広報部メンバーのワサクラさんの夢「アナウンサーにインタビューをしてみたい」を叶えるために今回は、過去に『ワールドビジネスサテライト』『ゆうがたサテライト』などの番組に出演されており、現在では『ニュースモーニングサテライト』のほか経済動画配信プラットフォーム・テレ東BIZでのシリーズコンテンツ『サステナブルってなに?」に出演されているテレビ東京ニュースキャスター・塩田真弓さんにお話を伺いました
アナウンサーまでの道のりについて…
ーーアナウンサーになろうと思ったきっかけはなんですか?(Scoops)
塩田 学生時代に新聞部を立ち上げ、校内向けの新聞を作成していました。その時から情報を人に伝えることが好きだった気がします。また情報源から聞く面白さを実感して、情報源の人たちから直接聞いてみたいと思ったのも(アナウンサーになろうと思った)理由の一つ。あとテレビの映像ならではの伝え方の面白さにも興味がありましたね。
ーーアナウンサーになるためにどのような事をしましたか?(さら)
塩田 学生時代にはアナウンサーのトレーニングは特にしてこなかったです。滑舌の訓練などを受けたのは(テレビ東京に)入社してからですね。でも、学生時代に面白い経験をさせてもらいました。交換留学で一年間イギリスに行っていたのですが、私が行ったときに大きな選挙がありました。その選挙の現地の報道の仕方が日本で見る選挙報道と大きく異なり、媒体や局によって違いがすごくあって驚きました。そういったメディアの面白さに触れられことは非常に良い経験だったと思います。
ーーアナウンサーとしてのモチベーションをどのようにして保っていますか?(新人)
塩田 私のアナウンサー人生は前半と後半に別れていて、出産がその分岐点になりました。アナウンサーになりたての頃は目の前のことに追われてついていくことに精一杯で、今思えばものすごく受け身だったと思います。新商品、新戦略、新店舗などの企業の情報を取材していました。そして出産や育児のため仕事を離れたタイミングで、自分の仕事について客観的に考えさせられる社会課題解決に挑む人たちとの出会いがありました。復職後の後半では社会課題に挑戦するたくさんの人たちに出会い、そう言う人たちの意見を聞いていると本当に目から鱗でした。そして気づいたのが、「私はこういう人たちを取材するのが好きだ」ということ。日本でも課題がたくさんあって、データ分析のことだったりを見せてもらうとそれを伝えたいと思う。彼らの情熱をそのまま伝えないといけないという思いが私のモチベーションに繋がっています。
ーーニュースキャスターとして、絶対に譲れないプロ意識は何ですか。(Joshua)
塩田 やはり正しい情報を正しく伝えることだと思います。たとえ噛んでしまうことがあっても、噛まないにこしたことはありませんが間違った情報にならなければいいと思っています。また、自分の上でストーンときたうえで伝えたいとも考えています。(AIアナウンサーのように)機械的に伝えるのではなく、そのニュースの何が重要なのか、ニュースを受けてなにが問題で何がポイントなのかを咀嚼した上で伝えていく。原稿には入ってないことでもここが重要ということを事前にインプットする。そしてそれをニュースで話す。第一報だけではなく、もう一歩深く知ってもらいたいと考えています。
ーーニュースキャスターをやる上でニュースについて詳しくないといけないというプレッシャーがあると思いますがどういった方法でニュースの勉強をされていますか? (Yuki)
塩田 最近のニュースで驚いたのは歴史が参考にならないことが多いこと。だから日々いろんな情報にタッチして勉強しています。特に海外メディアのポッドキャストを聞くことが多くなったのですが、濃い情報を出してくれます。それこそ目から鱗でした。あとは新聞やマーケットウォッチは必ず読んでいます。けれどやはりアメリカメディアはほんと勉強になることがたくさんあります。
『サステナブルってなに?』について…
ーー「サステナブルってなに?」を始めようと思ったきっかけは。(りぶ)
塩田 2050年にCO2排出量を0にするということが発表された時でした。
