平成29年11月14日から旧名ISG-Keioとして活動を開始しましたASG-Keioも令和元年10月1日をもって一般社団法人となりました。
「現代の文明環境は(中略)もはや分野連携というよりは、学境の撤廃、反分野的 (anti-disciplinary) な破壊活動を起こし、あるべき科学の進展を目指すべきであろう。」 これは、野依良治先生 (2001年ノーベル化学賞受賞) が2018年末に科学技術振興機構JST研究開発戦略センターのウェブサイトで書かれていた一節です。Anti-disciplinaryという言葉自体は、MITメディアラボが以前から掲げているもので (joi.ito.com 「脱専門性について」 2014.10.02)、研究フェーズ、専門領域、疾患対象を超えたアイデアや人の交流は、非常に複雑な生命現象を理解し、新奇性の高い研究を遂行・実装していくために不可欠ですが、もはやそれだけでは十分ではないという問題提起が我が国に投げかけられています。
ASG-Keioは、若い人材が創造性と競争力の高い国際共同研究を実施し、企業や行政など様々なステークホルダーと共に学外に開かれた研究の推進と、それらを通して次世代研究者の育成を行っていきたいと考えております。 専門領域、所在国、所属(大学、企業)、年齢(高校生、教授)を限定しない研究者、企業の方、高校生など多様性を担保し、ライフサイエンス、植物、AI、工学、臨床研究などのセミナー(Scienc-ome)や学会(ABiSS)、ハッカソン(Scienc-ome Innovation Hub)などを開催することで、自由な発想と活発な人材ネットワークによる共同研究、開発、次世代教育などを進めてまいりました。
今後とも質の高い教育 (SDG4)、イノベーション (SDG9) に基づく、全ての人の健康と福祉の享受 (SDG3) 等に関する様々な事業を展開することで、広く日本を含めた国際社会に貢献できると考えています。
【会のポリシー】
1. “Equal speaking”をモットウとする。背景、研究領域の異なる人が集まって全人が参加し、新しいアイデアを生み出す。聴講のみはなし。
2. “Interaction”を促す。学生、教員など立場は表記せず、フラットにディスカッションを行う。
3. “Idea first”として技術ではなくアイデアを重視し、背景の異なる分野との融合を図る。
【会のビジョン】
3つのポリシーのもとに様々な専門性を持つ多くの研究者がアイデアを交換し、ブレークスルーに向けたanti-disciplinary研究の推進を目指す。
一般社団法人慶應反分野的サイエンス会(ASG-Keio)
代表理事 早野 元詞