漫画の部
審査 山田南平先生
審査 山田南平先生
中学生・高校生から合わせて8編の応募がありました。
作品はすべてそのまま審査員の先生に送られ、厳正な審査が行われました。
【最優秀賞】
「せっかく天使になったなら」 高校3年 田中花
(講 評)
『せっかく天使になったなら』は、作品としての完成度・キャラクター性(各キャラクターの魅力)・読みやすさ、すべて飛びぬけて高く、読む人のことを意識して描かれた作品だなということが高く評価できました。難点を挙げるとすればページ数の長さです。長すぎて最後まで読めない読者も出て来るのはもったいない作品なので、エピソードやセリフを削って24ページか32ページに収めることができれば最良でした。
総 評
「キャラクターの魅力度」「読者のことを考えて描かれているか」「物語が破綻していないか」「読後、記憶に残るか」等を判断基準にして採点をしました。結果、『せっかく天使になったなら』が飛びぬけて高く、悩むことなく最優秀賞に選びました。優秀賞二編は『無題』『自己主張』『こころ』の三編で迷いましたが、「キャラクター性」「読みやすさ」「読後感」などが優れていた『無題』と『自己主張』を選びました。『こころ』は作中のキャラクターの言動で読者が引いてしまう部分があることが減点材料になりました。「これを読んで嫌な気分になる人がいるかどうか」も考慮した作品作りをすることも大事です。どうしても描きたいエピソードがもしかしたら誰かの心を傷つける恐れがある場合は、表現方法を変えたり納得できるような理由や救いを与えるなど、読者に対する「逃げ場」も用意してあげましょう。選外の作品の特徴としては「漫画としての読みやすさに欠ける」という短所が目立つ作品が多かったです。イラストを描くだけではなく、たくさん漫画を読んで描いて「漫画としての読みやすさ」を研究しましょう。