今年度第3回となった協議会では、会員である町田市小野路町の『あした農場』さんをめぐるエクスカーションからスタート。
里山のなだらかな斜面に広がる広大な畑には、一同「ここも東京なんだね…」と圧倒されるばかり!
町田市から借りた荒れた耕地を、ここまで整地された道のりはきっと想像を超えたご苦労があったのではないでしょうか。
あした農場代表の渡辺氏。
ご家族と共に営農する広大なこの農場は、農薬を使わない体験農園nou-fuの運営や二条大麦の栽培による地ビールづくり、『里のマルシェ』への出店など多種多様な活動の原点ともいえます。
10年前に町田市の地権者と農業始めたい人を結びつけるサービスを利用し、借りた土地は現在1.8ha(約5,400坪)の畑と田んぼ1反(300坪)。この敷地をご夫婦とアルバイト、援農ボランティアの手を借りて管理しているそうです。
畑の一部では、体験農園も提供。20区画に区分されているという畑には、旬の野菜が健やかに育っていました。
野菜の出荷ルートは野菜セットと小売店がメイン。無農薬での栽培に理解のある自然食品の店を主体に販売し、残りは農協に販売するそうです。
そのほかにも、渡辺さんが実施している新規就農者を育てる試み、「あしたのファーマーズ」では、野菜づくりを学んだ人に、農地の管理や機械の使い方、野菜を作って売るまでのノウハウを伝授。年2回の地元で開かれるイベント※『里のマルシェ』で販売しているそうです。
※『里のマルシェ』 会員の増田氏が春・秋の2回、地元町田市野津田の農村伝道神学校グランドで開催している農・食・環境・地元がテーマのローカルマルシェ。
農場の中の温室にはヒヨコや羊、鶏、ポニーの姿も。
農場で飼育しているポニー「トランク」はカボチャをボリボリ
卵を産んでくれる鶏たち
収穫したての大きな里芋が美味しそうでした!
町田市で農場を経営し始めてからは、地縁や血縁も無いため、地元農協や町内会への加入、里のマルシェへの参加など積極的に活動を広げて行かれたそうです。
小野路公会堂では、この週から2週間後に開催される、秋の小野路の魅力的な農スポットをめぐる『農さんぽ』についてご紹介いただきました。
里山を介して、さまざまな世代が笑顔でつながる場の提供ができれば…と熱い思いが伝わりました。
また、近づく借地の返還や農作物の単価、農家の構造的な問題など、さまざまな課題についてもお話頂き、楽しいだけではない農場経営の実態もお聞きし、さまざまな学びがありました。
東京の農場経営をめぐる問題は山積しており、手放しに持続可能とはいえない実態も。
農場を見学するだけでなく、収穫や食などさまざまな体験ができる新しい試み『農さんぽ』に一同、興味津々。
あした農場さんから様々なことを学んだエクスカーションの後は協議会を開催。
秋に実施した『ずしまちいち』や『秋の里山ファミリーワークショップ』等についての報告や今後の活動方針について話し合いました。
次回も情報交換だけでなく、お互いを知って学び合う、このエクスカーションスタイルを織り交ぜ、また実施したいと思います。