重力波によるスカラー新粒子の探索 

2023年度-2027年度 基盤研究(A)(一般)23H00110 

ニュース

現代基礎物理学の大問題と言われるインフラトン、暗黒物質やバリオン数の起源の問題などはすべて、標準宇宙論を超えた基礎物理の可能性を示すものである。この観点において、重力波観測を用いることで開かれる新たな粒子、特に、スカラー場に代表されるボゾン自由度の探索は非常に魅力的である。本研究は、近い将来に実現可能な重力波観測を用いたボーズ新粒子の発見と検証手段の提案を中心課題とし、理論的知見を活かした重力波による新たな新粒子探索手法を確立する。

 本課題の核心をなす「問い」は、現在の我々の理解を超えた物理の新境地の開拓にある。素粒子標準模型と標準宇宙モデルを超えた世界像を得る突破口として新たな観測的知見を得ることは不可欠な要素と考えられる。新たな探針である重力波観測が、基礎物理の分野に与える可能性は絶大である。この広大な可能性を理論的に探求し、発掘することで、「素粒子標準模型を超えた未知の場はどのような場か?」、「一般相対論を超えた重力理論はどのような理論か?」という根源的な問いに迫る。


背景

新物理の観点でスカラー場が果たす役割は実に多彩である。

取り組み 

本研究では、様々な必要とされる研究のステップを着実に発展させ、最終的に重力波実データ解析にまで結びつけるために、多様な専門家がそれぞれの得意分野において共通の研究基盤を構築し連携することで研究を加速する。


年次計画

本研究では、(A) 重力波による新粒子探索の新たな可能性の発掘、(B) 重力波波形に対する新粒子の及ぼす影響の理論予測、(C) 理論的知見を活用した重力波データ解析の手法の開発を進める


お問い合わせ

t.tanaka@tap.scphys.kyoto-u.ac.jp