動画の部

とてもかっこいい、完成度の高いミュージックビデオでした。自作の音楽とそれに完璧に合わせた自作の動画は、全部を自分で作っているからこその仕上がりで、クリエイティブへの熱意が素晴らしいと感じました。音楽も映像どちらも繰り返しと対称性を意識的に使うことで主題が上手く強調できていて、視聴していて気持ちのいい、何度でも見たくなるMVになっていました。

きっと普段からクリエイティブな活動をしているからこその、この完成度だと思います。

モーショングラフィックスを更に一歩踏み込むと、オブジェクトを複数のパーツで構成するようにしてそれらを分割・結合させたり、モーフィングで別の形に変形させたりすると動きの表現の選択肢が増えていくと思います。是非これからの作品作りの中で試してみてください。

作詞作曲のオリジナル曲を作っただけでなく、レコーディングからミュージックビデオまで作ったクリエイティブへの熱量がまずは素晴らしかったです。

駆け抜けていくようなアップテンポ調の曲に合わせて、多感な時期である10代の今が充実していることと、そんなかけがえのない日常を大事に思っていることが歌詞に込められていて素敵でした。また歌詞の所々に、そんな日々の中にも自分たちが未来に向かっていることを少しずつ自覚していて、そこに期待や微かな不安を感じつつも焦らずにいつでも自分らしさを大事にしていきたいという気持ちが織り込まれていると感じ取れ、将来という無限の可能性に向かい合っていく力強さを感じました。

MVも、モノクローム調の身の周りの映像で記憶のモチーフを表現しながら進んでいき後半で歌詞に合わせて一気に色鮮やかになる演出によって、大事な日常で積み上がっていく思い出がこれからも広がっていくことを想起させてくれると感じました。

総じて、かけがえのない今とそこから繋がっていく未来を瑞々しく描いた素敵な作品でした。

制作環境の制限だと思いますが、歌声の録音品質が若干こもってしまっていたように感じたので、いつかクリアに収録したバージョンもチャレンジしてみてください。