授業の説明・About the Class

概要・Overview

2020年。新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、日本では4月から5月までの間の緊急事態宣言を通して、学校の休校や外出自粛などの行いがありました。今でもその影響が社会の端々で見られるなか、都立一橋高校の「シティズンシップ」授業では「コロナ禍の社会」をテーマに生徒がプロジェクトに取り組みました。

生徒たちからみたコロナ禍の社会について、自らの視点や問題解決のためのアクションや自分の考えている事/感じていることについて、大人との対話を通して全6回の授業を行いました。また、自身のアクションや考えをまとめるために、ウェブサイト作成も行いました。

高校生がコロナ禍で感じた気持ちや、当事者と取り巻く環境に目を向け、問題に対して自らアクションを起こした過程を、ぜひご覧ください。

2020. Due to the COVID-19 pandemic, the Japanese national government ordered a state of emergency in the period of April-May. During the period, school closures and quarantine requests were enacted. While the effects of the pandemic are still felt throughout the society, students taking Citizenship Class at Tokyo Metropolitan Hitotsubashi High school held a class project to think about the post-COVID society.

Within 6 classes, students shared their perspectives and opinions on what they are experiencing and feeling in the post-COVID society, and turning their thoughts into actions to affect change. Furthermore, the students created websites to summarize their findings and actions.

Please take a look at what the high school students have thought of and acted on by turning their eyes towards their environment.

連携授業を担当された角田先生とカタリバからの授業への思いとメッセージは以下のリンクからアクセス出来ます。

For the message from the teacher who arranged the class, please access from the link below (in Japanese).

生徒の作成したウェブサイトと動画へのリンク・Link to Students' Websites and Videos

生徒が授業の発表に使った動画や、調べた情報、作成した作品などを「発信」という形でまとめたウェブサイトを生徒が授業内で作成しました。下のリンクからアクセス出来ます。

The students created websites to curate the videos they made, information they found, and other works they created during the class. You may access their websites below (Note: websites are mainly in Japanese. Some students have included English translations).

授業の様子・Scenes from the class

担当先生への生徒からのインタビュー・Interview excerpt from a student to the teacher

▲授業でのインタビューの様子

インタビュー(一部抜粋)

筆者:「授業を受けている生徒には何を学んでほしいですか?」

角田先生:「一人一人がメッセージを作って、発信することで自分たちが社会の主権者として活躍してほしいです。一人一人は小さい存在かもしれませんが人々に共感されるメッセージを作ることができれば、大きな力になると思います。高校生も社会に影響を与えることができるはずだと信じています。

このクラスの中にさまざまな人がいて、さまざまな意見を持ってることに気付くこともこの授業の目的です。異なる意見を受け止め、自分の考えや意見を相手に伝えることも目標です。またクラスのメンバーがどんな状況にあるのか、どんなことに困ってるのか、どのように対応しているのか、また乗り越えようとしているか、理解することもこの授業の目的です」

大人からのメッセージ・Message from citizens

行田悦子(こうだ えつこ)先生

【大学教員・成蹊学園国際教育センター、東京大学グローバルコミュニケーション研究センター、明海大学複言語複文化教育センター】

「大人からの応援メッセージ」ということですが、反対に、みなさんに「ありがとう!」とお礼を言いたいです。活動に参加し、多くの気づきをもらいました! コロナで変わった生活は元にもどらないかもしれませんが、「今ここにある問題」に向き合い、世代や言語文化の違いを超え「一市民として」ともに話し合ったこと。無力感や不安などを感じ、踏み出せなかったところから、一人一人のペースで自分に合った「次の小さなアクション」について深く考えたこと。貴重な体験でした。 今まで困ったことがあっても、気づかなかったり、一人で悩んだりしていたかもしれません。でも、だれかと「語り合う」ことで思わぬ解決策がみつかることもあります。それは、いつか咲く「希望のタネ」をまき、育てているようなものです。タネをまかなければ、花は見られません。小さな行動を積み重ね、試行錯誤しながら、いつかまたどんな「花」が咲いたか、語り合う日を楽しみにしています。

琴崎 馨 (ことざき かおる)さん

【OCNet(Ohta Citizen's Network for Peoples' Togetherness】

みなさん、世の中を変えるには、考えて考えて、自分で思うことを発信することが大事です。そのときに力を持つのは言葉です。
私は、会社に勤めているとき、技術者(エンジニア)でした。若い時に、1年半ほど、マレージアの工事に行きました。会社の規則では、2年以下の仕事では、日本から家族は連れていけず、一人で行かなくてはなりません。私は、会社に手紙を書きました。「家族を呼べば、これこれのお金がかかる。でも、呼ばなくても、何回も帰国するから、同じくらいのお金がかかる。家族と一緒にいれば、頑張る気持ちが湧く。だから、2年以下の仕事だけど、家族を呼んでほしい」と。これで、会社が認めてくれて、家族をマレーシアに呼ぶことができました。
みなさんも、文章を書く力がつけば、社会も、自分の人生も、変えることができます。そのときに、読んだ人の立場ではどんなことを考えるかという視点をもつことが大事です。
これを皆さんへのメッセージとしたい。みなさん、お元気で。

