質問する相手には、事柄をはっきり説明しなさい。そのような相手に敗北することを恐れてはならないし、彼を負かしても大喜びしたり、 他人の前で自慢してはならない。自分の無知ゆえに一つの立場に固執してはならないし、相手が知らない事柄を繰り返し言及してはならない。 正しい作法によって相手を説得しなさい。この点についてはよく注意しなさい。以上が、好ましい討論の決まりである。
敵対的な討論に入る前の注意
他人と敵対的な討論に入る場合は、自分自身の能力をよくわきまえて、論争しなさい。 そして、論争を始める前に、必ず論争相手の特徴・彼我の能力差・聴衆の特徴をよく 吟味しなさい。実に、慎重な吟味は思慮ある者たちに行動を起こすべきか否かを教えてくれる。だから、賢者たちは吟味を高く評価するのである。 ところで、吟味に際しては、彼我の能力差と、論争者を勝利に導く特徴と欠陥のある 特徴とをよく吟味しなさい。
例えば、学習した知識、專門的知識、記憶力・語意を理解する直観・表現能力、これらが勝利に導く特徴と呼ばれる。一方、以下のものが欠陥のある特徴である。例えば、すぐに腹を立てる、当該分野に精通していない、びくびくしている、記憶力がない、 注意散漫であること。以上のような論争者の特徴を自他がどれほど備えているか、その多少を比較検討しなさい。