近高ハナミヤ  世界大会出場決定!


近畿大学附属豊岡高等学校自然科学部 『近高ハナミヤ』  〜全国大会までの軌跡〜   


近高ハナミヤとは


僕たちは近畿大学附属豊岡高等学校自然科学部ロボット班に所属し、「近高ハナミヤ」というチーム名で活動しています。

週に4回、高校一年生6人で放課後に集まり、主にロボットの組み立てやプログラミング、環境について学んだりしています。




FIRST LEGO League Challengeとは


FLL(FIRST LEGO League)Challengeは9歳~16歳の青少年を対象とした世界最大規模の国際的なロボット競技会です。FLLの競技はロボットを組み立てて課題をクリアする「ロボットゲーム」と3種類のプレゼンテーションの合計4つの競技で構成され、これらの点数を総合して最終順位が決定されます。現在、世界110カ国、約67000チームが出場しており、大会ではロボット技術だけでなく想像力や思考力、表現力、チームワークといったヒューマンスキルも大切な要素となるのがFLLの特徴です。


競技の活動紹介


僕たちは、FLLにエントリーすることを決めた2022年10月からFLL関西予選に向けて本格的に活動を始めました。


①自律型ロボットで2分30秒の間にミッションの攻略を目指す「ロボットゲーム」

②大会で使用するロボットの工夫点やデザインなどを発表する「ロボットデザイン」

③指定された現在の社会問題に関するテーマについてチームで探究し、解決策を発表する「イノベーションプロジェクト」

④大会に向けた準備の中での成功や衝突、チームとしての成長を発表する「コアバリュー」


これら4つの競技を、僕たち6人で役割分担し準備を進めていきました。ここでは特に力を注いだ 僕たちの「ロボットゲーム」と「イノベーションプロジェクト」の活動について紹介させていただきたいと思います。


過去実績


FLL(First Lego League)Challenge2022-2023


2022年12月11日(日):関西予選大会4位通過


2023年2月19日(日)全国大会6位タイ 

石田晴久賞(特別賞)受賞

下記世界大会への出場権を獲得


FLL(FIRST® LEGO® League)

Morocco Open Invitational2023

2023年5月18日~21日

in Morocco Marrakech


ロボットゲームの紹介

ロボットゲームでは、大会から指定されるステージ上で自律型ロボットを動かし、ミッションをクリアしていきます。

LEGOブロックを使いミッションに合わせて一からロボットを組み立てたり、パソコンでプログラムを作りロボットに入れて走らせるというような練習をしています。


ロボットは上の写真のようなLEGOパーツとロボットの心臓部分に当たるEV3、モーターなどの機器で構成されています。

人間でいう腕のような役割をする「アーム」部分をロボットに 取り付けます。

上げ下げや押し引きするアームを作ったり、難しいミッションは工夫して少し特殊なアームを作り、地道に改良していきました。


プログラムは上の写真のようになっています。

モーターを何度回転させる、といった単純なものもあれば、カラーセンサーで値を読みそれを計算式に入れて想定のルートとの誤差を計算するような複雑なものもあります。

ロボットはLEGOブロックで作っていて精密さには欠けてしまうのでプログラムを1度単位で細かく調整しました。


左の写真はアームを製作している様子です。チームで相談したり実際に動かしたりしながら作っていきました。

複雑なアームを作る時は動画や本を参考にしました。

僕たちには技術を教えてくれる人がいなかったので行き詰まる時もありましたが、関西予選での反省点も活かし、「効率」と「正確性」の両立を目指しました。


右の写真はプログラムの調整をしている様子です。

何度もロボットを走らせ、プログラムの数字を変えるという細かい作業です。   

プログラムを組むときに一番時間がかかるのは調整で、1つのプログラムの為に100回以上の調整をすることもあります。プログラムの作り直しもあってとても大変でした。

実際の全国大会本番ではミッションの全てがうまくいったわけではありませんでした。これからの2ヶ月間を使って「効率」と「正確性」にさらに磨きをかけ、世界大会では高得点を獲得したいと考えています。

イノベーションプロジェクトの紹介

今シーズンの大会のタイトルは「SUPER POWERED 未来のエネルギー」。現在僕たちが直面している地球温暖化や持続可能な地球の環境づくりなどを踏まえてこれからのエネルギーのあり方を考えるのが今大会のテーマです。チームは探究してきた問題とその解決策をプレゼンテーションによって専門家である審査員の前で提案します。

