詩の部
審査 城戸朱理先生
審査 城戸朱理先生
中学生31編、高校生26編の力作が集まりました。
作品はすべてそのまま審査員の先生に送られ、ひと夏をかけて厳正に審査していただきました。
中学生の部
【最優秀賞】
「発見」 2年 岩崎加奈
(選 評)
幸せと悲しみ。生きていくうえで、もっとも根源的な問いかけをテーマを言葉の音から展開するのが、とても新鮮です。
一音を伸ばすと「あ」という日本語の五十音のいちばん最初、始まりにたどり着く。その発想が素晴らしい。
高校生の部
【最優秀賞】
「冷たい風が月曜日を予感する」 3年 遠藤夏美
(選 評)
タイトルが、どんな詩なんだろうという興味を読者に抱かせ、作品世界に誘います。
「ピカピカに磨いた靴」や「重たいリュック」といった具体的は事象のリアリティと天候に不安などの感情を託す構成が奥行きのある情緒の表現に成功しています。
総 評
高校三年ならば、これまで五年と半年を鎌倉女学院で過ごしたことになります。中学一年ならば、高校卒業まで、これから五年と半年あります。高校生であれ、中学生であれ、学校生活に期待と不安を抱いているのは共通しているのですが、その質が微妙に違って、高校生の作品のほうが将来へのビジョンを含んでいるところに、みなさんの成長を見る思いがしました。
みなさんにとって切実なのは、学校と友人、家族でしょう。そして、家庭と学校がみなさんの世界を形作るのは当たり前のこと。それは年齢を重ねるにつれて、大きく広がっていきます。「私の世界」が広がるにつれて、「私」もまた変わっていくことでしょう。しかし、どんな変化をしていったとしても、みなさんの精神的骨格を育んでくれたのは、120周年という歴史のある、鎌倉女学院での六年間であることを忘れないで下さい。みなさんの詩を読ませていただき、自分自身をはみ出し、あふれでるような思いに触れて、それを思いました。