サステナブルという言葉は5年前は日本ではあまり広がっていなかったのでシリーズ企画タイトルには使えなかったのですが(企画を提案していた時)菅総理(当時)がネットゼロ目標を発表し、世の中でSDGsも広がったことでタイトルに使うことができることになりました。最初は子どもでも見やすくクイズ形式で始めました。やってみると意外と大人にも好評でした。まず最初は温室効果ガスの影響がシベリアの永久凍土を溶かしている話など地球温暖化がどこまで影響しているのか分かりやすく説明しました。その後のテーマはやはり新型コロナウイルスを受けてのものでした。「コロナ下で日本にいるベトナム人労働者が家畜の豚を盗んだ」というニュースをみたとき、日本で中国よりも多いベトナム人が置かれている現状をリサーチすると「雇用者がコロナ下で仕事が減ったために外国人労働者を解雇した」と。解雇が簡単にできるルールになっていることやコミュニティの中で横の繋がりが希薄であるという受け入れ国としてのルールや体制づくりが整っていないことがわかってきました。取り上げて発信せねばと思わされる問題が次から次へと起きている状況は今も続いています。
ーー「サステナブルってなに?」どの年齢層、どのような人々に見てもらいたいか。またそのターゲット層に見てもらうために、工夫していることは。(そな)
塩田 20〜30代に見てもらいたいと思っています。学生のみなさんは驚くほど(サステナブルについての)知識をたくさん持っていて、40〜60代が考えないような発想があったりします。20-30代向けの工夫はまだあまりできてないのが正直なところですが、実際にその世代に接する時に意見を聞いたりします。反響の数値から発信の仕方の戦略を分析&練っていきたいと思っています。
ーー仕事と育児との両立はどのようにバランスを保ってますか?(ケミカル大佐)
塩田 仕事と育児は、相乗効果がとてもあります。子どもの未来を考えると、今私たちの世代が解決できることはひとつでも多く解決して次の世代に渡したいと強く思います。逆に子どもが学校で学んでくることから驚かされたりもします。時々自分の仕事内容について子どもの意見を聞いてみたり(笑)。子どもの存在が自分の仕事を続けることの使命感、活力源になっています。家のことは引き算思考で欲張らない、頼れる方法があれば頼る。家の中で「アナウンスメント!今やるべきことはこの3つ。今から10分で手分けしましょう。誰がどれをする?」という方法も時々活用します。ひとりでやらなきゃと思わず皆でやるもの、という考え方を子どもとも共有するようにしています。できる限り(笑)。
ーーどんなニュースでも視点によって読み取れることが違うと思うのですが、メディアの中立性に関して塩田さんの意見をお聞きしたいです。(Oden)
自分が中高生だった時、(メディアによって)色合いが違うという認識が今ほど無かったのですが、社会人になって徐々にメディアごとに特徴が違うことがわかっていきました。それから、どの情報が自分に有効なのかという目を養うことが大切にもなりました。自分が信頼する正しい情報がなんなのか。気をつけて情報に向き合う。今の時代だと出典元も確認することができますよね?何が自分にとって信頼できる情報なのかAIは万能ではないという認識のもと、取捨選択が本当に大事だと思います。
塩田真弓さまの感想:
学生さんらしく真っ直ぐに質問を投げてもらえたことはとてもいい経験になりました。事前にどんな質問が来るのかわからなかったわけですが逆にそれがよかったのかもしれません。(事前に準備なしのおかげで)本音が自然と出たのではと思います(笑)。
メンバーの感想:
りぶ「私自身初めてのインタビューでとても緊張しましたが、大成功して安心しました。塩田さんが学生の私達にも分かりやすく説明してくださったので、少し難しそうなお話でもすぐに理解することが出来ました。」
Scoops「塩田さんとのインタビューを通して人生の中でタイミングに気づくことや自分の意思を持つ大切さをより実感しました。また、インタビューの行われ方や受け答えの仕方、進行などもすごく勉強になりました。」
新人「いつもテレビに出演している塩田さんにインタビューすること機会を頂き、生徒の質問を一人一人丁寧に答えていただきました。アナウンサーやリポーターとして活動した経験からくるアドバイスが私たちの不安の解消やモチベーションになっていると思います。」
ケミカル大佐「普段触れることのないことについて知ることができ、大変興味深かったです。また、仕事に対して責任感を持つことの重要性を実感でき、貴重な経験となりました。」
編集:もやし