まず、僕たちは、中高生へ実施したアンケートの結果などから「今の中高生はエネルギー問題解決について漠然とした意識はあるけど、触れ合う機会が少なかったり、具体的に何をしたらいいのかわからない」といった現状があるのではないかと考えました。

今の若い世代が本当にすべきことは、新しい発電方法などを考える以前に、エネルギー問題などの環境問題に積極的に触れ合い自分たちには何ができるのか、理解を深めることなのです。

そこで僕たちが作ったのは「環境アクションボードゲーム」です。すごろく形式なので、中高生でも気軽に楽しく学ぶことができ、環境学習に組み込むことも可能です。制作にあたっては専門家の木築基弘さんに多くのアドバイスや協力をいただきました。

環境アクションボードゲーム第一号。1回目のボードゲーム体験会ではこのモデルを使用した。


マスに対応したカードの例。中高生でも無理することなく始められるアクションを学ぶことができる。

4人1組の協力制で、進んだマスに対応したカードに書かれたポイントをゲットしていきます。ポイントは「エネルギー」「CO2削減」「環境」「お金」の4つの種類に分かれていて、最終的には4種類のポイント合計のバランスで勝敗が決まります

市内にて行われた第一回目の体験会の様子

そして2023年1月28日、豊岡市内にて環境問題などに関心がある方15名を対象としたボードゲーム体験モニター会を実施しました。実際にチームに分かれて僕たちの作ったゲームをプレイしていただき、体験者の方々から感想やアドバイスをもらいました。

ゲームは楽しんでいただけた一方で「学生の場合、マスの内容よりもポイントの増減や勝敗が気になってしまう、内容をもっと吸収できるような仕組みが必要」といった意見を多くいただきました。

そこで従来のモデルを改善し、QUIZマスChallengeマスなど、プレイヤー同士の会話が生まれるきっかけとなるマスを追加しました。

ボードゲームの改善案。QUIZマスやChallengeマスを多く追加した。

これらの改善を踏まえ、2023年2月4日、姫路市の賢明女子学院中学校・高等学校にてSDGsサークルに所属する中高生約30名を対象とした2回目のボードゲーム体験会を実施しました。

第二回目の体験会の様子

今回の体験者は全員中高生だったのですが、僕たちの作ったゲームで楽しく盛り上がりながら学んでもらえました。また、「とても面白く、エネルギーなどについて楽しく学べた」「このゲームで学んだアクションを今日から実践していこうと思う」といった感想を頂きました。

現在は、


デザインの改善

・日本人だけでなく、色々な国の人に楽しんでいただけるようゲームの仕組みやルールをより良いものにする

・学校で行われる環境問題の出前授業などへの組み込み

素材にもこだわり、環境アクションボードゲーム商品化


などを目指して活動中です。

このゲームを通して1人でも多くの人に、環境問題に対して小さな行動を起こすことの大切さを知ってもらいたいと考えています。

ご支援のお願い

豊岡から世界へエネルギー問題の解決方法を発信!

私たちは今回の大会のテーマSUPER POWERED 未来のエネルギーからボードゲームの作成をし、少しでも多くの人にエネルギー問題を身近に感じて欲しいと思っています。コウノトリと共生する町、豊岡だからこそ日本へ、世界へ発信する意義があり、多くの人の意識が変わって欲しいと思います。私たちは1人の100歩より1億2000万人の1歩をテーマにこのボードゲームを考えました。

この考えに賛同、また私たちを応援していただけるなら、世界大会への渡航費や滞在費のご支援をお願いします。

後援:近高・中生育援会 

但馬信用金庫(店番001) 普通口座0826589

口座名義 近高・中生育援会 (キンコウ.チユウセイイクエンカイ)

1口:2,000円 

用途:渡航費、滞在費

※ATM等振込用紙以外を利用してご入金いただく場合は振込手数料がかかります

 本校事務室へ直接もって来ていただくことも可能です。その際は必ず領収書をお受け取りください。

 5月31日まで受付けております。どうぞよろしくお願いします。

大変多くの応援やご寄付をいただき、ありがとうございました。充実した遠征となりました。