佐々木 隼人(ささき はやと)さん

【専門学校 東京声優・国際アカデミー 国際コミュニケーション学科】

授業の時間、楽しかったです!これからもいろいろなことがあると思いますが、そんなときはひとりで悩まないで、今回の授業で出会ったような大人にちょっと相談してみるのも良いと思います。応援してます。

南浦 涼介(みなみうら りょうすけ)先生

【東京学芸大学 教育学部、
日本語教育学分野】

コロナの中で、大変だなあ。しんどいなあ。と思うことが多い毎日です。 が、みなさんの取り組みは、
「目の前の困ったことを見つめること」「自分たちで考えること」「希望を見つけ出すこと」「それを外に伝えること」という、とても勇気がわく時間がいつもありましたね。
この4つは、社会に出たときにとても大事な行動の方法です。 そして、自分だけではなく、周りと、世界を、「今よりもちょっといいもの」にしていくための大事な方法だと思います。
この授業にはテストはありませんでしたね。でも、テストとは「今、自分が求められていることに対してどの位置にあるのか」を知るための手がかりです。 ここのいろいろな人たちのことばが「みなさんの今が、求められていたことに対してどの位置にあるのか」がわかるものになっていると思います。まさにこれがテストの代わりなのだと。 手ごたえを感じて、次に進んでくださいね!

今回のプロジェクト型授業の実施において、様々な大人の方々が「市民」として授業に参加され、個別にまた交替しながら、ていねいに生徒と対話を重ねていただきました。また、毎回のオープンな授業の振り返りの時間にご参加いただいき、ご助言やご協力もいただきました。大変ありがとうございました。

(五十音順、敬称略)

授業参加者

  • 石塚達郎 (公益財団法人 日立財団)

  • 海老原周子(一般社団法人kuriya)

  • 大國七歩 (東京都立一橋高等学校講師、東京大学大学院)

  • 行田悦子 (成蹊学園、東京大学、明海大学 大学教員)

  • 琴崎馨  (OCNet)

  • 佐々木隼人(専門学校東京声優・国際アカデミー 国際コミュニケーション学科)

  • アルジュン(大学生、一橋高校卒業生)

  • 徳永智子 (筑波大学、教育社会学・教育人類学 助教)

  • パオロ (専門学校生、一橋高校卒業生)

  • 南浦涼介 (東京学芸大学 教育学部 日本語・日本文学研究講座 准教授)

  • 八木亜紀子(開発教育協会(DEAR))

  • 山下知子 (朝日新聞社)

  • 吉田朋弘 (弁護士)ほか

協力者

  • 権野禎(東京都立一橋高等学校講師、お茶の水女子大学大学院)

  • 渡戸一郎(明星大学名誉教授)ほか


授業の教材・Class Resources and materials

授業で使用したワークシートや、授業の様子をシティズンシップ学会で発表した内容をまとめたページはこちらからアクセス出来ますので、ご活用ください。

Worksheets used in the class are available to be accessed from the "Resource" page below. Slides used for a presentation for the 2020 Citizenship Society Conference is also available.

認定NPOカタリバ・NPO KATARIBA

どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供する等、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
Since 2001, Katariba has been delivering learning experiences and opportunities for interaction to schools. Katariba is also working on creating spaces and turns in society for teenagers. Our vision is to create a society in which anyone can develop the power to make their own future, regardless of their social and economic background.

Youth Participatory Action Research(YPAR)

「日本の移民の若者と共に、知の生産プロセスを民主化する」をミッションとした研究プロジェクトです。若者参加型アクションリサーチ(Youth Participatory Action Research:YPAR)という研究方法を用いて、大学、NPO、そして外国にルーツを持つ若者たちとともに研究をし、アクションにつなげていくプロジェクトです。
YPAR is a research project that aims to transform the knowledge production and advocation with immigrant youth in Japan. This project adopts Youth Participatory Action Research (YPAR) approach and attempts to explore and research on issues surrounding immigrant high school students through University, NPO, and youth researcher collaboration.

LINE@でつながる!(ルーツ事業部)

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カタリバルーツ事業部との授業連携のお問い合わせやご相談は、roots@katariba.netまでメールにてお願いいたします。