「芭蕉布WEB資料館」へようこそ!

本サイトを作ることになったきっかけは、自分の、2000年から2005年まで行った沖縄の芭蕉布に関する研究です。2000年に沖縄本島に住み着いてから芭蕉布に関する多くの論文、記事や本の内容を閲覧しましたが、琉球列島に見られる芭蕉布のルーツ(起源)に関しては明確にされていませんでした。私の芭蕉布研究はそのルーツに対する疑問と好奇心から始まりました。

本芭蕉布研究の成果を2006年3月にベルギー王国のルーヴェン・カトリック大学文学部東洋・スラヴ学科で Ph.D.論文 “Bashofu: Banana-fibre Cloth and its Transformations of Usage and Meaning across Boundaries of Place and Time in the Ryukyu Archipelago”(琉球列島における芭蕉布の、地域と時代により変わる用途や意義)の形で発表しました。上記の英論は翌年の2007年に Leuven University Press(リューヴェン大学出版社)で「The Origins of Banana-fibre Cloth in the Ryukyus, Japan(琉球列島における芭蕉布のルーツ)」という本として出版されました。

あれ以来ほぼ15年が経ちました。集めた芭蕉布のルーツに関する研究資料は、英論に纏めましたが、日本人にも紹介したい思いがあります。又、芭蕉布は現在、日本の「重要無形文化財」として高く評価されており、芭蕉布に関する多くの研究論文や記事が発表されています。本サイトを作成し始めた理由は、自分の研究成果だけではなく、様々な研究者の、現在インターネット上で公開されている芭蕉布に関する貴重な論文、記事、動画なども、芭蕉布に興味を持っている方々に是非とも閲覧していただきたいからです。私はこれを個人的かつ非営利目的でやっており、読者や次世代の芭蕉布研究者のお役に立てれば幸いです。

2020年8月の吉日

カトリーヌ・ヘンドリックス