古田大輔さんに対しての質問
「ニュースの見極め方」
Q. なぜアジア圏で働いていたのにアメリカに移動したんですか?
A. 理由は一つではないです。アメリカで、最先端のメディアやジャーナリズムを学びたかったこと。アジアのどこか1カ国に自分の専門を閉じてしまうことに迷いがあったことなど、たくさんあります。
Q. サイバーカスケードはよく悪い結果を引き起こすという意味で説明されますが、このような現象を良い目的につかうことはできますか?
A. サイバーカスケードで、極性化(人や集団が極端になっていくこと)が進むことを良い目的に使うのは難しいと思います。そもそも、カスケードというのは滝のように一方に急激に流れていくさまを表していて、コントロールが難しいからです。
Q. 一番悪質だと思ったフェイクニュースはなんですか?答えられる範囲でお願いします。
A. 一番を決めるのも難しいですね。誤情報、偽情報は世の中に溢れているので。
Q. メディアリテラシーの存在を知らない人、そしてそれが身についてないメディア利用者が多くいます。どのようにメディアリテラシーの必要性やそれを高める方法を伝えると、最も効果的だと思われますか?
A. アメリカやカナダなどには未就学児からのメディア・リテラシー教育がありますが、それでも国民全体に十分にリテラシーがそなわっているというわけではありません。なにをやっても、そんなに簡単なことではないです。それでも諦めず、たった一つの「最も効果的な方法」などというものに頼らず、学校教育、地域教育、インターネットなど総動員して実施する必要があると思います。
Q. ある出来事に対して自分と違う認識をしている人とその事について話す時、自分の意見を押し付けず、円滑な会話にするためにはどのようなことに気をつければいいのですか?
A. まずは相手の否定から入らないことだと思います。相手の主張を聞き、なぜ、そう考えるのかをきくところからかと。
Q. 人には必ずバイアスがあると紹介してくれましたが、それはどのように形成されると思いますか。また、バイアスは人生の中で変わることはありますか?
A. 人の考えやバイアスは、その人のそれまでの人生で得てきたすべての経験・情報から形成されます。10歳と15歳では、新たに積みました5年間の経験で考えが変わるのは自然なことだと思います。ただ、年を取るにつれ、それまでの自分を大きく変えるような新たな経験や情報を学び続けることができる人は減っていくのが現実だとも思います。そこは個人の努力ですね。
今回はリンデンホールスクール中高学部で講演会を開催していただいた古田大輔さんに質問させていただきました。
編集:もやし