古文書と
スーパーコンピュータに
関するシンポジウム

「なにか×スパコン(SC)」というテーマを掲げることにより、その「なにか」の分野とスパコンの分野で新しい共同研究が生まれることを期待したシンポジウムです。様々な分野にコンピュータが利用されている現在では、スパコンセンターのあり方もこれまでとは変わる必要があります。そこで、これまでのスパコン利用者だけでなく、新しい分野にスパコンを使ってもらい、より良い成果やこれまでにない成果の創出に繋がるきっかけ作りが必要となります。今回はその「なにか」を「古文書」とし、スパコンとは直接的には関係の無い「古文書」に関連した研究を行っている方にご講演いただき、「SC」と「古文書」でお互いに何かできることは無いかを最後に議論し、新しい可能性を見つけ出します。

日時: 2024/3/15(金)13時30分~18時00分

場所: ハイブリッド開催
    現地:京都大学学術情報メディアセンター北館4F大会議室
       この地図の42番の建物になります

    オンライン:下記申込URL登録者にZoomアドレスを送付   

シンポジウムチラシ

■プログラム

前半司会 南里 豪志(九州大学 情報基盤研究開発センター)

 

◆13時30分~13時35分 

はじめに 深沢 圭一郎(京都大学 学術情報メディアセンター)

 

◆13時35分~14時15分

講演者:大澤 留次郎(TOPPAN株式会社 情報コミュニケーション事業本部 課長)

講演概要: TOPPANは、現代人には難読になってしまった「くずし字」をコンピュータの力を借りて効率的に読み解く「くずし字AI-OCR」の研究開発に取り組んできました。本日は開発の経緯、サービスの状況、今後の課題に関してご紹介します。

 

◆14時15分~14時55分

講演者:中村 智晴(九州大学附属図書館 図書館職員 )

講演概要:和本を読み解くうえで「くずし字」の学習は不可欠です。学習者は、字形を覚える・資料を見る・試行錯誤しながら読む・経験者の批正を仰ぐ、といった段階を経て「くずし字」の読解力を身に付けます。近年、これらの段階を支える技術が続々と登場しました。本講演では、ICTがもたらした学習環境の変化を、学習者の観点からご紹介します。 

 

◆14時55分~15時35分

講演者:西岡 千文国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 助教

講演概要:京都大学貴重資料デジタルアーカイブは、画像データ公開の国際的な規格であるIIIFに準拠して、貴重資料画像を公開している。講演では京都大学貴重資料デジタルアーカイブの概要とともに、その利用の広まりについて報告する。


◆15時35分~15時50分 休憩

 後半司会 深沢 圭一郎(京都大学 学術情報メディアセンター)

 

◆15時50分~16時30分

講演者:天野 恭子(京都大学大学院 文学研究科 人文学連携研究者)、夏川 浩明(大阪成蹊大学データサイエンス学部 准教授)

講演概要:成立が謎に包まれている古代インドのヴェーダ文献について、言語スタイルの変遷や文献間の影響関係を視覚的分析を用いて考察し、文献の成立と発展の過程を明らかにする。文献学×情報学の学際研究による挑戦について報告する。

 

◆16時30分~17時10分

講演者:小山田 耕二(大阪成蹊大学 データサイエンス学部 教授)

講演題目:非侵襲的X線CTスキャンを用いたページ情報抽出法の提案と評価

講演概要:X線CTスキャンは冊子のページ情報を分析するために使用され、以前の方法では適切に情報を抽出できませんでした。この問題を解決し、精度向上のために物理学に基づいたニューラルネットワークを提案します。構造類似性測定を使用してページ抽出の適切さを数値的に評価し、提案方法の有効性を確認するために新しい冊子データも使用します。


◆17時10分~17時50分 総合討論

古文書研究にSCを活用できるか。古文書研究のの考えをSCに応用できるか。本日のご講演を聴いて思ったことなどをご議論ください。また、次回α×SCのテーマも募集しています。

過去のテーマ:データサイエンス、通信・ネットワーク、都市計画、フィールドワーク、群れ、ゲーム、セキュリティなど

 

◆17時50分~18時00分 まとめ



(昨年度のシンポジウムはこちら

(これまでのα×SCシリーズはこちら


お問い合わせ

京都大学 学術情報メディアセンター 深沢 圭一郎

fukazawa@media.kyoto-u.ac.jp